授業科目 : 古生物科学
英文科目名 : Paleobiology
履修区分 : 自由
開講期間 : 後期
曜日・時限 : 木2
授業形態 : 講義
対象年次 : 2
単位数 : 2
教員名 : 吉田 孝紀石田 桂


【授業のねらい】
 古生物科学は化石を扱うことが多い学問であり,化石から過去の生物を復元しなければならないことがある.しかし,化石は過去のある生物のわずか一部分にすぎず,化石になる過程で様々な要因によって生物の情報が置き換えられ歪められている.まずこのことを理解した上で,古生物科学を研究するために必要な分類,進化および種分化などに関する基礎的知識を身につけることを目的とする.さらに,地球の歴史の中で起こってきた生物相の進化や環境変遷のイベントについて述べ,生物と地球がいかに密接に関わりながら変遷を遂げてきたか,についての理解を深める.

【授業の概要】
 講義内容は大きく3分される.はじめに,化石の性質について理解を深めるため,化石化の過程および化石の持つ意味とそこから得られる情報について述べる.次に,化石の記載法や命名法,分類など実践的な研究手法に加え,進化,発生および種分化などに関する基礎的知識と化石を用いた具体的研究方法について触れる.最後に,地球史において生物相が大きく変化したイベントについて,具体例を挙げて解説する.

【成績評価の方法】
 毎回講義後に行う小テストおよび期末試験を総合して,ねらいの達成度に対して評価を行う.A: 80%以上,B: 70%以上,C: 60%以上,D: それ以下.

【履修上の注意】
 特にない

【授業計画】
1.古生物学の目的と課題
2.化石とは何か?
3.タフォノミー(化石化の過程)
4.示準化石と示相化石
5.記載・命名法
6.化石の分類1(伝統的分類学と数量分類学)
7.化石の分類2(分岐分類学と進化分類学)
8.生物の進化
9.進化と発生(個体発生と系統発生)
10.隔離と種分化メカニズム
11.古生態と古環境
12.地球史における生物学的イベント1(カンブリア紀の生物の大爆発)
13.地球史における生物学的イベント2(中生代における生物進化)
14.大量絶滅
15.試験

【質問,相談への対応】
 対応できるときはいつでも可.理学部C棟410にて受け付けます.

【教科書】
なし

【参考書】
新版地学教育講座6 化石と生物進化 地学団体研究会(編) 東海大学出版会
古生物学入門 間嶋隆一・池谷仙之(著) 朝倉書店
地球生物学 地球と生命の進化 池谷仙之・北里 洋(著) 東海大学出版会