授業科目 : 古生物学実習
英文科目名 : Practice in Paleontology
履修区分 : 自由
開講期間 : 後期
曜日・時限 : 月1・2
授業形態 : 実習
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 吉田 孝紀大塚 勉石田 桂


【授業のねらい】
 地質学への化石の貢献は非常に大きい.化石の抽出・鑑定・分類法は地層を対象とする学問分野においては重要な手法である.しかし,化石は過去の生物遺体(あるいはその痕跡)という古生物学的側面と,堆積物として挙動する地層学的・堆積学的側面を併せ持った存在であるため,化石の正確な理解には古生物の生態,化石化のプロセス,化石の内部構造,抽出,同定・分類に至る知識を必要とする.
 この実習では,代表的な化石の抽出,識別,分類を通して,実際に化石を研究する際の基礎的かつ実践的な素養・技術を養い,地質学における古生物学的な方法論を理解する.

【授業の概要】
 大型化石(二枚貝やアンモナイト),小型化石(紡錘虫・有孔虫・貝形虫),微化石(放散虫,コノドント,珪藻)を実習の対象にする.大型化石についてはクリーニングとレプリカを用いたスケッチを行い,形態要素の抽出法や分類法について学ぶ.小型化石や微化石については野外での試料採取や産状記載を行い,室内での抽出・スケッチ・写真撮影・同定といった一連の過程を通じて,それぞれの化石種における研究方法を学ぶ.

【成績評価の方法】
 実習時に課する目標についての達成度を毎回のレポートによって評価し、その総点を成績とする.レポート・提出物等では達成度がおおむね8割以上のものをA,7割以上8割未満のものをB,6割以上7割未満のものをC,それ以下のものをDとする.

【履修上の注意】
 古生物科学を履修済みであることが望ましい.

【授業計画】
1. 化石を含む岩石の採取と産状観察
2. 放散虫・コノドント化石の抽出1
3. 放散虫・コノドント化石の抽出2
4. 貝形虫化石の抽出
5. 珪藻化石の抽出と観察
6. 走査型電子顕微鏡による微化石観察1(機器の使用法と前処理)
7. 走査型電子顕微鏡による微化石観察2(撮影)
8. 走査型電子顕微鏡による微化石観察3(撮影)
9. 微化石の同定・命名法と記載
10. 紡錘虫を含む岩石の薄片制作と観察1
11. 有孔虫化石の抽出と観察1
12. 二枚貝の形態の観察と定量化
13. 二枚貝の群集解析
14. アンモナイトのクリーニングと表面構造の観察
15. 石灰岩を構成する生物相

【質問,相談への対応】
 可能な時間にはいつでも研究室を訪問して議論することができるが、授業の際に予定を話し合うのが望ましい.

【教科書】
なし
【参考書】
その都度紹介する.