冬の日本海.冬期は,直江津-小木航路が運休してしまうため,新潟港まで出て,両津に向かいます. 松本からだと一日がかり.佐渡に上陸したときには夜です. |
冬の海岸植物.何かあるんでしょうか.だめもとで出かけると...あ,カワラヨモ ギ,. |
花の〔実の〕あともあります,カワラヨモギ. |
それから...ハマニガナ.葉は,海岸に出現するだけあって,他のニガナよりも分厚いです. 寒いけど,がんばれー. |
うわ,なんでしょうか,これ. |
埋もれてるし. |
で,色々探すと,ありました,コウボウムギ.先ほどの枯れた葉の株 も,これですね. |
痕跡シリーズ.ハマエンドウですね.マメ科なので羽状複葉のため, わかりやすいです. |
今度は,イネ科かー. |
でも,見たらわかりました.ケカモノハシ.この毛深さを見て下さ い. |
確定は出来ないんですが,多分ハマツメクサ.普通のツメクサに比べ て...海岸に出る,サイズが小さい,でも葉に横幅があり厚い.画面下にあるのが私の人差し指ですから,そのサイズの小ささがわかってもらえると思いま す. |
なんだろう,これ.多分,スナビキソウだと思うんですが.わかる方 がいたら教えて下さい. shimanoあっとshinshu-u.ac.jp まで. |
自然の植物が残る所と言えば,神社.佐渡一の宮,度津神社(わたつ神社)へ.鳥居には大きく「一宮」と書いてあります. |
植物を見るんですが,まずは佐渡に来させていただいたことを報告と感謝申し上げます. |
で,ぶらぶらします.あやしい葉っぱを発見. なんだなんだ. |
あ,これ,クリハラン.シダです.葉がクリの葉っぱに似ているとい うことで名付けられました. 確かに,脈の感じが似ていますね.他人だけど. |
裏をめくっちゃいます.超アップ. 胞子がかたまりになってついています. |
こちらはクラマゴケ.コケと名前が付いてますが,これもシダ植物. |
シダつながりで,ヒトツバ.文字通り,葉がひとつ,と言った風情. |
ヒトツバ,裏をめくりますが,これは胞子をつけていません.この記事のあと,伊勢,志摩に言ったとき,志摩の一の宮,伊雑宮でヒトツバの胞子の付いた葉 をお見せします. |
これはおなじみ,ノキシノブ.はい,神社に行ったとき,大きな木を 探すと,これが付いていることが多いですね.これもシダです. |
ノキシノブは胞子が付いていました.クリハランと同じような形の胞子の付き方ですね. |
シダ・シリーズ,最後はオオバノイノモトソウ.シダの中でも特徴的 なのでわかりやすいですね.マツザカシダとだけ間違わなければ大丈夫 だと思います. といいつつ,以前イノモトソウの写真を撮って,これだと思っていた ことがありましたが...宇佐神宮. |
こちらはナニワズ.太平洋側だとオニシバリですが,日本海側はこの ナニワズになります. 花が咲いていないものが多かったのですが,運良く花の咲いているものに巡り会えました.ありがたいことです. |
エビネです.冬の間,積雪でぺしゃんこになってしまうので,こんな感じになってしまいます. |
コシノカンアオイ.意味としては,「越の寒葵」ということで,北陸から新潟方面の,雪の多い所の,と言うのが「越の」と言う言葉にかかっています. 越前は福井,越中は富山,越後は新潟.石川県だけは加賀,そして能登の国ですけど. 寒(かん)は,寒い冬の間も,常緑で葉を付けている,と言うことですね.常緑の葵で,カンアオイ. |
海辺の常緑広葉樹といえばこれ,タブノキ. 大きな頂芽が特徴. |
という感じでですね,佐渡は雪は降るんですが,暖温帯の植物なんですよ,平地部分は基本的に. ですので,山の中の松本から来て,植物だけ見てると,「うーんさすが,南国,佐渡島」という感じ(笑). いや,実際には,風が吹いて,寒いんですが(笑). |
博物館があるので寄っていきます.残念ながら,植物についてはあまり詳しい展示はありません.以前買い求めたのに行方不明になった 本間 建一郎 著「佐渡島の植物(羊歯・種子植物)」 笹川 通博 著「新潟県佐渡における植物分布図集」 (いずれも新津植物資料室発行) を買い求めるためです. 普通の所では売っていないので. |
剥製(はくせい)が多く展示されています.佐渡関連のものをいくつか. まずは言わずとしれた,トキ.野生絶滅.現在は中国からのトキを野性に帰そうとしていますね. |
それから,清水さんが研究で取り組んでくれた,サドノウサギ.これ はトウホクノウサギ(日本のノウサギのうち,冬に毛の色が白くなるもの.白くならないのはキュウシュウノウサギ)の亜種になっています.準絶滅危惧種. |
サドモグラ,って言うのがいるんですよ.東日本のアズマモグラ,西 日本のコウベモグラと並んで.佐渡島と,新潟の平野部に分布. 現在,準絶滅危惧種です. |
同じ博物館で,伊藤赤水の作品が展示してありました.伊藤赤水(いとう せきすい)は,佐渡の「無名異」やきの窯元(かまもと),赤水窯のトップが代々名前を引き継ぐ名前と言うことです.現在の人は五代目で,人間国宝. 皿,美しい. |
こっちのツボも良いですね.色が良い.風情が良い.たたずまいが良い. 100万以上だろうなあ.ま,買っても置くとこないからなあ. |
さて野外.いや,もちろん別の日ですよ.今回は3泊4日.ですが,片道の移動で丸一日使ってしまうので,実質二日間ですが. |
コシノカンアオイ,ちょっとだけじっくり. |
裏はこんな感じ.支脈が裏面に浮き出ます. |
蕾のアップ.咲くときは先端が80度,全体で160度くらい開きます.もう少しですね. |
あとは海岸沿いを行くんですが... |
メノマンネングサを発見.タイトゴメに似ていますけど,こちらには タイトゴメは分布しません. |
トキのケージに行きました.現在,ケージ(大きなカゴ状の建物)の中に,水田などを再現して,野外に話したとき,違和感なく生活できるように訓練中で す. 羽根に色が付けられていますが,野外に出たとき,発見されたときが,どの個体かがわかるようにと言うことです. |
佐渡では,トキのために,冬でも水を張った田んぼを作っ て,餌場を確保してあると言うことです. えらい! |
と,まあ,こう言った3泊4日でした. |
佐渡には何回か来ましたが,泊まったのはいつもここ,金北の里(きんぽくのさと).となりの部屋とはふすまで仕切られているだけで,話し声も,テレビの音 も筒抜け(笑).私は,寝るときはとなりの音が気にならないように,波の音が録音されたMDをヘッドホンで聞きながら寝ます. でも安い.1泊3000円台.で,協同のキッチンがあって自炊できる. ここにももう来ないんだろうと思うと,ちょっとセンチメンタルな感じ. |