メスバウアー効果測定

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放射性同位元素57Coはガンマ線を放出して57Feとなります。何種類かのエネルギ-のガンマ線のうち、14.4keVのものを選んでFeを含む試料に透過させます。この時、放射線源を振動させ、ドップラー効果によりエネルギーを変えることによりメスバウアー効果スペクトルを得ることができます。我々の研究室では57Coの他にも119mSnの線源で実験を行うことができます。得られる情報として、(1) 吸収スペクトルの重心位置(アイソマーシフト)から、原子核位置での電子濃度、(2) スペクトルの分裂の様子から 核が感じる電場勾配(四重極分裂) (3) 核位置での磁場(ゼーマン分裂)があります。   










測定例

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右図のグラフは核異性体119mSnを用いたGdMn6Sn6中のSn核メスバウアー効果スペクトルの温度依存性です。この物質は3つの結晶学的に異なるSn位置を持ち、それぞれキュリー温度以下で異なった磁場を感じていることがわかります。この磁場を解析することにより、Mn, Gdの電子状態についてのヒントが得られます。



© AMAKO Yasushi, updated 2021/07/14