講演会「ナノ空間での吸着相挙動と吸着誘起構造転移」

数理科学談話会において、下記講演会が開催されます。
ぜひご来聴下さい。

講演日時:2011年1月13日(木)(15:30-17:00 90分)

講演会場:数理・自然情報合同研究室(A棟4F西端)

講演題目:「ナノ空間での吸着相挙動と吸着誘起構造転移」

宮原 稔 教授

(京都大学工学研究科化学工学専攻 教授)

ナノ空間の分子集団は,細孔壁からの引力場やナノスケール界面の効果によって,バルク相とは顕著に異なる相挙動を示す。これを概観したのち,多孔性配位高分子(あるいはMOF)系のナノ多孔体でしばしば観測される吸着誘起構造転移に関する最近の成果を紹介する。すなわち,これらのナノ多孔体は,吸着に誘起された骨格構造転移によってステップ的な吸脱着を示す-いわゆる「柔軟な」-特性が見られるが,その吸着-転移の機構には不明な点が多い。GCMC法と自由エネルギー解析の観点から,その機構解明と定量的予測を目指した検討事例を紹介する。