信州夏の学校「わたしもサイエンティスト!」 サイエンス・ラボ '07 in 志賀高原
平成19年度文部科学省 女子中高生の理系進路選択支援事業 信州夏の学校「わたしもサイエンティスト!」



 “生きている地球”志賀-草津ルート

「サイエンス・ラボ」は,夏休みに参加者を全国から募集し,大学内・学外における実験・実習・演習を実体験できる少人数のサマー・スクールです.
 志賀高原では,“生きている地球”を実感してもらうことを目的としたコースで,高原に女子学生や研究者と一緒に一泊して,自然の観察・調査をじっくりと体験します.志賀高原の地形や草津温泉は地球内部の活動と密接に関係していることを生かし,地形・地質・火山・温泉などを見学・調査し,自然の成り立ちを考えます.また,標高によって変わる植生の違いや特徴を観察します.今なお活発な火山である草津白根山では,ふだんは入ることのできない火口の湯釜に入って,世にも不思議な色の火口湖を調査します.さらに草津温泉では,強酸性温泉に触れ,その中に生きる極限環境生物を観察します.このサイエンス・ラボを通じて普通の観光旅行やハイキングではえられない感動と驚きを味わうことができるでしょう!


【目的】
様々な自然と自然現象を調査・観察し,自然科学に興味をもつ
自然を科学の目で理解・表現する
野外調査を体験する


【内容】
2日間の日程で,初日は森の植生を,2日目は志賀〜白根〜草津の自然を勉強しました.
【日程&スケジュール&みどころ】


【このラボは・・】
村越直美信州大学理学部物質循環学科& 井田秀行信州大学教育学部
本間彩花 & 清水理恵
(信州大学大学院工学系研究科M2)
でお送りしました


【ひとこと】
たのしかったですねー,参加者のみなさん. 志賀高原,いいところだったでしょう?


いろんな自然を見て,触れて,味わって,計ってみると,それぞれのつながり(そうなった理由や相互関係)が理解できるでしょう.そういうとき「そうなのかぁ!」と感動したり,いままでバラバラだった知識がとんとんとーんと収まるべきところに収まって「そういうことだったんだぁ!」と分かりますね.それが,教室の中で机の上でしてきた勉強と全然ちがうところなんだな!(ぜんぜん難しくないでしょ?)

自然を理解するには
実際に経験するってすっごく大事なことなんです.
だから実験のある理科はすごくおもしろい


だからみなさん,フィールドに出てなんでも経験してみよう!

湯釜の前でパチリ
リトマス紙が真っ赤,強酸性です.
渋峠を越えて,白根山〜芳ヶ平〜草津温泉街までみえます.ここでは溶岩台地や変形樹のなりたちを考えました.
11日の午後は,周辺の植物や森のなりたちを勉強しました.
お母さん達も楽しんでます.
弓池の水質調査.湯釜と同じ火口湖でも,ぜんぜん違う水質なのは,地下に秘密がある!
殺生河原.“地球の息”は臭くて有毒な硫化水素を含むガス.高温ガスから析出した黄色い硫黄がチムニーを形成

日程ほか
 日時    2007年8月11日(土)・12日(日)
 実施場所  長野県下高井郡山ノ内町 志賀高原
 集合場所  長野県東口 (専用バスを使って志賀高原へ移動します)
 集合時間  午前11:00

スケジュール(天候などにより,変更もあります) 
8月11日(土)
 11:00       長野駅東口に集合,志賀自然教育園へ移動
 12:00-13:00  昼食,オリエンテーション
 13:00-16:00  教育園周辺のハイキング,植生・地形の観察
 16:00-18:00  自由・入浴(シャワーあり)
 18:00-19:00  夕食
 19:00-21:00  実習の説明,グループ懇親会
8月12日(日)
 07:00 起床
 07:30-08:30 朝食
 09:00-12:00  バスで移動・見学:横手山〜渋峠〜草津白根山
 12:00-14:00  逢の峰登山,山頂で昼食,弓池・弓池湿原見学
 14:00-16:00  バスで移動・見学:白根山〜草津湯畑〜西の河原
 17:30       長野駅で解散


【みどころ】志賀高原〜草津温泉のコースを巡り,各地点で調査・観察を行う.

横手山展望台:火山地形,長野盆地〜北アルプス
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渋峠: 溶岩台地,変形樹(車窓から)
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湯釜: 爆裂火口,強酸性湖・・・“日本の骨格をつくる岩石”
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逢ノ峰: 火山地形(火山砕屑丘)を足で感じる・・・お昼だ!
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展望駐車場: 溶岩台地の断面・・・“地球の中身”
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殺生河原: 噴気孔・・・“地球の呼吸”
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草津温泉: 温泉と極限環境に生きる生物・・・“ご先祖様?”



【参考】村越直美:「サイエンス・ラボ in 志賀高原」テキスト,32p.