飯綱・戸隠周辺の小さな湖沼

 飯綱・戸隠地域には,昔の湿地をせき止めて灌漑などの目的でため池に作り変えられた小さな池が点在しています。いずれも比較的新しく作られたものが多く,堆積物柱状試料の分析からこの地域の古くからの環境史をたどるようなことはできませんが,ごく最近の野尻湖や仁科三湖との比較を目的として,多環芳香族炭化水素(PAHs)の分析を試みました。

大座法師池
 飯綱山の麓,スキー場のすぐ南にあります。避暑地飯綱高原の象徴的な池ですが,近年水質汚濁が進行してCOD値は3-4ppm,県内では諏訪湖と並んでワースト5に名を連ねています。水深は6mほどで,全体に未分解の植物残渣が多く,その意味では湿原の堆積物に類似しています。
ただし,定期的に水を抜いているとの話があって少々扱いの難しい堆積物となっています.

大座法師池

 戸隠高原の鏡池と小鳥池は中部山岳国立公園にありますので,環境省地方事務所から許可をいただいてサンプリングしました。

戸隠鏡池(後方は戸隠連峰)
 水深は4mもありませんでした。現在ゴムボートのあるあたりが最も深くなっています。向かって右手は湿原の上流側にあたり,浅くなっています。魚探を使っての位置決めになりました。






戸隠 小鳥池
(2009年11月)

 小鳥池は鏡池よりもさらに小さな池で,この写真に見られるように石積みの堰が作られていて,人為的に作られたものであることがわかります。水深は2m強で,水草が多く見られました。


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