スコリアって何でしょう?

 軽石という言葉は知っている人も、9月23日の噴火から使われ始めた「スコリア」という言葉に違和感を持たれたかもしれません.スコリアは新版地学事典(平凡社)によれば「火山砕屑物の一種で、多孔質で見かけ密度が小さく、黒色・暗褐色などの暗い色を示すもの(荒牧重雄)」となっています.孔が空いているので、孔をこみにした全体の密度のことを見かけ密度と言います.  それに対して軽石は「火山砕屑物の一種で、多孔質で見かけ密度が小さく、淡色を呈するもの(荒牧重雄・平野英雄)」です.要するに孔の空いた多孔質な火山砕屑物で白っぽいのが軽石で黒っぽいのがスコリアということになります.
 見かけ密度の違いに着目して、水に浮くものを軽石、軽石よりも重いものをスコリアという具合に区別されることもありますが、多くの場合には軽石は白っぽくて軽く、スコリアは軽石よりも黒っぽくてより重いものと相場が決まっています.しかし、例外もあるわけで、ハワイなどではおそらく世界一軽い極端に多孔質な岩石がフワフワと宙を舞っていて、それは「スレッドレース・スコリア(thread-lace scoria別名Reticulite)」と呼ばれています.逆の例外は今回の浅間の噴火で出てきた「軽石」でして、多くのものは水に浮くほどには軽くありません.であるのになぜ白色なのかについては、本ホームページのオピニオンコーナーをご覧ください.私たちは、区別する便宜上、白いか黒いかに基づいて軽石とスコリアを使い分けています.(9/30)