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信州大学理学部地質科学科 小坂研究室
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Event(2008)

2008年度 卒論のテーマとフィールド

 2008年度末(2009年3月)をもって小坂は定年退職になります.
従って,学生指導は1年限りになるので,小坂研究室での卒業研究を希望する学生は,そのことを理解の上で相談に来て下さい.
 また,小坂研究室の卒業論文のテーマは全てフィールド調査を重要視しています.
それが苦手だという学生には大変だと思います.しかし,小坂研究室で何かやってみたいのであれば相談に乗ります.

長期的なテーマ

島弧の地質学的特徴とその形成過程を明らかにすること.

中〜短期的なテーマ

フォッサマグナとその周辺地域の地質構造とその形成史を解明すること.
本州中央部における自然災害の特徴とその地質学的背景を解明し,防災・減災に役立つ地質学を目指す.

北部フォッサマグナ地域とその周辺

1 関東山地北西縁部,「霧積−荒船隆起帯」の成立過程

 「霧積−荒船隆起帯」は関東山地西縁を南北に走る隆起帯であることが具体的になってきた. この研究では群馬県から山梨県にかけて露出する岩脈群の構造解析から中新世末のテクトニクスを解明する. また,この構造の成立過程は,西側の小諸陥没盆地の成因と関係しており,フォッサマグナの地史を明らかにする上で重要な研究といえる.
参考:川崎(M1).野村・小坂(1987)群馬大教養部紀要,21,51-68:野村(1991)地団研専報,38,95-102.

2 小諸陥没盆地発生期の構造地質学的研究

 小諸陥没盆地内の地層は火砕流堆積物,土石流堆積物,河川堆積物などさまざまな岩相から構成され,それらは褶曲に代表される構造運動を受けている. この研究では,野外地表地質踏査から小牧山向斜の北翼の地質を明らかにするとともに構造を解析する. このテーマは小諸陥没盆地発生期のテクトニクスを解明するために重要であるといえる.
参考:卒論.

3 関東山地北縁部,下仁田構造帯の礫岩層の断裂系

 下仁田構造帯は前期中新世に発生した関東山地北縁構造帯の1つである. この関東山地北縁構造帯は中部日本における中央構造線の延長であるとされる断層群に沿って分布している. さらに,下仁田構造体帯内には’食い違い礫’と呼ばれる礫を含む特徴的な礫岩層が露出する. この研究では,礫岩層の断裂系を解析することにより,下仁田構造帯のテクトニクスを解明する.
参考:院生:倉地(M2).小坂ほか(1991)地球科学,45,203-216.

4 水内帯内部の鮮新世火山活動と火山活動場

 水内帯内部には中新世堆積岩類が分布している. それらを覆って鮮新世火山岩類が露出している. 水内帯は北西−南東方向に伸長しているが,水内帯の西側の大峰帯(鮮新世〜更新世)は南北に伸長している. この研究では,水内帯内の鮮新世火山活動から火山活動とテクトニクスとの関連,さらに大峰方向(南北方向)の構造発現の謎の解明に迫る.
参考:小坂ほか(1992)地質学論集,37,71-83.

5 大峰帯内部の火山活動とテクトニクス

 大峰帯は西縁を糸魚川−静岡構造線,東縁を小谷−中山断層に画された南北に細長い帯であり,その他の北部フォッサマグナの地帯とは異なる方向である. この地帯を構成するのは鮮新世〜前期更新世の地層である.この研究では,大峰帯内部での火山活動を復元し,そこから前期更新世のテクトニクスを考察する.
参考:小坂(1980)信州大・理・紀要,15,31-46.小坂(1991)信州大・理・紀要,26,75-140.

6 中信高原北東部,鷹山火山岩類の火山活動とテクトニクス

 中信高原の北東部には前期更新世の火山岩類が広く分布している. この火山岩類は一括して塩嶺火山岩類と呼ばれ,その火山活動史が明らかになりつつある. しかし,火山とその基盤についての研究は少ない. この研究では,火山噴出物とその基盤岩が露出する鷹山地域の火山層序から塩嶺火山活動の構造的背景をさぐる. このテーマは塩嶺火山活動の成因を探る上で重要である.
参考:向井(D1).山岸・小坂(1991)地団研専報,38,129-140.手島・河内(1994)信州大・教育・志賀自然施設研究業績,31,1-8.

7 北部フォッサマグナ,津南−松本線のテクトニクス

 津南−松本線は美ヶ原帯と水内帯との境界で弧状に曲がる構造線である. この線は断層ではないが,この線を境に両側の地質は異なっている. この研究は犀川に存在する犀川擾乱帯の構造解析を行い,そこから読みとれる事柄から,なぜ津南−松本線を境に地質構造が大きく異なっているのかを考察する.
参考:小坂(1984)信州大・理・紀要,19,121-141.

8 水内帯の褶曲構造のメカニズムとテクトニクス

参考:卒論.

9 小諸層群の断裂解析

参考:卒論.

10 水内帯日陰向斜の層序学的・構造地質学的研究.

 水内帯には,北から日陰向斜,高府向斜,込地向斜の3つの向斜構造が存在する. この向斜は帯と同じ方向に,雁行して並んでいる. この研究では日陰向斜周辺の層序を確認し,構造解析を行い,当時の応力場の解析などテクトニクスを考察する.
参考:小坂ほか(1992)地質学論集,37,71-83.

上記以外のテーマ,フィールドでも相談に乗ります.フィールドワークが好きな学生ならだれでも歓迎します




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