授業科目 : 地球・惑星物理学
英文科目名 : Geophysics and Planetary Physics
履修区分 : 自由/必修
開講期間 : 前期
曜日・時限 : 月2
授業形態 : 講義
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 角野 由夫


【授業のねらい】
 日本は世界有数の地震国である。ここでは,大陸移動・海底拡大・プレートテクトニクスなど,地球全体の変動に関する学問分野のこれまでの成果を学び,地震などの身近な地球自体の問題についての認識を深める。そして, 宇宙技術の進歩に伴う, グローバルな地球変動の研究に関する今日の進捗状況と到達点について解説してゆきたい。

【授業の概要】
 地球の大きさと形、重力、地震、地球の電磁気など、地震学・測地学を含む固体地球物理学の入門的な内容について解説する。そして、岩石の変形や流動に関する物理的な基礎知識の学習を通じて、地球全体の運動や地球内部の状態を学び、さらに太陽系の惑星の表層と内部構造についても知識を深める。最初に地球のレオロジーについて学ぶ。レオロジーとは、変形と流動に関する現象論と物性論であり、レオロジーで扱う現象は、弾性・粘性・塑性・脆性ないし破壊である。ここでは、地球をつくる物質の弾性と粘性について詳しく解説する。次に、プレートの概念について述べ、地球の内部構造について話を進めてゆく。その際、地震学・測地学の分野の研究成果について詳しく解説して行きたい。

【成績評価の方法】
 小テストおよび期末試験の総計点が,おおむね,8割以上をA,6割以上をB,4割以上をCとする。なお,出席状況が6割未満の場合,受講を取り消す。

【履修上の注意】
 復習をすること。

【授業計画】
1.地球のレオロジー(第1週−4週)
  1−1 弾性(地震波)
  1−2 フォークト粘性
  1−3 マックスウェル粘性
2.グローバルな現象(第5週−8週)
  2−1 地球電磁石
  2−2 海底磁気異常
  2−3 海底の年代
3.プレートの概念(第9週−14週)
  3−1 剛体の相対運動
  3−2 プレートの回転運動
  3−3 地震のスリップベクトル
4.期末テスト(第15週)

【質問,相談への対応】
対応できるときは,いつでも可。研究室は理学部C棟4階の405号室。
メールアドレスは<ysumino@gipac.shinshu-u.ac.jp>です。

【教科書】
なし

【参考書】
「グローバルテクトニクス(地球変動学)」 杉村新著 東京大学出版会(4000円)
「惑星の科学」 清水幹夫編 朝倉書店(4000円)