授業科目 : 地球化学実験
英文科目名 : Experiments in Geochemistry
履修区分 : 自由
開講期間 : 後期
曜日・時限 : 水3・4
授業形態 : 実験
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 森清 壽郎


【授業のねらい】
 地質学の研究において、化学デ−タの占める位置は年々高くなっている。それは当然のことで、「地質学の根本問題は、地球はどのようにして今日のありさまになったか」(ファインマン)を解明することだから、そのために過去の地層や岩石などの物質試料の分析は必要不可欠なのである。しかしながら、化学データの取得原理や、それぞれの方法の適性など、基礎的事柄の理解はおろそかにされている。そのため本実習は、珪酸塩岩石など地質試料の化学デ−タを、どのような原理と方法・装置を用いて取得するのかを、理解させることを目的とする。

【授業の概要】
 いろいろな分析方法とそれらの特徴を学ぶ。SO4:重量法、Ca,Mg,Fe:原子吸光光度法、 二価Fe:酸化還元滴定、Ca:キレ−ト滴定、Na,K:炎光光度法、P,Ti:比色法、 F:電位差分析を行う。他に炭酸塩の炭素・酸素同位体比の測定とイオン交換樹脂による金属イオンの分離を取り上げる。基礎原理の修得のため、放送大学の講義ビデオ一国雅巳「物質の科学・分析」を適宜学習に用いる。

【成績評価の方法】
 出席と期末試験の結果を総合して評価するが、出席(分析のプロセスとデータの提出)を重視する。優の評価には85%以上の出席、良の評価には75%以上、可には65%以上の出席を必要とする。

【履修の注意】
 化学実験には危険が伴うので、教員の指示にしたがうこと。教員の指示にしたがわない学生の受講は認めない。

【授業計画】
1.化学分析とはなにか、および、濃度と単位の復習
2.容量分析(キレート滴定によるCaの定量)
3.重量分析(硫酸根の分析)
4.吸光光度分析(スフェン中のTiの定量)
5.原子吸光分析(菱マンガン鉱中のMnの定量)
6.発光分析(Na)
7.試料の採取と調製、試料の分解法
8.データのばらつきの評価
9.状態分析、酸化と還元
10.酸化還元滴定(二価Fe)
11.物質の分離と精製
12.イオン交換クロマトグラフィー
13.質量分析
14.環境分析
15.筆記試験

【質問,相談への対応】
 火曜日12:10−13:00をオフイスアワーとする。

【教科書】
 なし(プリント配布)

【参考書】
一国雅巳「物質の科学・分析」1998年放送大学教材(中央図書館にあり)