授業科目 : 第四紀学
英文科目名 : Quaternary Geology
履修区分 : 必修
開講期間 : 後期
曜日・時限 : 火2
授業形態 : 講義
対象年次 : 2
単位数 : 2
教員名 : 三宅 康幸石田 桂


【授業のねらい】
 第四紀は、全地球史46億年のうちのたかだか3000分1を占めるに過ぎないわずかな時間の時代である。しかし、この時代は人類をはじめ地球上のすべての生命体にとって最も重要であり、したがって最も詳しく記述されなければならない。この講義では、以下の諸点を身につけることを主なねらいとする。
1 第四紀研究の背景となる基礎的概念を正しく理解し、研究の基本的方法と原理を理解する。
2 第四紀地殻変動の特性について理解する。
3 現在の地球上の大気・海洋についてその概要を理解し、気候変化の要因や第四紀における過去の気候変動の概要について把握する。
4 第四紀において地球規模で進んださまざまな環境変遷の諸相を理解する。
5 第四紀における生物群・人類の歴史の概要を理解し、自然と調和した人類活動のあるべき姿を地球的視点にたって多面的に考えることのできる能力を身につける。

【授業の概要】
 第四紀学の基礎的概念について講義し、第四紀地史を編む上での対比や編年法、時代決定法について述べる。第四紀の地殻変動の特質やその要因について述べる。大気や海洋の大循環について述べ、それと気候変化との関係について概観する。また過去における地球表層での環境変遷を、大陸氷床の消長、海面変動、火山活動などさまざまな側面から概観する。人類をはじめとする生物群の第四紀における変遷史を通観し、現在の地球がかかえるさまざまな環境問題の本質を理解し、技術と社会との関係、人類のとるべき態度などについて考える機会を持つ。

【成績評価の方法】
 期末の試験の結果(8割)と毎時間の小レポート(2割)の成績を総合して,80%以上の評価点をA、70%以上をB、60%以上をC、それ以下をDとする.

【履修上の注意】
 講義に出席して、プリント資料や呈示する図・写真・ビデオの内容をよく理解すること.

【授業計画】
1週目.第四紀学の概説
2週目.第四紀を特徴づける要素とその原理
3週目.第四紀における地殻と地形の変動
4週目.地球の大気と海洋の運動
5週目.気候変化の要因
6週目.氷床コア,海底コア,湖沼コアから何を読みとるか
7週目.大陸氷床の消長史と海面変動
8週目.第四紀の火山活動
9週目.レスとロームとテフラ
10週目.指標テフラとその意義
11週目.第四紀の植物相とその変遷
12週目.第四紀の動物相とその変遷
13週目.人類の起源とその消長
14週目.地球の抱える環境問題
15週目.試験


【質問,相談への対応】
毎回の講義の際に予定を話し合った上で、研究室を訪問してください.以下のアドレスにメールを送ることも可.
三宅:ymiyake@shinshu-u.ac.jp
石田:katsurai@shinshu-u.ac.jp

【教科書】
 特になし

【参考書】
1 新版地学教育講座7巻「地球の歴史」,16巻「自然と人間」 地学団体研究会編 東海大学出版会
2 氷河時代と人類 酒井潤一ほか著 共立出版
3 第四紀学 町田 洋ほか編著 朝倉書店