授業科目 : 岩石学U
英文科目名 : PetrologyU
履修区分 : 自由
開講期間 : 後期
曜日・時限 : 火3
授業形態 : 講義
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 森清 壽郎
【授業のねらい】
岩石は鉱物の集合体なので、岩石学とは鉱物の社会学であるともいうことができる。つまり岩石の中での、鉱物の組み合わさり方についての規則性や法則を明らかにすることと、そのことを用いて岩石が形成された物理化学条件を明らかにすることが岩石学のテ−マの一つである。基礎となる原理は多成分系の多相平衡論である。本授業では、相平衡岩石学が確立されるにいたった先人の研究の流れを紹介し、この立場にもとづく岩石のとらえ方を解説する。また地質学科の学生にとっては、変成岩・変成帯と変成作用に関する地質学的諸問題の理解も必要不可欠なので、それらの基礎的ことがらを解説する。
従来行ってきた岩石学U(相平衡岩石学)の基礎となる物理化学的内容は、大学院前期課程に移した。
【授業の概要】
授業計画を参照のこと。
【成績評価の方法】
出席と期末試験の結果から総合的に判定する。優の取得には出席回数が8割以上、良の取得には7割以上、可の取得には6.5割以上を必要条件として試験の結果から判定する。
【履修の注意】
欠席・遅刻をできるだけしないこと。
【授業計画】
1.イントロダクション(本講義の問題意識とねらい)
2.変成作用とは何か、変成岩の分類法
3.熱変成岩を例として、変成岩の形成プロセスの説明
4.エネルギー論理解のための準備、その1
(物質はエネルギーを有していること)
5.エネルギー論理解のための準備、その2
(エネルギー最低が、最も安定な状態であること)
6.ゴールドシュミットによるオスロ変成岩の研究
7.エスコラによる変成相の確立
8.バロウによるスコットランド高地の研究
9.変成岩に見られる変形組織
10.岩石の力学的挙動
11.日本の変成帯の概観
12.ヒマラヤ山脈の形成プロセス
13.変成岩の温度-圧力-時間経路解明の意義
14.変成帯の上昇過程
15.期末試験
【質問,相談への対応】
火曜日12:10−13:00をオフィスアワーとする。
【教科書】
なし
【参考書】
新版地学教育講座4「岩石と地下資源」3章 東海大学出版会