授業科目 : 堆積学
英文科目名 : Sedimentology
履修区分 : 自由/必修
開講期間 : 前期
曜日・時限 : 木2
授業形態 : 講義
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 保柳 康一


【授業のねらい】
 この講義では2年次の地層学の基礎の上に立って,堆積地質学の基礎を解説する。堆積地質学は,堆積学の理論に基づいて堆積岩に記録されている地球変動を読みとることを目的としている。具体的な目標は、その地層の形成された堆積環境を解析することによって、地球環境の変動の歴史を復元することである。地球環境変動の復元は,石油・ガス資源などの形成機構の解明、今後の地球変動予測などの基礎データである。この講義では堆積環境の解析のための堆積相解析を学び,さらにその背景にある地球環境の変遷を解析するためのシーケンス層序学の入門を講義する。

【授業の概要】
 授業はまず堆積相の概念を解説し,その概念が堆積環境の復元に不可欠なことをのべる。次に河川,海底扇状地,海岸から沿岸、バリア島,デルタなどの具体的な堆積システムを堆積相解析から復元することを述べる。さらに,炭酸塩岩の堆積相とその堆積場についても言及する。さらに、堆積システムの同時間上の連なり堆積体(システムズトラクト)、堆積シーケンスへの組立を述べ,相対的海水準変動に支配された堆積シーケンスの定義とテクトニクス、ユースタシーの関係を講義する。最後にこれら堆積相解析からシーケンス解析が石油・ガス資源の探鉱、海水準変動などの解析に重要な役目を果たすことを述べる。

【成績評価の方法】
 授業の途中で3回程度の小テストと2回程度のレポート課題を課す。これらにより日常の理解度を成績の半分の割合で評価し,期末試験による評価を半分として、両者を併せて「ねらい」の8割の達成でAとし、6割未満の達成では不可とする。

【履修上の注意】


【授業計画】
1.堆積構造と堆積相
2.成因論的地層学の階層構造:単層,堆積相,堆積組相,
  堆積システム,堆積体,堆積シーケンス
3.一方向流の堆積構造と堆積相
4.蛇行河川システム
5.網状河川システム
6.堆積物重力流とタービダイトの堆積相
7.海底扇状地システム(1)
8.海底扇状地システム(2)
9.振動流の堆積構造と堆積相
10.海岸から沿岸システム(1)
11.海岸から沿岸システム(2)
12.炭酸塩岩の堆積システム
13.堆積シーケンスと相対的海水準変動
14.相対的海水準変動から地球環境変動の解析へ
15.期末試験

【質問,相談への対応】
随時,理学部C棟408にて受け付けますが、なるべく授業の質問等は、その日のうちにすること。

【教科書】
フィールドジオロジー第3巻 「堆積物と堆積岩」共立出版 (保柳・公文・松田著)

【参考書】
Facies Models-response to sea level change R.G. Walker and N.P. James 編