授業科目 : 野外巡検U
英文科目名 : Geological ExcursionU
履修区分 : 必修
開講期間 : 前期
曜日・時限 : 集不定
授業形態 : 実習
対象年次 : 3
単位数 : 2
教員名 : 原山 智吉田 孝紀


【授業のねらい】
 様々な地質時代に生じていた現象を野外で観察し、そこから構造発達史を構築する体験を通じて,地質科学的アプローチを理解することをめざす。

【授業の概要】
 今年度は、地殻中〜上部断面(堆積岩・変成岩・深成岩・超苦鉄質岩)が露出している日高山脈や,かつて日本の主要な産炭地であった夕張など,地殻表層〜深部で生じていた地質現象がよく観察できる北海道で地質見学(巡検)をおこなう。巡検に先だって、既存の研究成果に関して集団で学習し,資料集を作成する。

【成績評価の方法】
 事前の学習会と巡検資料集の作成(評価割合30%).地質見学に関するレポート(評価割合40%).さらに巡検時の観察および質疑討論(評価割合30%)に関して成績評価する。以上を総合した結果,80%以上をA、70%以上をB、60%以上をCとし、60%未満をDとする。巡検に参加したけれどもレポートを提出しない場合も、Dとする。

【履修上の注意】
 今回見学する北海道の各地層・岩体については詳細な研究が行われきている.しかし,それらを個別に追認するのではなく、自分で観察したことに基づいて,この地で生じた地質現象を時空間上で再構築ができるようにすること。

【授業計画】
 日程は後日相談して決めるが、7月9日〜14日を予定している。
第1日朝 札幌駅前集合、その後貸切バスで移動
札幌→千鳥ヶ滝(中新統のタービダイト)→紅葉山(中新統基底の不整合)→夕張石炭博物館→朝日町ダム(中部蝦夷層群のイノセラムスとアンモナイト化石)→夕張泊
第2日 シュウパロダム付近(上部蝦夷層群と函淵層群)→新冠(新第三系ファンデルタ堆積物と泥火山地形)→蓬莱山(神居古潭変成帯)→様似泊
第3日 幌満(カンラン岩)→襟裳岬(礫岩)→ルウラン岩礁(ミグマタイト)→音調別複合岩体(花崗岩とハンレイ岩)→忠類ナウマン象博物館→十勝川温泉泊
第4日 十勝川温泉→足寄町(足寄化石博物館・KT境界)→螺湾川(常呂帯の枕状溶岩・チャート・石灰岩)→茂螺湾川(茂螺湾層・貴老路層)→層雲峡(溶結凝灰岩)→旭川泊
第5日 旭川→江丹別峠(神居古潭帯青色片岩)→幌加内(オフィオライト)→初山別金比羅岬(新第三紀金駒内層・遠別層境界)→初山別泊
第6日 初山別→筑別川(三毛別層・筑別層境界)→緑の村(三毛別層中の不整合)→留萌黄金岬(新第三紀ドレライト岩脈)→札幌にて解散

【質問,相談への対応】
 地質見学中はその場で、大学では随時対応化(あらかじめ在室を確認のこと)。

【教科書】
 なし

【参考書】
・日本の地質1 北海道地方 加藤・勝井・北川・松井編,共立出版,1990
・道北地方地学懇話会編 地質あんない/道北の自然を歩く,北大図書刊行会
・地質団体研究会 札幌支部地質あんない/札幌の自然を歩く,北大図書刊行会
・地質あんない/空知の自然を歩く 岩見沢地学懇話会編,北大図書刊行会
・道東の自然史研究会編 地質あんない/道東の自然を歩く