尾関寿美男 研究紹介

材料科学の進展はめざましく,望まれる機能も自己集合や自己反応(自律反応)で自然にあるいは意図的に生まれる物質の構造や,物性,機能だけでは対応できなくなっている。 ミクロ単位でもつ特質や特性を,統計的平均化によって失わせず,マクロな単位で発揮させることが必要である。
これらを実現する手段の一つに外場がある。 流れ,電磁波,電場,重力などが単独にあるいは重畳して利用され,特性の向上や新規機能の付与が行われている。 このような状況の中にあって,磁場も物質・材料開発の有用なエネルギーであることが確かめられつつある。 私は,(i)磁場中での物質合成による構造制御,(ii)物質の磁場による構造―物性制御,(iii)磁気処理物質による構造規制と機能誘導などに磁場が利用し,低分子から高分子・ゲルに至る無機物質,有機物質およびそれらのハイブリッドなどの反磁性物質,水素吸蔵合金などの磁性物質,超反磁性物質(超伝導体)の他,半導体,絶縁体などの微粒子からバルク材の構造および物性制御を試みている. また,コロイド・界面現象の磁場制御を広く検討し,磁場下での界面科学,もっと大きくは磁気”科学”を確立することを目指している.

•S. Ozeki and I. Otsuka, “Transient Oxygen Clathrate-like Hydrate and Water Networks Induced by Magnetic Fields”, J. Phys. Chem. B, in press (Oct. 12th)がthe ACS News Service’s Weekly PressPac http://www.chemistry.org/news/presspac.html)に掲載されました。

•アメリカ化学会 The Journal of Physcal Chemistry B に掲載された論文 “Does Magnetic Treatment of Water Change Its Properties?” (Ichiro Otsuka, Sumio Ozeki, J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 1509.) が同誌の2006年1月~3月期のLetter部門 Most-Accessed Article 1位となりました。
(→http://pubs.acs.org/journals/jpcbfk/promo/most_accessed/index.html)

•論文 “Does Magnetic Treatment of Water Change Its Properties?” (Ichiro Otsuka, Sumio Ozeki, J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 1509.)がNature (2006, 439, 246)のResearch Highlightsに”Weird water (奇妙な水)”というタイトルで紹介されました。

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