調査地は富士見のスキー場なんですが,車で上の方まで行って,ゲレンデや林内を見ます.ですが,林道の途中に湿原があるので,せっかくです,見学していきましょう. で,ここは入笠湿原です.スゲなどの泥炭が厚く堆積し,水面よりも植生が上に発達しているので高層湿原と言っていいでしょう.ちなみに,低層湿原とは,釧路湿原のように,水がひたひたの湿原です. |
湿性の大型植物が目に付きますね. 幅の広い葉をつけたものがコバイケイソウです.すっと,上向きに葉を延ばしているシダ植物がヤマドリゼンマイ.シダは全般に湿ったところに多く分布しますが,このヤマドリゼンマイは湿原との結びつきが非常に強いシ ダです.霧ヶ峰の八島湿原でも同じような状況が見られます. 葉に切れ込みがあり,3裂または5裂しているように見えるのはハンゴンソウでしょう.今はまだ小さいですが,2m程度にまでなる高茎草本です.夏に黄色い花を付けます.これも,高原の花,という印象が強い植物ですね. |
|
|
オオヤマフスマです.ちょっと小さくて見にくいですね.マクロレンズに交換するのが面倒で,横着してしまいました.ハコベなどと同じナデシコ科ですから葉は対生で花びらは5枚.しかし,ハコベが花びらの先が二つに割れる(だから,遠目には花 びらが10枚に見える)のに対し,オオヤマフスマは割れません. |
ウマノアシガタです.これをキンポウゲと呼ぶこともあり ますが,一般には,花が一重(花弁は5枚)なのウマノアシガタ,八重なものをキンポウゲと呼んでいます. なんで「ウマノアシガタ」って名前かって?ちょっと見づらいですが,葉っぱの形を見て下さい.細く三つに裂けていますね.あるいは5つに裂けます.この葉の形から,「鳥の足形」と呼ばれていたものが,昔の書物ゆえ,達筆だったか汚れて読みづらくなったか,「馬の足形」と誤読され,それが定着したとか.ま,一つの説ですが,そんな話を知っていると,名前も覚えやすいし,親しみやすいかもしれません. |
湿原のまわりに真っ先に侵入してくる樹木の一つがこれ,ズミです.コナシと呼ばれることもあります.バラ科で,花びらは5枚.同じ科のリンゴやナシの花に似ます.つぼみはご覧のように濃いピンク色ですが,花が開くと白地にほんのり色づくような桃色で,何とも良いんですよ,これが. |
ズミが湿った立地に強いため侵入してくる(それでも湿原が乾燥化しているので入れるようになれる・遷移の一環)のに対し,こちらのレンゲツツジは,まわりに光を遮る樹木が無く,明るいため生育している,というところです. ちなみに,山間の牧場などでこれが多く見られるのは,これが毒を持っており,牛などが食べないためです. |
右の写真,コメガヤです.この写真じゃよく分からないと思いますが,実が米粒のような形&大きさをしています.初めて見たときは,何じゃこりゃ,という感じですが,一度で覚えてしまいますから,楽な植物ですね. 2005年12月30日訂正 この,本来コメガヤとすべき所を,コメススキと間違えて記述していました.今日,何気なく写真の整理としていたら,間違いに気付きました.いやあ,まいりました.冷や汗ですね. |
|
ツマトリソウです.良いですね,この感じ.葉だけ見るとワダソウとかワチガイソウなんかと見間違えそうですが,花を見ると一発で区別できますね. ツマトリソウの名前の由来は妻取草...と想像しそうですが,端取草ということのようです.端(はし)と書いて(つま)と読みますが,花びらのまわり(端っこ)が,薄ピンク色に縁取られることが多いと言うことからこうした名前になったとか.写真の個体は真っ白ですが. |
シロバナヘビイチゴです. まずヘビイチゴについてですが,なんだか毒がありそうな雰囲気の名前ですが,毒はありません.ただ,うまくないだけです.で,「ヘビにでも食わせるようなイチゴ」ということで付いた名前でしょうか. さて,シロハナヘビイチゴは,ヘビイチゴとは属が違い,名前は似ていますが,少々離れた分類群です.もちろんバラ科の草本という意味では同じですが.こちらのシロバナヘビイチゴの実はおいしく食べられます.ヘビイチゴが平地から山地帯にかけて分布するのに対し,亜高山帯以上に分布する植 物です.ヘビイチゴのたぐいとの違いは,1)花びらが白い,2)鋸歯のギザギザ,とんがりが鋭い,といったことです. 写真の,まわりにたくさん写っているのは外来種のシロツメクサ(いわゆるクローバー)です.皆さん分かるとは思いますが,間違えないように. |
ミヤマハタザオです.何とかハタザオ,っていろいろありますが,皆アブラナ科ですので,写真のように花びらが4枚です.写真は花の部分だけが写っていますが,茎というか,花茎がすっと長く1本立っていて,まさに旗竿(はたざお:旗を立てる棒)の様です. |
他のハタザオとの見分け方ですが,ハタザオ,ヤマハタザオ,イワハタザオなどは皆,葉の基部が耳たぶ状になり,茎を抱きますが,このミヤマハタザオは抱きません. ハタザオとヤマハタザオの違いは?ハタザオの葉は葉が茎を抱き,全縁で非常に毛深いのが特徴で,花は黄色. ヤマハタザオは葉は茎を抱きますが,波状の大きな鋸歯があります.花は白. イワハタザオは,文字通り岩場に分布し,タネを包んでいる棒状の部分が非常に長いのが印象的です.えっ?説明になっていない?自分で図鑑で確かめて下さい.ちなみにイワハタザオの花も白です. |
さて,湿原を離れ,林道歩きです.林道歩きというと嫌がる人もいますが,林内よりも光があたるため,意外に多くの植物に出会えたりします.ドライブをしていても,ちょっと車を止めて,植物を見てみると良いと思います. さて,こちらはフモトスミレ.スミレは全般的に,日当たりの良い場所に生育することが多いので,山にあっては,まさに林道植物(私の命名)です. 花は白で小さいのですが,写真で分かるように側弁に白い毛があります.スミレにおいては,この側弁の毛は非常に重要な見分けのポイントですので,ぜひ見ておいて(写真にとっておいて)下さい. |
次に花を横から見ます.下に紫色に出っ張った部分が見えますが,これが距(きょ)という部分です.スミレという名称は,この部分が,昔の人が持ち歩いた墨入れ(すみいれ:筆と墨を持ち歩くために,墨を入れる,今で言う,携帯用インク・ボトルですな)に似ているから,ということでスミイレ→スミレとなったといいます. で,このフモトスミレの距ですが,非常に短い.2mmぐらいです. これだけ短いのは非常におおきな特徴です. 次に他のスミレと比べてみましょう. |
こちらは,一般によく見るタチツボスミレの花を横から見たところです.ね,距がかなり長いでしょう.これと比べるフモトスミレの距がかなり短いことが分かります. |
フモトスミレの,他の部分を見ておきましょう.葉はこんな感じです.次の写真で指が写っているので比べてほしいですが,かなり小さいです. |
フモトスミレの葉の裏は,このように紫色になることが一般的だとされています.ぜひ,めくったところで写真を撮っておきましょう. |
これも同じフモトスミレの葉です.写真のように,表面に白い斑(ふ)が入ったものもおおく,とくにフイリフモトスミレと呼ばれているようです.ただ,種のレベルではフモトスミレですから,よけいなことは覚えなくても良いでしょうか.普通の葉のものと同様,裏は赤紫色です. |
標高は1500m程度ですから,山地帯落葉広葉樹林と亜高山帯常緑針葉樹林の境界域に達しています.写真左に集まっているマイヅルソウは,亜高山帯を指標する草本です.これがあると,かなり標高が上がったな,という感じですね. 名前の由来は,ハート型を上下逆さに見て,鶴が羽を上に広げ舞っているよう見えるから,ということです.ですから「マイズル」ではなく「マイヅル」なのです. |
トウヒの仲間ですね.トウヒの仲間(トウヒ属)の特徴は,枝に葉枕(ようちん)と呼ばれる,独自の構造を持つことです.枝が,なんか,変な模様で凸凹していますよね.これです. で,トウヒ属なのは分かるんですが,そこから先がちょっと...いわゆるトウヒは もっと葉が太くしっかりしているはずですし,イラモミやハリモミでもありません.あと可能性としてあるのはヒメマツハダやヒメバラモミですが,きちんと見たことがないので自信がありません.まさかドイツトウヒが自然林の中まで入ってきた,ってことではないですよね? 調べておきます(というか,人に聞いちゃうことになりそうですが). |
さて,見慣れたマイヅルソウの右脇に,なんだか変な模様の植物が...一見,先ほどのフモトスミレの葉にも似ていますが,よく見ると全然違います. これは,ジンヨウイチヤクソウです.葉の形はハート型(心型)を横に広げたような形で,腎臓型と呼ばれます.写真のように横にやや広いものが多いく,白い斑が入るのが特徴です. |
花(つぼみ)にフォーカスをあわせたのがこちら. 花はまだ少し先のようです. 花が咲くと白色です.マルバイチヤクソウも同じような亜高山帯に分布しますが,マルバイチヤクソウの葉は,ジンヨウイチヤクソウのような斑は入っていないことになっています.皆さん,自分で比べてみましょう. |
タカネザクラです.葉が綺麗な重鋸歯で,先が尾状に伸びるのが特徴です.同じく重鋸歯のはっきりしたサクラの仲間としては,ミヤマザクラやマメザクラがありますが,タカネザクラの葉はそれらよりはるかに大きく,先端の尾状のとんがりがはっきりしています.葉の裏の主脈と側脈の間にカエルの水かきのような膜があります.写真が無くてすみません. |
もう少しアップで見てみましょう.葉柄の先に小さな粒が二つ見えますが,これが腺点.腺点を持つのが,この,サクラの仲間の特徴の一つでもあります. ちなみに,このタカネザクラ,当年枝はほぼ無毛です.サイズが違うので間違えることはないと思いますが,ミヤマザクラは,葉柄にも当年枝にも毛があり,似たマメザクラは葉柄には毛があるものの,当年枝には毛がありません. ちなみに,形が似ている(重鋸歯で先が尾状に伸びる)チョウジザクラは,もう,毛だらけで,さわるとビロード状です. |
ヘビイチゴのような花ですね.黄色い花,3枚の小葉で1枚の葉,ヘビイチゴと同じ特徴です. が,これはミツバツチグリ,という植物で,別物.ただし,バラ科ということでは共通しています.ミツバツチグリは,ヘビイチゴと違い花序になって,先端からいくつもの花を付けます. |
葉はこんな感じ.三出複葉で,托葉が付いているのが見えます. |
また,ヘビイチゴの仲間は萼片と副萼片の形が違いますが.このミツバツチグリは,そうした形の違いはありません.サイズは違いますが. |
ウスノキです.ツツジ科.赤い釣り鐘型の花が緑に映えます.さて,このウスノキ,スノキと似ていますが,次のように見分けられます.スノキは枝に毛が二列に生え,花が緑白色だが,ウスノキは枝全体に毛が生え,花は赤い. |
ウスノキの葉.こんな感じ. |
さらにアップで,ウスノキの当年枝にまんべんなく生える白い毛を見ておきましょう.スノキの場合はこれと違い,枝の上面,下面に毛が無く,横に生えるので2列の毛のように見えるわけです. |
ミヤマイボタですね.その名の通り,イボタノキよりも標高が高い所に分布します.違いは,イボタノキの葉の先端は鈍頭で先がややくぼむように見えるのの対し,こちらのミヤマイボタは先端が尖って見えます. |
さて,スゲです.いやあ,難しいんですが,見ていきましょう. |
これはありがたいことに,特徴のありそうな面持ち. 花茎の先に雄花序が1本小さく付き,球形の雌花穂が2つ見えます.そしてこれらが上部で接しています.さらに雌花の鱗片は黒褐色というか,赤紫. こうしたことからヒメスゲと判断して良いでしょう.図鑑をめくっても,これに似たものはほかにありません. |
さらに,茎の基部の鞘が赤紫色になるのも特徴のようです.どれどれ...なるほど,確かにそうですね. ここも忘れずに写真に撮っておきましょう. |
日当たりの良いオープンスペースにでます.マルバダケブキを発見.似た植物が幾つかありますが,これは,茎の先端が2,3個に分かれ黄色い花を付けます(右の写真参照). 一見似ている,オタカラコウ,メタカラコウ,カイタカラコウは葉の縁がエラを張るように外に張り出し,花も花序になるので見分けられます. マルバダケブキは,そうした,**タカラコウに比べると普通のフキのような葉をしています.なるほど,フキのような普通の葉をしていれば,マルバダケブキと覚えておけば,とりあえず安心ですね. |
花はまだだったんですが,去年のものが残っていました.とりあえず,花序じゃないことが分かればokですので,仕事写真としては,ま,これで満足です. |
これは,キバナハタザオです.やはり,花がないとぴんと来ませんが,緑色の茎に白い毛がまばらに生えること,それから鋸歯があり目立ちますが,この鋸歯が大きいものやら小さいものやらで構成されており不揃いです.他の何とかハタザオ同様,アブラナ科です.(2005年9月14日修正) |
今はまだ低い状態ですが,1m程度になります. |
おっ,ベニバナイチヤクソウですね.他のイチヤクソウの花が白いものが多いので,この,ベニバナイチヤクソウは非常に目立ちますし,見分けるのも容易です. |
ですが,花ばかり見ていると,葉が分からなくなります.また,花が無く,葉で見分けないといけないときに困ります.そこで,葉の方もきちんと見ておきましょう. 葉は常緑ですからクチクラ層が発達して革質(ツルツル,テカテカと光る)ですが,明るい緑色をしています.斑が入ったりすることはないようですね. |
裏もめくっておきましょう.特に変わった色ではないです.地味ですが,こうした写真は重要だろうと考えています. |
こちらはチゴユリ.山地帯のブナ林などで見る植物です.今回うろうろしたあたりは,亜高山との境界域ですので,両方のものがみられますね. しかし,何とも可憐じゃないですか.とって良いのは写真だけ.そっとしておきましょう. |
おっ,ササバギンランですね.ギンランというランがありまして,キンランの花が黄色い(金色)に対し,白い(銀色)種類がギンラン(別種),さらに,別種で花は白いんだけれど,葉がササの葉のようなものがこれです,ササバギンラン.この手のランは,ササが密生しているとダメです.ですから,むしろ人里の,里山のような,林床の管理をしてきたようなところで多く見られます. |
うーむ,ヒカゲノカズラの仲間です.これでもシダ植物です.亜高山帯でしばしば見ます.これがひも状に,ベローっと横に広がったりします.写真に見える,先端の茶色い部分は,胞子を付ける部分でしょう. 佐藤先生なら,この写真だけで種類まで分かるんでしょうかね.一応聞いてみますかね. 2005年7月29日追記. 佐藤先生に聞いたら,すぐ分かっちゃいました.マンネンスギだそうです.ヒカゲノカズラの仲間だというのもok.ただのヒカゲノカズラと,どう違いを見分けるのかをたずねると,写真のように植物体が立つ姿が特徴的だとか.べろっと寝ているのはヒカゲノカズラで.ですから,上の説明で「これがひも状に,ベローっと横に広がったり」という私の説明は,このマンネンスギのものでなく,ヒカゲノカズラの説明だと言うことになります. |
|
しかし,せっかくですからアップの写真も撮っておきますか. 記録写真としては絞りを絞って被写界深度をかせぐ所なんですが,よくある花写真のように絞りを開けてバックをぼかしてみました.どっちつかずの感じですが,ま,一応花弁が6枚な事,1本の雌しべに複数の雄しべがあることは分かります. |
またスゲを見つけてしまいました.花がなければ,「花がないと見分けられない」と言い訳して通り過ぎるところですが,幸か不幸か花が付いています.4年生諸君に手分けして調べてもらいます. なるほど,マツバスゲの様ですね. 茎が松葉のように細いこと,葉は短く,少なく,目立たないこと,湿地に生育することなどが特徴です. |
花のアップ写真も撮っておかないと行けません.PENTAX FA50mm macroの出番です.対象の花はきちんととりつつ,バックは少しぼけると格好いいですね.こんな感じでどうですか. 余談ですが,奥原弘人先生(残念ながら故人)の図鑑,「信州の野草」が良いんですよ.長野県内に分布するものに絞られていますし,県内に出るものをなるべく網羅しよう(1300種以上?)と編集されていますし,科や属まで絞れたら,この図鑑で絵合わせしていくのが近道です.長野県内であれば.そのあとでほかの図鑑でも調べて確定. すばらしい.こうした著作を残せれば,研究者としては本望はないでしょうか. |
多分アゼスゲではないかと思うんですが.良いですよね?あってますよね?いや,どうかなあ. 先端に1-2本の雄花序を付け(写真の茶色い部分),したに2-3本の雌花序を付けます. |
根元はこんな感じ.一応アップしておきます. |
オククルマムグラです.アカネ科.似た種類も幾つかありますが,このオククルマムグラの葉の先は丸いが,先が短く尖る.一方クルマバソウの葉の先端は丸まらず,すーっととがる印象です. |
次に茎の毛がポイント.オククルマムグラの茎と葉の裏面脈上には下向きの毛が生えます. クルマバソウは茎には毛がありません. あとのこの辺に似た種類は絵合わせでも間違わないんじゃないでしょうか. |
イヌムラサキですね.ワスレナグサなんかと同じムラサキ科です. 茎を始め,全体に毛が多いのが特徴で,同じ科のムラサキやキュウリグサに比べて葉が大きく目立ちます. |
茎のアップをとっておきましょう.すごい毛ですね.こんなのはなかなか無いんじゃないでしょうか. |
さて,干上がった水たまり,シカの足跡を見つけました. 偶蹄目ですので,蹄(ひづめ)が二つ見えます.で,よく見ると,もう二つ跡が見えます.私の指がある方がシカの前方になるんですが,大きな二つの蹄の後ろ側(写真では奥)にそれぞれの蹄に重なるように副蹄(ふくてい)といういのが付いています.泥の上だから足が食い込んでここまで見えるんですね. |
こっちはタヌキだと思うんですが.タヌキとキツネの足跡は似ていて,足跡を連続的にたどっていくと,キツネの足跡は1直線に並ぶが,タヌキの足跡は左右にふらつきながら続いていく,とされています(熊谷さとし著「哺乳類観察ブック」人類文化社発行,桜桃書房発売 1800円 ISBN4-7567-1198.楽しく読めます.おすすめ). が,断片的に残った足跡だけではどう判断して良いやら.うーん,キツネかなあ. |
で,行程的には前後するんですが,森の中でクマの糞を見ました.フィールド・サイエンティストとしては,記録しておかなければなりません. 好きでやってるんじゃないですよ! 4年生の竹内君がメジャーを延ばしてくれました.長さ20cm,直径7cmといったところでしょうか. 形などは人間と変わらないのですが,とにかくでかい.しかし,植物性のものを食べているからか,匂いはほとんどまったくありません.人間の糞はクサイし,ティッシュが落ちていたりするので,分かります. (ちなみに,普通のティッシュは,水に非常に強く,雨が降ったりしても,ぬれて形が変わるだけで,驚くほど長く残っています.それで,ティッシュは水洗トイレに流してはいけないと言われますし,山で使うときは水に溶けるものを使うように言われるわけです.) |
|
ここで大事なのは,「ここにクマがでる」という事実を確認することです.ですから,調査でこの辺をうろうろするときには,必ずスズなどを付けて音を鳴らし,クマに対して「誰かいる」ことをアピールすることが大事です.本来,クマは臆病で,人がいると分かれば出てきづらい習性だと聞きます. 気をつけましょう. |
もう一つ,クマを避けるの
に,以前何かの本で読んだ方法.通り過ぎるだけなら良いんですが,クマの糞のあるようなところで繰り返し調査をしなければならないような所があります.どうするか? 自分の尿(おしっこですね)を木のなるべく高いところにかけて,匂いをマーキングするのがよいと言う話です.イヌの縄張りと同じですね.高いところにあれば,他の動物は,「なんか,スゲーでかい奴がここにいる」とおもって,近づかなくなる,ということです. 上の方に匂いを付ける方法としては,使い捨ての紙こっぷなどに自分の小水を取り,上にかけるとか. ま,一応知っておいてて損はないですね. |