本の紹介
どうも,島野です.
本を書きましたので,紹介したいと思います.分担執筆ですが.
最近の本です.
「ベーシックマスター生態学」 オーム社.
南 佳典・沖津 進(共編)です.この中の
「野外における森林の更新動態の調査,研究のポイント」
というパートを書かせて頂きました.30-56ページです.
森林,草地群落における遷移の進み具合,あるいはその更新の状態をどうやって調べるか,どう表すか,といった内容です.
この本が想定している読者層は,専門家ではなく,初学者です.興味はあるんだけど,何をどう調べて良いか分からない,どんな調査をしてどんな結果
をまとめればよいか,また得られた結果をどう解釈すればよいか分からない,という人のために書いています.大学2,3年生で,専門の授業を取り始めたり,
実習をやり始めたりしたような.
個別のパートで陸上植物群落,土壌生物,海洋生態などを扱っていますが,それに先立つ「生態学を学ぶために」というパートで,生態学全体の内容を広く概観してあって,キーワードの解説や,キーワードごとのつながりが整理
されています.これがなかなか良いんです(玉川大の南先生のパート).
それから,最後のパートなんですが,「フィールドに出るということ」
では,ローテクノロジー(low technology,ハイテクに対する,アンチ・テーゼですね)の限りない可能性や,機械や道具に頼らない,自らの洞察力の重要性などが説かれていて,なかなかいい
んですよ(千葉大の沖津先生のパート.ちなみに,私が学生時代お世話になった師匠です).
生協の書籍コーナーにも並んでいますので,興味のある人は手に取ってみて下さい.
この本の内容をフォローするような記事も,この web site
上で扱っていきたいと思っています.筆無精なので,なかなか進まないのが心配ですが.
で,早速ですが,本文中の「ラウンケルの生活型」について.
ここでいうラウンケル,というのは人の名前で,原文では,Raunkiaerで
す.いろいろな発音があるかと思いますが,私個人はラウンケアと発音しています.ですので,本の原稿にも,「ラウンケアの生活型 Raunkiaer's life
form」と書いていたんですが,出版者側の編集者が気を利かせて(?)
ラウンケル,と変更したようなのです.ゲラの段階では確かラウンケア,となっていたはずなので,土壇場で変更したんですね.
Christen Raunkiaer
は,デンマークの人です.私はもちろんデンマーク語は分かりませんので,多分,デンマーク語らしく発音するとラウンケル,ということなのでしょう.きちん
と統一してあれば問題ないと思います.
私の授業では「ラウンケアの生活型」って,紹介してるんですよね.どうしようかな,これから.
と,今回はこんなところで. | トップへ戻る