初日.港に上陸したのが夕方4時くらいですが,日が長いと言うことでいきなり調査. 清水さんはやる気満々です. 佐渡では今,トキを野生にはなせるように,無農薬・低農薬のお米作りを進めています.除草剤バリバリの所より,いろんな水湿植物が出るんじゃないでしょ うかね. では,発進. |
「環境にやさしい佐渡米づくり」実施中,だそうです. |
クサネムです.カワラケツメイと似ていますね?ええ,非常に似ています.違いは何処かというと カワラケツメイの茎は中身が詰まっていますが,クサネムの 方は中空です.パイプ状.だから千切ればもちろん分かりますし,切らなくても,茎をちょっと押してみれば中が空洞なのが分かります. |
ヤノネグサです.タデ 科.これは 長野県内でも見ますね.葉(葉柄)の付け根が葉鞘という筒状の膜に覆われているのがタデ科の特徴.葉鞘から長い毛が出ていますね. |
スズメノヒエ.イネ科ですね.外来種のシマスズメノヒエが増えてい るようですが,ここでは在来のスズメノヒエが見られます. |
シマスズメノヒエとどこが違うかというとこの毛.在来のスズメノヒ エは葉に毛があります. |
おっ,シソ科ですね.ヒメジソです. ちょっとトウバナなんかにも似ていますが,トウバナはもっと葉の鋸歯が丸い感じでやさしい印象.こっちは尖っています. |
このヒメジソの特徴は,前述のように鋸歯が少ないために鋸歯が荒く見えるのと,写真にあるような葉の裏の腺点(もしくは油点,とも) こんなにはっきり腺点があるのは,これとイヌトウバナとかですね. イヌトウバナは茎に毛が多く,葉もはもっと長いので鋸歯が多い(7対以上とか).ですから間違えないと思います. |
イグサ科ですね.何でしょうか... 調べると,シカクイ,らしいことが判明. どのへんがシカクイかと言いますと... |
茎の断面が四角いんです.四角柱,ですね.サンカクイは茎の断面が
三角なので,あまりにもそのまんまなネーミングに,ちょっと萎えるかも. 高さは20cmほど. |
そんな感じで初日の調査終了. はじめからややとばし過ぎな感じもしないでもないですが,一日充実しました. 日が暮れるとホッとしますね. |
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二日目. いきなりですが,海岸の調査です. 良いんですか,清水さん? 分かるんでしょうか,植物... |
こんな感じの砂浜. |
うーむ,全然分かりません.佐渡に出現する植物のリストでもあると良いんですが,ブナ林出身の私にはまっ たく手が出ません. で,情報を求めて,左の写真にある,「佐渡植物園」に. |
しかし... いや,しかし,ここは資料なんかはない,まさにボタニカル・ガーデン.今回はちょっ
と役に立ちませんでした. おばあちゃんが里帰りしたお嫁さん,お孫さんを連れ,散策していましたので,そう言うのには良い感じなんでしょう. あと,隣にある佐渡・一の宮の度津神社(わだつじんじゃ)は立派ですね.名前の通り,海の神様をまつってあるそうです. で,結局,金井の図書館に行って,リストをコピー(本闇建一郎「佐波島の植物(羊歯・毬子植物)」).やはり下調べが大事ですね. |
さて,気を取り直していきましょう.まずは,ハマゴウ.これは知っ ていました.逆に言うと,ハマゴウ,ハマナス,ハマヒルガオぐらいしか知らなくて,後 は未知の植物ばかり,という感じでした. これは宮崎の青島でも見ましたから. |
こちらがハマヒルガオです.残念ながら花には出会うことがありませ んでした. 砂浜に一番似合うのがこれな感じ. |
ハマナスも花は終わって実の季節.写真には実も写っていません が... 空は青く,暑い日でした. |
さて,この辺から知らない植物のオンパレード.私にとっては「新種」です. まずはスナビキソウ.ムラサキ科です.花の跡が見られました.漢字 で書くと砂引草ということで,海岸特有の植物のようです. |
オニシバだそうな.確かにシバににながら,ちょっと雰囲気が違いま すね.葉は茎の左右に並んできれいに生えます. |
うわ,またイネ科. 見たこと無いよ,これも... |
で,リストからイネ科を抜き出して,図鑑をめくっていくと,ケカモノハシで あることが判明. カモノハシ,という種もあるんですが... |
ごらんのように,たいへん毛深い.この辺がケカモノハシたるゆえんですね. 白い毛がボウボウで,さわるとふさふさ.皆さんもぜひさわって下さ い. |
花はキク科のものなので,リストと図鑑をにらめっこ.ハマニガナと 判明.葉はやはり乾燥に耐えるべく,やや厚みを持っています. |
これは有名.コウボウムギ.ムギ,といっていますが,カヤツリグサ科のスゲ属でムギの仲間ではないんです ね. |
カワラヨモギも出てきます.本来海岸でなく,河原に出るもの,とい う意味のネーミングでしょうが,乾燥地に適しているのでしょう,海岸にも出ます. |
こちらはキク科,ネコノシタ.ユキノシタ科ではありません. どのへんがネコノシタかというと,葉が分厚く,そしてザラザラして います.ネコに舐められたことありますか?ネコノシタって,すごくザラザラしているん ですが,葉をさわると納得. |
ごらんのように,ネコノシタは地上茎を走らせ増えていきます. |
さて,またもやイネ科.ま,しょうがないですね,イネ科が出てくるのは. |
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ハマニンニク,と判明. 花は特徴的なので,覚えられそう.写真はもはや花ではないですけど. |
葉の付け根.葉耳,葉舌は発達せず,毛もないのでつるりとした印象. ケカモノハシとは対照的ですね. |
基部はこんな感じ.記録ですから,何でも写真に撮っておきましょう.
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で,またもや清水さんが調べてくれました.ナミキソウ,です.漢字 で書くと波来草,ということで波がかかるような所に出る,ということのようです. 「波,来そう」 という風に覚えればバッチリ.花が咲いているものはありませんでしたが,図鑑で見ると同じシソ科のタツナミソウのような感じです. |
マメ科.これくらいだと調べやすいですね. ハマエンドウ,だそうです.残念ながら花は見られませんでした. |
と,砂浜の調査を終え,岩場に移動.これは分かります.ハマボッス. これはもう実ですが,後ろの方に花の写真があります. |
岩場と言うことでキリンソウが出現.ベンケイソウ科の多肉植物で す.乾燥に強い形をしていますね. |
...といったあたりでこの日は修了. いやあ,手強かったです,海岸. ま,しかし,勉強になりましたよ. 海岸はまた別の日にまわることになります.ハマボッスの花やハマエノコロはまたそちらで. まだ二日目か... 先は長いな.... |