蛭間くんが植生学会で奨励賞受賞

UPDATE: 2010年11月30日

札幌の植生学会に出席

 札幌の植生学会に出席したんです.羽田から千歳へスカイマークで飛んで.蛭間くんと.そうしたら植生学会編集幹事様の池田さんと合流.千歳から札 幌までの電車間、いろいろ話をしていたら...蛭間くんが植生学会の奨励賞を受賞する話になりました.私も一応全国委員なので,知っているはずなんです が,記憶になかった(笑).メール審議で回ってきた議題だったはずなんですが...

蛭間「あれ,島野さん,知らなかったんでしたっけ?」
島野「し,知ってたよ,おめでとう.オレ,ほら,これでも運営委員だし...」
蛭間「ほんとかなあ(笑)」
池田幹事様「...(笑顔)」

そんな会話で,札幌.初日は委員会,二日目が研究発表,夜がパーティ.
で蛭間くんが壇上で挨拶.

蛭間

壇上で挨拶する蛭間君.ワイングラスは足を持ちましょ う(笑)

実は前日の委員会で
「植生情報の編集,次,信州にお願いしようと思うんですけど」
とかいう発言が澤田さんからあって,これまた私は全然聞いていなくていきなり(笑)なんですが,
「信州,島野さんも蛭間さんも,井田さんもいるじゃないですか」
...って,私は松本,井田先生は志賀高原,蛭間君は飯田で,飯田と志賀高原は200kmくらい離れてるんですけど(笑).ぜんぜん近くない.
集まれねえよ! 。゜(´Д`)゜。

 で,「持ち帰って検討する」って返答をしておいたんですが,ま,蛭間君に編集委員長をやらしちゃえば,それでもいいか(笑),と思い直し,「昼間 君, 例の話,引 き受けて,発表しちゃって良いんじゃん?」と壇上に居る蛭間君に私から耳打ち.蛭間君,そうですか,引き受けますかという感じ.
 で,蛭間くんから壇上で
「みなさんには原稿をお願いするかもしれませんが...」とお願い.

蛭間

(蛭間君,みなさんに報告とお願い中の図)

 で,よかったね,おめでとう,ということなんですが,信州に帰ってきてから蛭間君から電話がありました.
蛭間「今回の受賞の一件なんですが,博物館で出してる情報誌に記事として載せたいんですよ」
島野「ヘー,いいじゃん」
蛭間「で,自分で書くのも何なので...」
島野「ナニソレ,コワイ」
蛭間「島野さんに...」
島野「オレかよ!」
蛭間「チョコットでいいですけど」
島野「めんどくせえョ!」

というわけで,「伊那谷自然友の会」の会報,「伊那谷の自然」に記事を書かせていただきました.それを載せておこうと思います.せっかく書いたので(笑).

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 飯田市美術博物館の蛭間 啓 博士が去る2010年9月12日,第15回植生学会札幌大会において学会奨励賞を受賞した.これは35歳までの将来有望な若手研究者が今後の活躍を期待さ れての賞である.
  博士は東京農工大農学部環境保護学科の学部生の時代から日本のブナ林に生育する植物の研究を続け,**年に博士号を取得している.その内容 は,同じくブナ林の研究を続けてきた私から見ても独創的,オリジナリティーあふれるもので,以下のような内容である.すなわち,アクシバ,タムシバ,ツル アリドオシなどの多雪な日本海型ブナ林に普遍的に出現する種が,太平洋型ブナ林にはまったくと言っていいほど出現しないのに,ブナ林以外では太平洋側にも 分布する現象に着目し,この原因を明らかにするというものだ.こうした知見はブナ林を研究対象としながらも,ブナ林以外の植生も詳細に観察した者にしか知 りえない物だ.博士はこれを何万年も繰り返されてきた氷期・間氷期における植物の移動に原因があると考え,最近では上記の植物などのDNAを調べること で, こ うした植物の分散経路,さらにはブナ林の成立の仕組みを明らかにしようとしている.この点がまさに植生学会の専門家諸氏に評価されての受賞であった.
  こうした,高度に学術的,専門的な活動の一方,博士は美術博物館における企画,展示はもとより,広く自然に興味を持つ市民の方々との地域の 植 物調査・環境保全活動を行っている.まさに伊那谷において,なくてはならない存在といえよう.彼の業績・活動が伊那谷の志ある諸氏に改めて知られることを 願ってペンを置く.

信州大学理学部准教授・島野光司

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...って,ちょっと持ち上げ過ぎちゃったでしょうか(笑).ま,たまにはいいか.

蛭間君,息切れしない程度にがんばってください.英語の論文もね!