松本-飛騨高山-高鷲とドライブ.道の駅白鳥で車を止め,歯を磨き(笑),ダイエット・コークを仕入れます(笑). で,まずは小手調べ,ドクダミです.白い花びらの様に見えるのは苞 で,花弁ではありません. ちなみに,google日本語入力で「かべん」と打ったら,変換候補に「カベンディッシュ」と出てきますが,これは自転車競技で有名な人. |
イヌワラビでいいでしょうか. |
明らかに園芸植物ですが,なんでしょうか.こっち方面は苦手なもので... |
オオバショウマですが,葉が盾状についています.で,キケンショウマ.種レベルではオオバショウマでokです. |
お,これもちょっと珍しいでしょうか.コウモリカズラ.葉が盾状に つき,葉の縁がコウモリの羽のように切れ込みます.写真の葉は,一部,切れ込みすぎで すが. 新潟の上越でよく見たので,雪国要素かもしれません.アオツヅラフジ科.同じくアオツヅラフジ科で葉が盾状につくものにハスノハカズラがありますが,こ ちらは葉の形がアオツヅラフジのようです. |
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神社におじゃまします.まずはお参りして,ご挨拶と,この場に来れる縁(チャンス)を頂いたことに感謝申し上げます. ここ,古く続いた神仏習合の名残が見られて,境内,向かって右側は白山神社,向かって正面に見えるお堂はお寺で,観音様や阿弥陀様をお祀りしているよう です. 境内を見せていただきましょう. |
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石垣からスミレ(sp)が生えています.花はとっくに終わっていますので葉を見ます.葉柄に狭い翼が見られ,毛が目立つのでノジスミレが妥当かと思いま すが,いかがでしょう. ヒメは翼がないし... |
水辺へ移動.ちょうどコウホネが咲いている時期でした.ラッキー. アサザなんかは葉が水面に浮きますが,コウホネは葉が水面を突き抜け,空中に展開しま す. |
うーむ,オランダガラシ,クレソンですね.ステーキの付け合せに, といいますが,私は外で肉を食べないのであまり経験がありません. |
クリンソウは,これ,植えたんでしょうね.湿って明るいのでよく 育っています.大型のサクラソウ科植物. |
向かって左はシュウカイドウでしょう.中国,マレー原産で,観賞用 に日本に入ってきました.シュウカイドウ科シュウカイドウ属(いわゆるベゴニア Begonia)です. 右はトクサの仲間.ちゃんと見なかった.すみません. |
これも列状にたくさん咲いていたので,植えられたものですね.神社はあまり草花を植えませんが,お寺の境内ではよくあることです.アジサイとか. で,種は何かというと,ちょっと分かりません.野生種なのかな?あまりぴんと来ません.ノコンギクとかの葉じゃないし,どちらかというと葉はミヤマヨメ ナに近い感じ.写真のほうが色が薄いけど.ま,わかりません. |
なんだこれ,新種.ニワゼキショウの仲間だろうと思って写真を取り,かえって調べると,外来種のアイイロニワゼキショウだとか.別名ルリニワゼキショ ウ. 背は高い分オオニワゼキショウに似ますが,花の色がご覧のように青く,花びらも大きいです.オオニワゼキショウは,花,小さいですもんね. |
境内は,しっとりとした雰囲気でいいですね. |
山の斜面にあるお堂の方に移動するとコアジサイがちょうど花の時期 でした.いい色ですね.今回は一眼レフでなくペンタックスE90という,単三電池で動 くコンパクトデジカメを使っているんですが,林内でもいい色を出してくれます. Nikon D90は林内のオートホワイトバランス苦手だけど(笑). |
湿ったところに出るアカソですが,雪国・日本海側は葉の切れ込みが 非常にハッキリしています.図鑑の写真などでこのタイプのアカソを覚えてしまうと,太 平洋側の,切れ込みの少ないアカソは,アカソでいいのかどうか,迷いますよね. |
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もうちょっと境内を見せていただきます.セリバオウレンでいいでしょうか.花も実も終わった後ですが. |
コシノカンアオイ.日本海側の物です. |
コナスビ |
ジシバリ. |
堪能しました.外来種ながらmy新種も見ましたし,コウモリカズラやコシノカンアオイ等も見られました. せっかくですので,もう少し移動して,フロラを見ていきましょう.次の目的地も神社です. |
で,こちら.以前にも来たことがありますが,季節を違えてまた伺うことになりました. |
鳥居をくぐって階段を降りると,こんな感じの湿地が.キショウブが見えます.外来だけど. |
お,ミノボロスゲです.現場では,「おお,ミノボロ,ミノボロ」と 思っていたんですが,イネ科にミノボロという植物があるので,ちゃんと「ミノボロス ゲ」と言わないといけませんね. |
ミノボロスゲ,アップはこんな感じ.短いながら苞葉もきちんと有ります. |
これぐらいの距離だと,バックのボケが良くないですね,E90. |
コシアブラの幼木です.普通は小葉が5枚とか何ですが,小さいうち は小葉3枚.さらに,出だしは1枚だったりします. |
コシアブラ,こちらはもう少し大きくなったもの.小葉が5枚ありま すね. |
山の斜面なんでオオウバユリかなあ,と思ったんですが,訂正.ザゼンソウですね.私,ザゼンソウの葉とオオウバユリの葉,迷ってたことがあるんですけど,よくみるとぜんぜん違う.ええ,よく見たら違いました.今までサボっていましたね. 後の可能性はなんとかザゼンソウ.いや,ま,斜面にも生えるんですね,ザゼンソウ.よっぽど湿っているんでしょうか. |
ヤブデマリです.雪の少ない地方にはケナシヤブデマリという毛のな いタイプがあるんですが... |
こちらはきちんと(?)毛があります.毛のあるのは日本海側の分布. |
むむ,来ましたね.葉の先が三角形型なのでヤマニガナでいいと 思うんですが.頂小葉が三角形なのを根拠に挙げます.鉾型だとムラサキニガナ.花があれば間違いないんですが...この間まで勘違いして逆に書いていました.すみません. |
ミヤマカタバミです.よく見るのはコミヤマカタバミ.コミヤマカタ バミは小葉の一つ一つがハート型ですが,こちら,ミヤマカタバミの小葉は三角形的で す. |
ハクウンボクですね.葉柄内芽.葉は大きく,手のひら,指も含めて 隠れるサイズです. |
ハクウンボク,ちょうど花が咲いていました.エゴノキ科ですので, 花はエゴの木のものと似ていますね. |
シロモジ.クスノキ科.先が鋭く割れますね.檀香梅はもっと緩く割 れて,葉先は,ボコっとした感じ. 西日本型の分布で,長野県内だと木曽とか下伊那の方で見られます. |
おなじみゼンマイ.フロラ調査ですので,よく知っている平凡な植物 でも,出てくる植物は片っ端から写真を取ります. |
なんだろう,キブシ?いいえ,ハナイカダです.鋸歯の部分が糸状と いうか,トゲ状と行くか,細いものがピン,と出ます.花が咲いていれば分かりやすいで すが. |
で,こちらがキブシ.ね,違いますよね.鋸歯は普通の三角形のもの がとがった感じ.川沿いの崖のようなところでよく見ます. |
ま,トリアシショウマですね.葉の基部がハート型ということで.ア カショウマとは変種関係です,確か. なんか,微妙なアカショウマは,皆さんトリアシにしていますが,いいんでしょうかね.どうなんでしょうか. |
こちらはしっかりしたトリアシショウマ.私のimageに合うのは こっちです. |
鳥居をくぐってから川をわたって境内に入るのですが,橋の上から河原を見るとヘビが.拡大して確認するとシマヘビでした.トリミングしてもっとアップに することもできますが,嫌は人もいるでしょうから,このサイズで. |
橋を渡り,石段を登ります. |
オオヤマザクラで良いでしょう.葉が大きい.手のひら(指を含めた サイズ)くらいあります.基本,多雪地分布です. |
裏が白っぽかったり,ちょっと光る感じ.これは,ヤマザクラ,オオヤマザクラ,カスミザクラに共通の特徴.これで毛があるとカスミザクラになりますが. |
ヤマイヌワラビでいいでしょうか.シダはまだまだで... |
裏はこんな感じ. |
ちょっと似た種類を二つ. まずはツルアジサイ.別名ゴトウヅル.ユキノシタ科で,文字通りア ジサイのような花をつける木本のツル植物です.右のイワガラミに比べると葉が小さく鋸 歯が細かい. |
続いてこちらがイワガラミ.木にからんでいてもイワガラミ.そりゃ そうか(笑).左のツルアジサイに比べると葉は大きく,先がとがり,先に行くほど鋸歯 が鋭く大きくなります. 葉をちぎって匂いを嗅ぐと,確かキュウリのにおいがする.ま,においをかがなくても分かりますが(笑). |
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磐座(いわくら).太古,神様は岩や木におりられると考えられてきました. ですので,諏訪大社の御柱祭も,7年に一度,山(自然)の中の神様を里(人の住むところ)までお迎えするのが元々の意味だったのではないかと推察しま す. |
白山古道だそうです. |
さて,再び植物に目を向けましょう.マルバフユイチゴ.別名コバノ フユイチゴ.ただのフユイチゴは葉の先がとがりますが,これはとがりません. |
ヤマモミジの実生(みしょう).ふたば(子葉)がまだ残っていま す. |
オヤマボクチ.葉の裏に白い毛が密生します.この毛を集めて,蕎麦 のつなぎにする地域があるようですね. |
立ち上がる茎があるので,パッと見はタチツボスミレかと思いますが... |
托葉を見ます.タチツボスミレは托葉に鋸歯があり,よく「くし形」と言われますが,こちらは全縁.で,ツボスミレだということに.オオバとかじゃないでしょ? |
オトギリソウの仲間ですが,サワオトギリですね.オトギリソウは葉の基部が耳たぶ状になって茎を抱くのですが,これは違いますね.楕円形. |
バライチゴ.クサイチゴに似ますが,クサイチゴは毛がもじゃも じゃ.こちらはトゲはあるものの基本的に毛はありません. |
野生のアジサイを二種. まずはこちら,エゾアジサイ.ヤマアジサイとは変種関係.ヤマアジ サイが雪の少ないところに分布するのに対し,こちらはエゾ(北海道)という名にあるよ うに,雪国に分布します. 右のタマアジサイに似ますが,こちらはほとんど毛がありません. |
で,こちらがタマアジサイ.太平洋側,日本海側にとらわれず生育. 湿った沢沿いなどに分布します. こちらの特徴は葉柄,茎に見られる白い毛.赤い葉柄に白い毛が生えているので,非常に目立ちます.写真だと左のエゾアジサイと似ていますが,現場で見間 違えることはありません. |
クサボタン.キンポウゲ科.対生,三出複葉,切れ込み,鋸歯,とい う分かりやすい特徴を持っています.林縁の明るいところに生えます.花は薄紫で綺麗で すが,それはまた別の機会に. |
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あ,これ,クラマゴケでいいですね.幹の部分(って言っていいのか な)の葉はまばらで,枝の部分の葉は密につく,ということで. ヒメクラマゴケとかその他のクラマゴケの仲間はこうした違いが見られないということで. |
ガンクビソウの仲間ですね.また花の時期に. |
オカウコギでいいですね. |
ヤマウコギは無毛なんですが,こちらは葉に毛があることが分かります.この写真じゃわかりにくいですが. 花があれば...ヤマウコギの花茎は葉より全然短い.オカウコギはほぼ同長. |
エイザンスミレ.春先は切れ込んでいますが,夏になると こんな感じです.ま,光合成にはこちらのほうがヨロシイ,ということなんでしょう. |
ウワバミソウ.湿ったところに出ますので,アカソとの共演は正しい 組み合わせです.となりのシダはゲジゲジシダ.ちゃんと写真取るの忘れた. |
チゴユリ. |
ミゾソバ. |
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もう少し寄りましょう.この写真でも茎にトゲがあるのが若干見えますね. マクロに強くないコンパクトデジカメ(強いのもありますよね,1cmとか)での撮影ですので,ま,こんなもんでしょう.上出来です. |
アズキナシ.裏をめくっているのは,一応,ウラジロノキでないこと を確認するため |
湿地へ戻ってきました.セリ. |
やや,背の高いスゲが出現.新種の予感. |
雄小穂があるんですが雌小穂にうもれて,あまりハッキリしません.これはコジュズスゲの特徴なんですが,かなり背が高く70-80cmとかある.葉よ り,花茎のほうが長い.ということでグレーンスゲが良さそう. コジュズスゲの方は,花茎よりも葉の方が長いと. |
別個体のグレーンスゲ.これが雄小穂が折れているために目立ちます. |
背が高く,葉より長いです. |
葉の付け根は膜状の葉舌があります. |
葉の色は鮮やかな緑. |
こっちは別のスゲ.オクノカンスゲでいいと思います. |
これ,根元が赤黒い.で葉が固め.似たミヤマカンスゲはもっと色が茶色いので. |
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写真もいいじゃないですか.自画自賛. 周りはミノボロスゲ,キツネノボタンなど. |
やや,また見慣れないスゲが.って言うか新種でしょう,私的に.で,平凡社の「日本カヤツリグサ科植物図譜」って言うのを端から見ていくとナガエスゲが 似ている.で,「信州の野草」を見ていくと,アイズスゲがマッチ.こ れを上記の植物図譜で調べるとビンゴ. 雌小穂の柄が長く垂れる.雌鱗片が三角形に長くとがる(ノギではない),痩果の先がくちばし状に長くとがり,花糸があとまで残る,と完璧です. |
アイズスゲ,基部は繊維状になるとのこと.そうした情報はなく撮影しておいた写真ですが,確認できました.ラッキー. |
アイズスゲ,葉は太くはありませんが,断面がM字型で柔らかいです. |
サワフタギですね.ちょうど花の時期に会えました.太平洋側に多いタンナサワフタギは鋸歯がもっと大きく,そして葉の先の方に曲がります. |
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最後はトチバニンジン.実は熟すと赤くなります.たしかに葉っぱはトチノキの葉のようですね. |