島野です.
 足を引き釣りながら,今年もフィールドに出ました.実習で強制的にですが(笑).あ,あと千曲川.で,植物はもちろんなんですが,チョウを始めとする昆虫なんかに も出会っています.いや,本当は,蛇とか色々出会ってているんですが,そっちは苦手な方もいらっしゃいましょうから,チョウを中心に,昆虫を.今年になっ てから出会ったもの紹介します.

   キアゲハです.アゲハチョウに似ますが,前羽の付け根の部分が黒いですね.これが特徴.アゲハチョウはこの部分が黄色と黒のストライプになります.
 一般のアゲハチョウはこの地域だとサンショなどのミカン科が食草になりますが,キアゲハは,セリ科植物一般が食草になります.
 この個体は,坂城町の千曲川河川敷で確認.

 ミヤマカラスアゲハです.白馬方面の湿原にて.カラスアゲハに似ますが,カラスアゲハは前羽下面の黄色い筋が,写真では一本の筋ですが,これが前方に向 かって広がり,黄色い三角形に見え,写真のミヤマカラスアゲハだとこれが広がらず黄色い筋のままです.これが外見上の特徴.
 コオニユリの蜜を吸おうとしています.なんとも信州らしい,豪華な組み合わせです.

 モンキチョウですね.黄色いです,文字通り.幼虫時代の食草はシロツメクサなどのマメ科植物です.千曲川にて.
 ちょっとぼけているのは,遠くにいた個体の,小さい写真をトリミングしているからです.

 モンシロチョウですね.食草はキャベツなどですので,農家の皆さんには害虫です.しかし,消費者の我れわれからすれば,モンシロチョウも食べ ないような農薬バリバリのキャベツより,モンシロチョウが食べたキャベツの方が安心じゃないですか?
 これも坂城町にて.千曲川河川敷.同様にトリミング.


   ギンボシヒョウモンと同定します.ポイントは後羽の部分,黒い点とは別に一筆書きの黒線がありますが,この黒線模様が大きく外側に張り出している.これ で分けていいはずです.今蜜を吸っているおはノアザミ.霧ヶ峰だったかな.

 こちらはウラギンヒョウモンです,多分.というのは,本当は,羽,特に後羽の下面を見て判断すべきなんですが,そこは見られなかったので.前羽,後羽の 上面の黒紋模様を図鑑とにらめっこして同定しました.
 今吸蜜しているのはウツボグサ. 美ヶ原かな

 ヒョウモンチョウの仲間,3種目.コヒョウモンです.後羽下面の中央部に白紋がありますね.縁とは別に.これが特徴.今吸蜜しているのはイブキトラノ オ.幼虫の食草はシモツケソウ,オニシモツケ.
 霧ケ峰にて.

 こちらはクジャクチョウ.羽の模様を鳥の孔雀(クジャク)に見立てています.幼虫の食草はカラハナソウ.
 東御の山にて.


 シジミチョウの仲間.羽の姿を貝のシジミに見立てています.で,種としてはヒメシジミかアサマシジミなんですが...決め手に欠きます.いずれにせよ, 羽下面の黄色い帯,上面の瑠璃色に黒い帯が特徴なんですが...
 物の本によると(見つけよう信州の昆虫たち),ヒメシジミは22-28mm,アサマシジミは29-33mmとなっているんですが,まさかものさしもって写真取るわけではありませんので...ま,アサマシジミは珍しく,ヒメシジミは普通なので,ヒメシジミでしょう.

 左と同じ個体です.シジミチョウは,羽を広げたとき見える羽の上面と,とじたときに見える下面の模様が,全く異なりますね.
 左の写真のように,羽の上面が青いのはオス.メスはオレンジ色です.

 セセリチョウの仲間はみんな同じに見えます(笑).ですが,これは, コキマダラセセリでしょう.多分,ですけど.スジグロチャバネセセリというのがいて,黄色い羽に写真のような黒い筋が入ります.これに似るんですが,後羽 下面に,うっすらなんですが5つの白紋があるの,分かりますか?これが特徴です.コキマダラセセリ.
 北信,ブナ林近くの草原にて.今吸蜜しているのはウツボグサ.

 ええ,トンボです.ハラビロトンボ.体が青いのでシオカラトンボかと思っていましたら,違いました.訂正.体が青いんですが,胴の部分が扁平に広いんです.で,ハラビロトンボ.オスです.オスは,成体が成熟する(時間が立つ)に従い,黒,そして青に色が変わるとか.雌は腹部が黄色で黒の横線が節につきます.

 雪国に行くと見ます,セリ科,オオハナウド.かなり背が高く,この写真の個体も1.5m位はあったでしょうか.小さな花がいくつも集まっています.でこ れをアップで観察すると,5枚の花弁のうち2枚が大きく,かつ二岐にわかれています.
 なんでこれが出てきているかというと...

  キアゲハの幼虫を発見したからでした.オオハナウドの上で.キアゲハの幼虫,食草はセリ科植物なんですが,この地域ではオオハナウドが食草になっている, と.
 近くにドクゼリもありましたが,ドクゼリはどうなんでしょうかね(笑).昆虫の中には有毒植物を食べ,自分の体に毒を持ち,鳥なんかに襲われないように するものもあると聞きますが...キアゲハは違うか(笑).

 あとはセミが脱皮しているまさにその時とか...

 まさに土から出てきて木に登ろうとしているところとかなんかを見ました.あ,写真はカナちゃんの手の上ですが(笑).
 白馬方面.

 ナナホシテントウは千曲川河川敷で.

 こちらはヒメヤママユの終令幼虫.チョウというか,ガですが.で,これ,けっこうデカイ.長さは人差し指くらいで,太さは親指.食草はサクラの仲間という事で,周辺にはウワミズザクラがありま した.
 南信は飯島.

 ラストはシロシタホタルガです.これもガ.八ヶ岳にて.食草はサワフタギなど.
 幼虫の体液はかぶれることがあるようで,危険とされています.ま,あんまり自然にちょっかい出さないほうがいいということでしょう.


 虫関係は,専門ではないので,機会がないときちんと調べなかったり,まとまりません.ただ,チョウと食草,花とチョウの関係なんかを考えると,「この植 物がいるからこのチョウがいられるんだ」という関係はあるので,生態系の食物連鎖を理解するうえで必要なことです.ヒョウモンチョウの仲間なんかはみんな 同じに見えますが(笑),写真レベルで分かるものは調べていきたいと思います.

 そんな感じで.皆さんも楽しんでください.では.


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