前日まで台風.ただ,ホテルもとってあるし,回復傾向ではあるので,松本を出発.台風の影響で,麻績あたりで高速道路は通行止め.長野まで下道.で,上越 の日本海.荒れています.この日は金沢で宿泊. |
翌日.台風一過,気持よく晴れました. |
金沢近くの海岸.内灘って言ったかな.結構良い海岸です. |
海岸に行く前に,道端の植物. カワラケツメイ.クサネムに似ていますが,クサネムは茎が中空で押すと潰れるのに対し,こちらは中実で,茎は潰れません. |
ハマニガナ.しっかり咲いていました. |
コウボウシバですね.コウボウムギに比べて葉が細い.葉の幅は半分とか1/3とかですかね.穂が付いていると,ゴツさが全然違います. |
ビロードテンツキ.これも海浜に出ます.写真の個体は砂だらけ(笑). |
オニシバです.穂がついていないと,同じく海岸で見るギョウギシバにちょっとにます.が,こちらは圧倒的に茎が太い.それと,穂がついていれば見間違える ことはありませんね. |
カワラヨモギ.砂礫に出る植物ですが,海岸にも出ますね. |
そんな感じで,いくつかの地点で環境調査をしていきます.調査地の,その時の水面からの比高,汀線からの距離.これらは時間で変わりますので, こうし たサイトを参照に補正していきます. 後は砂を採取して,粒径だとか. こんな作業をしながら,移動. |
休憩.海辺の恋人たちを目で追うH田くん. |
まあいいじゃない.人は人,自分は自分(笑). |
うん,ハタガヤですね.現場ではすぐに名前が出てこなかった. |
ハタガヤのアップ.畑に出る,という意味でハタとついていますが,海岸で見ます. |
オカヒジキですね.下手に触ると痛い. |
ハマヒルガオ.おなじみ. |
ハマエンドウ.マメ科. |
ハマゴウもかろうじて咲いていました.時期はもうすぐ終わりです. |
海浜に面した土手のようなところで,イネ科が繁茂.最初なんだろう,と思っていたのですが,チガヤだった.信州ではチガヤは田んぼの畦に出るものなので, イメージが合わなかったんですが,見ていくと,海沿いによく出ます,これ. 穂のある個体で気づきました. |
海はいいですね. |
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千里浜(ちりはま)というところ.どうも観光名所らしい.砂で創られたオブジェ.ファミコンですね(笑). |
ベニシジミがオトコヨモギに止まっていました.ベニシジミ,食草はギシギシなどとのこと. |
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ギョウギシバ.先ほどのオニシバと比べると,やはり違いますね. |
この日も暮れかかります.志賀町は富来付近.H田くん,働きます. |
貝が夕日に照らされます. もう少しやりますか? |
イガオナモミでした. |
水田雑草ですが,海の近くでも見ました.ケイヌビエ. |
これ,外来種で,オニハマダイコンというんだそうです.私も知らなくて,H田くんに調べてもらった.海辺に出ます. |
ハマアカザ. |
いや,よく働きました.今日はもう良いんじゃないでしょうか. |
ということで,宿に帰ります. |
翌日も晴れ. |
H田くん自身は,今回は基本的に植物を見ません.環境調査.私が植物の確認.こちら,ハマニンニクですね. |
ああ,はじめてみました.グンバイヒルガオ.葉の形が軍配型です.あの,相撲の行司さんが持っているやつね.温かいところの植物なので,見たことありませ んでした. 奥はハマヒルガオですね. |
スナビキソウですね.右で埋もれているのがハマニガナ.奥はハマヒルガオ,右奥がハマエンドウ. |
ケカモノハシの葉は,先ほどのハマニンニクのシャープなはに比べると柔かい感じで,毛が生えています. |
左がハマニンニク.右の穂が付いているのがケカモノハシ. |
空青くして海青し. |
海浜の切れ目.奥の背の高い者はオギ.手前のちょっと背の低いのはヨシ. |
あとですね,ツルヨシなんかも見ますね. |
で,これまた移動.珠洲市は鉢ヶ崎海岸. |
綺麗にゾーネーションができていますね.帯状分布.真ん中はハマニンニクです. |
後はオヒシバ.メヒシバに比べ穂がごつい. |
茎の下方もしっかりしています. |
レッド・リストに載るハマボウフウが出るんですが... |
これはセリ科ですので,セリ科を食そうとするキアゲハの幼虫がいました.素晴らしい. |
最後はここ.巌門.岩場の海岸植物を見ます. |
ですが,その前に.駐車場脇のツリガネニンジン. |
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何だろ,アゼガヤツリ?ちゃんと見なかった.H田くんの調査地でもないので... そういうことではイカンのですが. |
ここは礫です. |
ハマアカザですね. |
メノマンネングサ. |
貝も分かったら楽しいかも. |
ハマエノコロ.他のエノコログサの仲間に比べると,穂がころっとしていますね. |
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あとはハマボッス.これも砂場ではなく岩場とかに出ますね. |
同じく岩場に出ます,キリンソウ.ベンケイソウ科. |
うーん,私,この手の苦手なんですよね.今まで海岸できちんと調査したことがないので,経験不足.ヤブマオかメヤブマオだとは思うんですが...基部が切 形ならメヤブマオ,円形ならヤブマオとか言うんですが... |
こちらはツボクサ. |
そんなことで,ひと通りの調査が終わりました.後は砂の分析と,パソコンでのデータ整理ですね. |
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おまけ.気多大社.能登国一宮. |
H田くんはおみくじを引きますが,「今思っている人はやめておくのが吉」とか何とか(笑). |
で,石川県と富山県の県境.日本の棚田百選の「奥山田」というところ. |
文字通り,山の奥の田んぼ.水の張っている季節だったらさぞかし美しかったでしょう. |
倶利伽羅(くりから)というところなんですが,八大龍王様がお祀りされていて,堀田くんは帰省のご挨拶. |
その庭.うーん,わからん.イネ科キビ属まではいいと思うんですが,キビ自身は葉と葉鞘が有毛なはず.これは無毛なんですよね. |
その近所,倶利伽羅不動寺.有名らしいです.すいません,土地勘がなくて. |
ここ倶利伽羅は,源氏と平家が戦った有名な場所.源義仲 (木曽義仲)が平家を追っていって,平家軍は自分たちが逃げる先が崖になっていると走らず,奈落の底へ. |
その時義仲はウシ一頭の角に2本の松明をつけて大勢が追ってくるように思わせたとか.あ,夜の話です. ここに落ちたら,たしかに厳しい.なくなった皆さんが天の高いところへ帰れますように. |
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帰りは東海北陸道.飛騨高山を経由します.H田君は飛騨牛の串焼きを食べてご満悦. 私は印傳の財布が古くなったので,同じ(ような)タイプのものを買い求めました. |
野外データはみんな揃いました.後は分析,よろしく. いい卒業研究が仕上がることを確信しています. では! |