早いもので,もう一年近く経ってしまったのですが,2013年2月16日に,東京学芸大学の小泉武栄先生の最終講義がありました.
小泉先生については,今さら私からの説明は必要ないでしょう.自然地理学の大家で,山の成り立ちや,山の地形と植生の関係などで多くの研究成果を出して
こられた先生です.一般向けの書籍ですと,
「山の自然学」(岩波新書)
「日本の山はなぜ美しい」(古今書院)
「自然を読み解く山歩き」(JTBパブリッシング)
なんかが有名ですね.他にもたくさんあります.
私が太平洋型ブナ林の更新動態を研究対象として選んだのは,小泉先生の研究が大きなきっかけの一つです.太平洋側のブナ林である東京の三頭山では,親に
当たる大きなブナの木はあるのに,子供に当たる小径木や実生(芽生え)のブナが非常に少ない,と.これを原因を含めて解明したい,というのが私の研究のス
タートで,この研究で千葉大で博士号を取り,信州大学に就職できた,という経緯です.就職できるまでにはいろいろ苦労したけど(笑).
2012年の秋には,学芸大で講義をさせていただくという名誉に浴することも出来ました.小泉先生の前でブナの話をさせていただくとは,感慨無量です.
この日の最終講義では,なんと私の名前まで出てきて,びっくり.私は小泉先生の直接の弟子でもなんでもないので,いや,もったいないことです.
私はといえば,最近は,ブナ林研究からはしばらく離れ,河川,水田,湿原,海岸と,学生諸君の研究に合わせて「何でも屋」なんですが,この日は久々にブ
ナ林研究のモードに頭が切り替わりました.小泉先生のお話は,もちろんブナ林の話ばかりではありませんでしたが.
卒業生の皆さんは,この後,小泉先生を囲んでのパーティに参加.私は立川停車のあずさに乗って松本へ.嫁とバーで飲みました.
と,今回はこんなところで. | トップへ戻る