1年生の演習で,上高地・乗鞍へ.今年は私,引率当番ではないので,一番後ろでのんびり行きます.学生諸君には「私より後ろに行かない」ように告げておき ます.はぐれるとさすがに困るので.


 例によって,バスで一番奥のターミナルまで行かず,手前の大正池のところでおります.

 今日は曇り.大正池越しの焼岳ですが,登山班はあの雲の中かあ.展望聞かないだろうし,ジメジメしてるだろうし,ちょっと可愛そうかな.
 去年は私,登山組で,焼岳は快晴.展望も最高でした.
 奥穂高方面も雲の中.
 ま,ぶらぶら見て行きましょう.アイズスゲ.

 左はヤマヨモギ.普通のヨモギは葉柄に当たる部分に小さな小葉みたいのが付くんですが,これはつかない.
 右はノリクラアザミ.上の葉は鋸歯だが,下は切れ込み.

 ハルニレですね.葉の基部が不対象.で,重鋸歯.

 オシダですね.

 こんなかんじです.

 花は夏です,ハンゴンソウ.

ノダイオウですね.一見エゾノギシギシに似ていますが,葉裏主脈上はイボイボがなくてつるつる.エゾノギシギシは小さなイボイボがあり,ざらつきます.
 オニシモツケ.頂小葉ばかり目立ちますが,小さな側小葉があり,羽状複葉です.
 ベニバナイチヤクソウ.亜高山以上だと出てきますね.

 レンゲツツジ.ちょうど花の時期でした.後ろのシラカバやダケカンバの幹との色のコントラストがいいですね.
 ツボスミレ.ちっちゃくてすみません.この日は交換レンズも持っていかなかったんです.シグマの望遠ズームくらい持ってきても良かったかな.

  田代湿原です.

 よく見ませんでしたが,アゼスゲでいいでしょう.ポピュラーなものですから.

 一方コチラは田代池.あと百年もすれば,池も埋まって,みんな湿原になるかもしれません.

縦位置で取るとこんなかんじ.奥行きが出ますね.

 コジュズスゲですね.

 こちらはおなじみ,ヤマドリゼンマイ.茶色く立っているのは胞子葉.

 これは現場では判断がつかなかったので,大学に帰ってから写真で調べました.ヒメカワズスゲですね.ハクサンスゲに似るんですがヒメカワズスゲは苞がト ゲ状で葉も鮮やかな緑色をしているということで決定.

 こちらはグレーンスゲ.先ほどのコジュズスゲの花茎の部分を長く間延びさせたような印象です.

 ミノボロスゲでいいですかね.

  イグサ科.不明.ひょっとすると...いや,よくわからない.普通にイグサだったりして(笑).

 コミネカエデでいいですね.ミネカエデは左右の切れ込みがもっと大きい.

イヌザクラ.花が穂になってつくので,ちょっと他の桜と違う印象です.

 カラフトダイコンソウですね.下の葉は丸い.で,上の葉は三裂して先が鋭くとがる.ミヤマダイコンソウは丸い葉だけ.オオダイコンソウは丸い葉はありま せん.

 凍裂ですね.冬の寒い時期,幹が収縮して,縦に割れてしまったあとです.樹種はオオシラビソかな.葉を見れないと良くわかりませんが,多分そう.

 シウリザクラですね.先ほどのイヌザクラと違い,こちら葉の基部が心形です.

 ミヤママタタビ.木性のつるです.マタタビと違い,これも葉の基部が心形.

  グンナイフウロですね.花が白いので,シロバナグンナイフウロと呼ばれているものかもしれません.

 上高地のビジターセンターの向かいの空き地で,国土交通省の職員の方が,ダムの大切さを子どもたちに模型で解説.
 きっと「ダムは自然破壊」とか思われているので,イメージを変えるのに一生懸命なのでしょう.国民の生命と財産を守っているのは,ダムなんですよ,と.
 大切なのはバランスのとれた国土保全だと思います.
 頑張っていただきたい.

 クルマバソウですかね.

 ラショウモンカズラ.シソ科なので茎が四角く葉は対生.

 ズダヤクシュ.

 ハナビゼリですね.セリ科.久々に見ました.

コウモリソウ.

 こちらは,ミヤマクワガタ.クワガタソウに似ますが,ミヤマクワガタは茎からまっすぐ外に向かって毛が生えます.

 ホガエリガヤ.変わった形してますよね.一度見たら,名前は忘れることがあっても,「あ,ほら,あれあれ」となります.

 クリンユキフデ.

 クルマバツクバネソウですね.普通のツクバネソウは葉が4枚輪生ですが,こちらは倍ぐらいの枚数が車輪状につきます.で車葉.

 ミヤマカラマツが咲いていました.

 ユモトマムシグサですね.葉が脈の部分で凹みます.

コウモリソウ.さっきも出ました.なんで出したかというと...

  これ,オオバコウモリとの比較のため.

 オオバコウモリ, 葉柄の上部に翼があるんですね.コウモリソウはないです.
 ちなみにミミコウモリは,葉柄の翼が下まであって,茎を抱きます.こんなところがポイント

エゾムラサキですね.ムラサキ科.

 ちっちゃいですね.タニギキョウ.互生.
 ちなみに,遠くから見て一見似ているサワハコベやミヤマハコベは対生です.え,似ててない?失礼しました.一応まとめると,以下のようです.
・タニギキョウ 互生
・サワハコベ  対生,茎は無毛
・ミヤマハコベ 対生,茎に一列(または二列)の毛

  エゾノヨツバムグラです.葉が短いので丸く見えます.これに似た オオバノヨツバムグラの葉は長いので,写真を並べると違いがよくわかります.

 マイヅルソウですね.

 上高地を進んでいきます.

なんだこれ.セリ科だよな.まさかオオダイコンソウってことはないだろうし(笑).不明.

 ジャコウソウです.

 オガラバナ.カエデの仲間はなになにカエデとかそういう名前が多いですが,これは違いますね.

  カラフトダイコンソウもう一回.

 ウダイカンバですね.葉の基部が心形.

  テキリスゲですね.茎と葉は著しくざらついていたので.

一番先端の花穂は雄性.下の方は雌性.で,上から2番目のやつが,雄性と雌性が混じっていますね.

 テキリスゲの根元.うまく撮れなかった.

 ミヤマニワトコ.ニワトコの変種ということになっているはずです.

サワグルミ.羽状複葉.


 タガソデソウです.ナデシコ科.

  テングクワガタですね.花弁の一枚が小さい.亜高山帯に出ます.

穂高神社へ.

入園料が取られますが,中の池を拝見しましょう.あ,オマイリだけならもちろん無料.

 ゴールにはつきましたが,時間があるのでぶらぶら.ま,楽しくやってください.

 ご苦労様でした.

 あ,ちなみに,ヒロハヘビノボラズ.ミヤマシロチョウの食草.







というわけでこの日は終了.

で,翌日です.
 キバナノヤマオダマキ.可憐ですね.

梓川をわたります.

 セリ科.オオカサモチ.結構大きくなりますが,これは小さかった.

 ドジョウツナギですね.イネ科.

 ツマトリソウ.ちょうど花の時期でした.

 バイカモ.水中です.花は見られなかった.

 今日は晴れました.奥穂高.




で,乗鞍の山頂へ向かう予定だったのですが,バス会社の勘違いで(運転手さんではない),乗鞍高原へ来ることになってしまいました(笑).

まあ,しょうがないか(笑).

時間つぶし.その辺の植物でも.で,これ,アイズスゲ.

アイズスゲの雄小穂.

 同じくアイズスゲの雌小穂.このツンツンした感じが印象的ですね.

アイズスゲ,葉は細いです.

こんなかんじのタレ具合.アイズスゲでした.

 テングクワガタでいいと思うんですが,最近これに似た外来種(コテングクワガタ)もあるようです.また調べておきます.

 タケシマラン.今もユリ科でいいのかな(笑).

 アカミノイヌツゲ.名前のとおり実が赤い.

 モミジカラマツ.カラマツソウの仲間なんだけど,葉がモミジに似ているということでこんな名前.

 ヤマイヌワラビでいいですかね.

 こちらはカニコウモリ.葉が先に紹介したコウモリソウなんかに比べだんぜの大きい.これをカニの甲羅に見立ててカニコウモリ.

 チゴユリに...

 シノブカグマ...

 そしてヒロハツリバナ.

 花は4数性です.

 乗鞍で見るノリクラアザミ.正しい!下の葉は切れ込みます.

  オオバタケシマランですね.特徴は...

まずこれ,葉が茎を抱く.そして...

花茎が90度折れ曲がります.これがオオバタケシマランの特徴.

オオバタケシマラン,たった姿はこんなかんじですが,バックの緑と色が同調して,ちょっと見づらいですね.

 こちらは普通のタケシマラン.葉は茎を抱きません.

 コヨウラクツツジ.咲いていました.

 コヨウラクツツジ,葉の後ろ.主脈の上に白い,三角形の膜みたいなものがあって,これがこの仲間の特徴.

 こんなところや...

こんな滝を見て...

 吊り橋を渡りました.

 ムラサキヤシオ.ツツジです.

 明るいところへ出ると,ヒメスゲ.

 ヤグルマソウ.

オオバミゾホオズキ.

オウレンシダ.

イワデンダでいいですね.

イワデンダのアップ.白い毛が見えます.

 こんな滝も見て...

この日は終了となりました.ま,学生の皆さんはまた乗鞍の山頂を目指す機会もありましょう.その時まで楽しみはとっておいてください.

ではでは.




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