自己紹介

略歴

・本名:島野 光司(しまの こうじ. SHIMANO, Koji)
・1967年生まれ.双子座.

・都立両国高校卒業
・千葉大学園芸学部卒(農学士)
・千葉大学大学院園芸学研究科修了(修士,農学)
・千葉大学大学院自然科学研究科修了(博士,学術)(1997.3.31)

研究生を経て...

・横浜国立大学環境科学研究センターに研究機関研究員(講師)として所属(1997.10-2000.3)
・電力中央研究所 応用生物部に特別契約研究員として所属(2000.4-2002.3)
・国士舘大学 政経学部二部 非常勤講師を併任(2001.4-2002.3)
・信州大学 理学部 物質循環学科に助教授として着任(2002.4.1-)



これまで...
 ブナ林の更新,特に太平洋型ブナ林と日本海型ブナ林の更新の違いとそれに与える雪の影響などを研究してきました.

 私が学部で研究を始める頃,ブナ林の更新についてはギャップ更新理論でほぼ説明が付いていました.しかしそれは,ブナの純林(日本海型ブナ林)での話が主でした.一方で日本には太平洋型ブナ林と呼ばれるブナ林があり,ここではブナは大木として優占しながらも,他の落葉広葉樹が共優占します.

 純林状の日本海型ブナ林にくらべ,ブナ以外のいろいろな樹木が生育する太平洋型ブナ林では,ブナの個体群を追うには必ずしも適当な場所でなく,研究としては後回しにされているような状況だったのです.

 そうしたとき,東京学芸大学の小泉先生らのグループが奥多摩のブナ林(太平洋型ブナ林)において「ブナの大木は多いが,後継樹が少ない.実生も少ない」という現象を報告され,私はこの原因が何なのかに大いに興味を持ったのでした.

 小泉先生たちの仮説は,「ブナは雪の多いところで優占するので,雪の少ない太平洋側では勢力が弱いのだろう」とし,さらに「現在ある多くの大木は,200-300年前の(寒く,雪の多かった)小氷期のレリック(生き残り)ではないか」というものでした.私は自然地理学者のスケールの大きさと,「ブナは極相」という固定概念を打ち壊しかねない大胆さに大いに衝撃を受けたものでした.

 こうして,ブナが更新(世代交代)して行くにはどのような条件がよいのか,また雪がブナに好適だというのは,より詳しくみたとき,どのようなメカニズムが働いているのかを追っていくことになりました.大きな柱としては,個体群の生長にともなう密度変化(これはギャップ更新の考えです)をメカニスティックに,かつ日本全国のスケールで追っていくこと,さらに雪がブナの実生や稚樹にどのような好適な環境を与えているかを具体的に明らかにしていくことでした.

 こうしたことを明らかにしていくことが博士論文とつながり,今に至るわけです.この後,どのような経過を追ったかを,時間をみながらつづっていきたいと思います.

つづく...


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