イネ科植物の見分け方




まずはこの写真をご覧下さい。







「では、この4種類を見分けて下さい。」
そう言われたら殆どの人は穂の部分を眺めながら作業に取りかかるでしょう。
植物は一年中同じ姿でそこにいる訳ではありません。もし仮に葉だけの時期に同じ質問をされたら?



花や穂が出ている場合、イネ科植物の同定はさほど難しくない(らしい)のですが、顕著な手がかりの無い時期に種類を見極めるのは至難の業。
そんな時の為のイネ科植物の見分け方をまとめようと思います。

注目すべき点は2つ。


1.葉の付け根に筒状の膜(葉舌)があるか?
あるとしたらそれは長いか?短いか?

2.葉の付け根にふくらみ (葉耳) があるか?
この部分の毛の量は多いか?少ないか?


この二点にさえ注目すれば例え葉と茎だけという状態でも見分けられるようになるそうです。
ただし葉舌は脱落しやすいので有無を調べる時は慎重に!






因みに、上の写真の植物はむかって左からそれぞれ次の通り。


ナガハグサPoa pratensis  
イネ科ナガハグサ属
葉:葉舌有り。短い。
ヨーロッパ原産の多年草。牧草として移入されたものが野生化している。
葉は細長い。花期は初夏〜夏。


オニウシノケグサFestuca arundinacea  
イネ科ウシノケグサ属
葉:葉舌無し。
ヨーロッパ原産。牧草利用や緑化目的の為に用いられる。
同属のヒロハウシノケグサとの中間型が発見されている。



ノゲイヌムギBromus sitchensis  
イネ科スズメノチャヒキ属
葉:5mm程度の葉舌有り。
南米原産。花期は4~7月。
穂の一つ一つが扁平であるため他の同属との区別がしやすい。



カモガヤDactylis glomerata  
イネ科スカモガヤ属
葉:〜1cm弱の葉舌有り。
南米原産。花期は4~7月。
北米原産の帰化植物。別名オーチャード・グラス。
鴨の首のような緑色が特徴。花粉症の原因にもなる




しかし見分け方を習得しても、まずは種類を覚えるだけでもなかなか大変です。





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