トチノキ







トチノキTrifolium campestre  
トチノキ科トチノキ属
葉:掌状複葉、対生。鋸歯あり、葉の縁は波打つ。
落葉生の高木。温帯の落葉広葉樹林帯では最大級の葉(50cm超)を持つ。
幹も1mを超える太さにまで成長するため、巨樹に育つことも少なくない。
秋に直径4cm程の実をつける。中部地方の山村ではこの種子をアク抜きし粥やトチモチに加工して食べる。






滝平二郎氏作の絵本「モチモチの木」でもお馴染みのトチノキ。
その種子からトチモチを作るのには大変な手間がかかります。
簡単な手順は以下の通り。


  1. 灰汁作り…ウバメガシやミカンの槇を燃やして灰にし、わらと布を重ねた上に灰を敷く。その上から熱湯をかけ、わらの下からしみ出した灰汁を採取する。
  2. 実を屋外でよく乾燥させる。(保存を利かせる為)
  3. 熱湯で実を戻し、皮を剥く。
  4. 流水に7日間ほどさらす。
  5. 鍋で2〜3時間煮たあと、熱した灰汁にひたして2日ほど放置する。
  6. 水洗いし餅米と合わせて蒸す。蒸し上がったらつき、餅にする。



あく抜きの段階が最も難しく、ここで失敗すると「不味くてクマも食べない」程の味になってしまうそうです。
今となっては各地の山村でも殆ど作られないとか。伝統と近代化との兼ね合いって難しいなぁ。





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