信州大学松本キャンパスで見かけた食べられる草木
農学部森林科学科 本保浩太

松本キャンパスには様々な樹木が植えられています。しかも中には実を食べられるものもあるのです。
明日から食べる物がないという人はぜひ参考にしてください。

これはトチノキで す。その天狗の団扇のような、掌状に七つに分かれた大きな葉が特徴です(掌状 複葉)。ト チノキ科トチ ノキ属の落葉高木で、主に冷温帯の山地に自生します。実を食すには高度な渋抜きの技術が必要ですが、江戸時代にはトチノキが飢饉の際には貴 重な食料となる ため、植林を奨励する藩もあったそうです。渋抜きした実と餅米をいっしょに炊いた栃餅が有名です。  


これはアンズで す。バラ科サクラ属で葉は互生単葉鋸子。中国原産です。サクラ属だ けあってか、 花は とても美しいらしい(四月上旬ごろに開花、撮影できなかったのが残念)ですが、幹はゴツゴツしていて虫がつきやすいです。果実は生食はもちろん、ジャム等 に加工したり、果実酒にも適しています。長野県では千曲市がアンズの里として有名ですね。




これはザクロで す。ザクロ科ザクロ属で幹がすべすべしているのが特徴です。原産地 は南西アジア です。食用だけでなく、花も美しいため、園芸用として広く好まれています。
果実は甘酸っぱく、主に生食や料理に用いられます。最近では美容に良いと若い女性に人気があります。


これはカリンで す。バラ科ボケ族で、中国南西部原産です。バ ラ科の例に漏れず、4〜5月には五枚の花弁を持つ淡いピンク色の花が咲きます。果実は熟すと10〜15センチにまでなり、独特の芳香を放ちますが、実がと ても固く渋いので生食では食べられません。主にハチミツ漬けや、果実酒にして利用します。長野県では、諏訪市はカリンの里と呼ばれるほどカリンの生産量は 多いですよ。
これはカヤで す。イチイ科カヤ属で針状の鋭く尖った葉が特徴的。比較的似ている イヌカヤとは葉 の裏の色で区別できます。種子には独特のエグ味がありますが食用で、エグ味を消すために煎ったりアルコール漬けにして食べるそうです。また、材木としては 一級品で、主に将棋盤や碁盤などに用いられます。
これはビワで す。大きなネクタイのような葉が特徴的。バラ科ビワ属で、中国南西 部が原産地。ビ ワというと南国のイメージがありますが、バナナ等とは違いある程度の耐寒性を持つので、長野県のような寒冷地でも生育できます。寒冷地では結実しにくいで すが、果実は生食やジャム、ゼリー等にも加工されます。
これはオランダイチゴ、 私たちが普段イチゴと呼んでいる種です。イチゴまでキャンパスに生えて いるなんて‥‥さすが信大。バラ科イチゴ属。オランダイチゴは栽培 種で、江戸時代にオランダから輸入された事からこの名前が付きました。生食はもちろん、 ジャムに料理にお菓子にと広く利用されています。
これはウメで すね。バラ科サクラの落葉樹です。同じサクラ属のアンズ とは果実や葉がよく似て います。日本の固有種と思われがちですが、中国東部が原産で、飛鳥時代後期に日本に輸入されたと考えられています。四月上旬に白、または赤色の美しい花を つけます。アンズやモモと違い、熟しても甘くならず酸味が強烈なため生食には向きませんが、まだ熟していない青梅で作る梅酒や、熟した果実を塩漬けにして 乾燥させた梅干し等、ウメの果実は日本の食卓には欠かせませんな。
感想
今回紹介した植物以外にも、食用の植物は沢山いました。
また、普段私たちが目にするのは植物の食用の部分だけですが、植物全体を今回見る事で私たちは生命から命を頂いて生きているという事をあらためて実感しま した。






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