植物生態学ゼミ 印象に残った植物をまとめて みました

繊維学部 応用生物学系 石川 浩章

 ヤマボウシ:ミズキ科ミズキ属 対生‐単葉‐全 縁 
 とても美しい花をもつヤマボウシですが、花に当たる部分は中央の小さい実のようなものが集まっている1つ1つがそうで、花びらに 見える場所は蕚と呼ばれる部分です。実は秋になると赤い実を熟成させ、食用にもなります。  
 ハナミズキ:ミズキ科ミズキ属 対生‐単葉‐全縁
 北米原産で通称アメリカヤマボウシ ヤマボウシ同様 4つの蕚弁に小さい花が集まっている形をとっています。写真 のハナミズキは撮った時期が遅かったせいか蕚に赤みがかってしまっていますが、白以外にも淡紅、紅色の蕚弁を持つものも存在します。蕚弁が白いとヤマボウ シにかなり酷似してい ます。
 
 この上の2種類はハナミズキが淡紅、紅色であれば見分けるのに問題ありませんがハナミズキの花が白だっ た り、開花時期が過ぎてしまったりすると花で区別ができなくなります。そういう時は葉の裏側で判断します。





 これはヤマボウシの葉です。この葉の特徴は真ん中の葉の筋(主脈)から分かれた筋(側脈)が先端に向 かっている平行脈という構造をしていますが、よく見る と下から4番目の脈の分かれ目に茶色の部分がありますが、これはこの部分に毛があり、それが茶色くなっているためです。
 一方これはハナミズキの葉ですが、ヤマボウシと同様に平行脈の形をとっていますが、分かれ目に毛がない た めそこが無色になっていることが分かります。
 このように葉のつき方や特徴が花の咲かない時期などで判別に大きく役立つことを実感しました。
 コデマリ:バラ科シモツケ属 互生‐単葉‐鋸歯
 中国原産で白い五弁花をつける。その花が一か所に集 まって毬のような形をとっていることからこの名前が由来しています。強健で土質を選ばない性質で園芸用に栽培されたりする。
 花言葉には「友情」の他に「伸び ゆく姿」というのがあり、花の集まり方や強健な性質が反映されていることが分かります。
 ヤマモミジ:カエデ科カエデ属 対生‐単葉‐切れ込み鋸歯
 一般に日本人には紅葉と聞くとこの葉のことだと 思いますが、実際紅葉というのは木の葉の赤や黄色に変わったものをさしているので、皆が思い浮かべる紅葉というのはカエデの別称であり、紅葉という植物は ありません。写真を見ても分かるようにプロペラ上のも のが実であり、ポプラの実のようにくるくると回りながらゆっくりと落ちる性質を持ち、風によって遠くへ飛ぶ風散布性の植物です。
 オニノゲシ:キク科ノゲシ属 互生‐単葉‐切れ込み鋸歯
 外来種で葉の縁の鋸歯が多く鋭いのが特徴です。花は黄色く、キク科なので集合花です。特にキレイという訳ではないのですが、葉を口にくわえると勇気の証 を手に入れることができるらしいので一応教えときました。
 テッセン:キンポウゲ科クレマチス属 対生‐三出複葉‐全縁 
 中国原産のつる植物で針金のように強いことからテッセン(テッセン)と名付けれています。日本原産にカザグルマというよく似た植物がいますが、この違い が、テッセンの蕚弁(紫 の部分、花ではない)が普通6枚、カザグルマでは普通8枚だそうです。この写真では蕚弁が8枚になっていますが、そうである場合が多いというだけで、この 花を育 てている大家さんもテッセンと言っていたのでテッセンとして紹介しました。
 茎の強さにちなんでか花言葉の1つが「しばりつけるもの」という意味を持つそ うです。
 
 ザクロ:ザクロ科ザクロ属 対生‐単葉‐全縁 
 西アジア原産で赤い5弁花を持ち、ご存じ実が食用で飴の原料に使われているものがあることで有名です。材質 も硬く柱に用いられたり、樹皮が駆虫剤に使われるなど木全体が使用され、無駄のない木のように思えます。
 スペインの国花でもあるようですが、花言葉の1つが 「愚かさ」とは・・・不憫。
 ヒレハリソウ:ムラサキ科ヒレハリソウ属 互生 ‐単葉‐全縁 
 筒状の紫がかった白い5弁花で、下向きに咲いている所にしおらしらを感じさせる植物(再生能力は強い)。根や葉が抗炎症や骨折を治す作 用があるとかで健康食品として売られていましたが、食べ過ぎると中毒を起こす為に発売を禁止、その後摂取すると肝障害を起こすことも報告され毒であること が分かったそうです。
 ちなみに学名はSymphytum officinale  属 名に当たる前部分は「癒合する」、種小名に当たる後部分は「薬用の」という意味ですが、実際はその逆だと思うと、なんとも残念な植物である。
 




ƒgƒbƒv‚É–ß‚é