工学部情報工学科
村仲 渉
私の住んでいる長野県木曽郡木曽町福島で見ることができる植物を紹介します。
木曽五木
江戸時代に尾張藩によって伐採が禁止されたヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキの5種類の樹木で、
「檜一本首一つ、枝なら腕一本」言われ、伐採した者には厳しい処罰が下されていたそうです。
また、木曽節の中にも
木曽のナー 中乗りさん
木曽の名木 ナンチャラホイ
ヒノキにサワラ ヨイヨイヨイ
ネズにー 中乗りさん
ネズにアスヒに ナンチャラホイ
コウヤマキ ヨイヨイヨイ
と歌われています。
木曽五木の写真は木曽福島駅付近に観光目的で植樹されていたものを撮影しました。
ヒノキ(学名:Chamaecyparis obtusa)
麟片状の葉をもち、葉裏にY字状の気孔帯が目立ちます。
古くから建築材として用いられてきました。
現在では伊勢神宮で20年毎に行なわれる式年遷宮として木曽ヒノキが使われています。
サワラ(学名:Chamaecyparis pisifera)
ヒノキに似た外見です。
木材は柔らかいので柱等には使わず、水気や湿気に強く、桶やひしゃくに用いられます。
ネズコ(クロベ)(学名:Thuja standishii)
赤褐色で艶のある樹皮を持ち、葉は鱗状葉、春に藍色の雌雄異花を咲かせます。
正式にはクロベと言いますが木曽ではネズコと呼んでいます。下駄や民芸品に用いられます。
アスナロ(アスヒ)(学名:Thujopsis dolabrata)
樹皮は薄く縦にはがれます。葉は対生で、麟片状。
漢字で書くと「翌檜」と書き、檜とよく似ていることから「明日(は檜に)なろ(う)」という意が込められています。
コウヤマキ(学名:Sciadopitys verticillata)
樹皮は若いうちは赤褐色でのちに灰褐色に変わります。枝は長枝の先端部に多数の短枝が輪生。
高野山に多数生えていることが名前の由来。
悠仁親王のお印。
木曽福島でみられる植物
木曽福島で観察できた植物を紹介します。
コシアブラ(学名:Acanthopanax sciadophylloides)
掌状複葉で小葉が5枚あります。
撮影した時期が夏なのでもう葉は大きいですが、春先の若葉は独特の香りがあり、てんぷら等で食べることができます。
木曽郡の南の地方ではコンテツと呼ぶ地方もあります。
タラノキも紹介しようと思ったのですが…近所の山にある数少ないタラノキは食用として採集されていました。
ヒメジョオン(学名:Erigeron annuus)
木曽福島でも見ることができました。
イカリソウ(学名:Epimedium
grandiflorum var. thunbergianum)
葉は複葉で、赤紫色の花を咲かせます。4枚の花弁が碇に似ていることからその名前がつきました。
数年前の春に携帯電話で撮ったものなので画質が粗悪ですみません。
おまけ
父が趣味で栽培している植物ですがあまり有名ではないようなので紹介します。
ウチョウラン(学名:Orchis graminifolia)
草丈5〜20cmの多年草で、自然界に自生しているものは通常紅紫色の花を持つが、愛好家により交配され、多くの形、色をした花をつける。
現在自生しているものは少なく、絶滅危惧U類に指定されている。