植物生態学ゼミレポート

理学部 生物科学科
武藤清明

信大のキャンパス内で見つけた植物(殆ど雑草)の特徴と見分け方を少し紹介したいと思います。




葉耳 葉舌
イネ科の植物には葉耳と葉舌と呼ばれる部分があり、
ここに注目すると種類の判別に役に立つことがあります。

イヌムギの穂 イヌムギの実 イヌムギの実のスケッチ
イヌムギ(イネ科)
・南アメリカ原産の外来種
・葉舌は5mmほどで葉耳も多少あり葉鞘に多少毛が生えています。
・実は縦に長く、ささかまのような特徴的な形をしています。
・イヌムギのイヌは動物の犬ではなく、否定の否からきているのだそう。




カモガヤ カモガヤのスケッチ
カモガヤ (イネ科)
・オーチャードグラスとも呼ばれる。ヨーロッパ原産の牧草。
・葉舌は5mmほどあり葉耳もある。
・クリスマスツリーのような穂の付き方が特徴的。
・毛はないが全体が白っぽい。
・花粉症の原因となることもあるらしい。




時期が時期だけにしおしお…
ウマノチャヒキ(イネ科)
・ヒゲナガスズメノチャヒキに似るが毛が少ない。
・あんまり自信ない。枯れかけてるし。

(島野注:ヒゲナガスズメノチャヒキ、ですね)



特徴がないから断定できない・・・
オニウシノケグサ (イネ科)
・あまり特徴がないのが特徴らしい(島野先生談)
・穂がつぶつぶしてる

(島野注:ホソムギかネズミムギのようです。オニウシノケグサは別)


風になびく穂がきれい
ナギナタガヤ(イネ科)
・穂が薙刀のような付き方をする
・のぎが白っぽい
・裸地によく生育するのでグランドカバーとして利用されるらしい




ムギっぽくていいよねムギ
ムギクサ(イネ科)
・ムギそっくりの見た目
・だけど実が詰まってない




ねーこーじゃーらーしー
エノコログサ(イネ科)
・俗に言う「ねこじゃらし」
・穂が垂れるものはアキエノコロという別種




じゃーらーじゃーらーしー
ムラサキエノコロ(イネ科)
・のぎが紫色になるねこじゃらし
・他はエノコログサと同じ

(島野:うーん)


おもしろい形だよね
コバンソウ(イネ科)
・独特な穂の形をしている
・地中海沿岸を原産とし、観賞用として日本に渡ってきた。




最初ずっとイネ科だと思ってた
アオスゲ(カヤツリグサ科)
・イネ科のように見えてイネ科じゃない草
・カヤツリグサの仲間は主に湿地に生える

(島野:うーん、クサイのように見えるが...)


ちくちくとげとげ 花の色はきれいなのに…トゲがこわい…
アメリカオニアザミ
・アメリカとつくのにヨーロッパ原産
・全体的にトゲが固く、触るとかなり痛い




いつでもこんちわの業界です
セイヨウヒルガオ(ヒルガオ科)
・ヒルガオというけど朝から夕方まで咲いてます。
・ちなみにこの写真は朝6時に撮りました。




種は濡れるとネバネバくっつくらしい
オオバコ(オオバコ科)
・踏みつけられることに適応したけなげな草
・葉は食べると体にいいらしい




背が高いですね
ヘラオオバコ(オオバコ科)
・ヨーロッパ原産
・全体的に毛が生えていて葉が縦に長細い
・オオバコよりも花茎が高く伸びる




おったち!おったち!
オッタチカタバミ
・茎が立つ種類のカタバミ
・分かりやすさ優先すぎるこのネーミングセンスはすごいと思う
・信大のキャンパスではオッタチカタバミばかりでおったたないカタバミがいませんでした。




ジョオンだったりシオンだったり ジオンだったりまぎわらしい
ハルジオン(キク科)
・ヒメジオンとよく似てる
・ヒメジオンと違い下向きの花も付く
・茎が中空である
・葉の付け根が茎を抱く托葉という構造がある。(右写真)

(島野:葉の基部が茎を抱きますが、托葉ではないですね。)
しかもみんな似てるまぎらわしさ でも判別難易度は野草入門レベルらしい…(先生談)
ヒメジオン(キク科)
・茎が詰まっている
・托葉がない
・花が常に上を向く

(島野:托葉ではありません。で、左の写真はヒメジオンですが、右のはハルジョオンではないでしょうか)


なんとも雑草然とした姿
エゾギシギシ(タデ科)
・和名は漢字で羊蹄と書くらしい
・なんでギシギシという名前になったのか謎な草
・酸っぱすぎて歯がぎしぎしするからだろうか




観葉植物に見えなくもない
イタドリ(タデ科)
・スカンポともいう、茎は食べられなくもないがとっても酸っぱい。
・テンプラにしてもまだ酸っぱい
・でも赤い葉脈はすこしきれいだと思う




マムシってなんかこわい名前だよね しましま模様がまたなんとも
マムシグサ(サトイモ科)
・伊那キャンパスの演習森のに生えていました。
・名前の由来は土から出たばかりの芽がマムシのしっぽに似ていることから。
・この草の汁を舐めると舌がビリビリと痺れるので物好きか罰ゲーム以外で食べない方がいいと思う。
・毒かもしれない。




どーだんです
ドウダンツツジ
・春にぼんぼりのような小さな白い花を咲かせる花木
・撮影した時期の都合で花がついていないのでオマケを追加しました。
シュート上から シュート横から
このドウダンツツジの枝にはシュート構造がみられます
シュート構造とは植物が効率よく空間と日光を利用する為に形作る構造で短枝と長枝からできています。
短枝からは比較的大きな葉が展開し、その間を埋めるように伸びた枝の先に比較的小さな葉が展開します。
一見するとただ新芽が伸びてるだけのように見えますが、短枝長枝は共に新芽なのです。
植物の何気ない姿にもちゃんと機能の備わった構造があるんですね。

どーだん花
また、ドウダンツツジの特徴的な花は花粉が雨にぬれるのを防ぐと同時に
花に入ってきた虫が確実にめしべに接触するための構造になっているのだそう。
ちなみにこの花は5枚の花弁が融合してできたそうです。


以上で信大のキャンパス内で見つけた植物の紹介は終わりです。
ゼミが始まった当初デジカメを持っていなかったので写真を撮れずに
時期が終わってしまった植物が多々ありさみしい限りです。。。
ノミノツヅリ、ミミナグサ、ハコベのナデシコ科達や
イヌノフグリのようなゴマノハグサ科達は来年の春まで会えません…。

まだ紹介しきれない植物があるなんて
なんだかんだで随分沢山の植物の名前を勉強したんですねぇ…しみじみ。

しかしタグALL手打ちは辛いよ…。