植物生態学 ゼミ

農学部食料生産科学科  上野 祥代

シロツメクサ(白詰草)
マメ科
シャジクソウ属
学名:Trifolium repens
repens:匍匐(ほふく)する
Trifoliumはラテン語の「treis(三)+folium(葉)」が語源だそうです
別名:クローバー、ウマゴヤシ(馬肥やし)

開花時期は4〜10月頃
原産地はヨーロッパで明治に渡来した
茎は地上を這っていて、葉の柄より先に花をつける
また葉がアカツメクサに比べて丸っこい
アイルランドの国花に指定されています

四つ葉のクローバーは四つ葉の形が十字架に似ていることから幸運のシンボルとなったそうです

アカツメクサ(赤詰草)
マメ科
シャジクソウ属
学名:Trifolium pretense
pretense:牧場に見られる
別名:ムラサキツメクサ

シロツメクサによく似ていて花の色が赤紫色です
ですが、シロツメクサに比べると大きさが大きく、毛も生えています
葉はすこしとがっています
また茎は立ち、葉のすぐ上に花が咲きます
開花時期は5〜10月頃
原産地はヨーロッパでシロツメクサと共に牧草として明治に渡来
デンマークの国花に指定されています

咳止めや口内炎の痛み止めに効き、服用すると気管支炎や湿疹に対する治療効果があるとされるため実用的なうがい薬として使用できるそうです



ハナミズキ(花水木)
ミズキ科
ミズキ属  ヤマボウシ亜属
学名:Cornus florida
florida:花の目立つ、花の充満した
Cornusはラテン語の「cornu(角)」が語源で、材質が堅いので
別名:アメリカヤマボウシ

樹皮は灰黒色で葉は楕円形の落葉高木
白や薄いピンクの花弁状の総包片をつける
開花時期は4月〜5月頃
実は複合果で赤く熟す
原産地はアメリカ(ヤマボウシと違い外来)

ヤマボウシ(山法師、山帽子)
ミズキ科
ミズキ属  ヤマボウシ亜属
学名:Cornus kousa
kousa:昔の箱根の方言でヤマボウシを“クサ”と呼んだことから
別名:山桑(やまぐわ)

高さ5〜10mの落葉高木です
葉は対生で楕円形または卵円形、全縁でやや波打ちます
平行脈で葉脈の分かれ目に毛があります(ハナミズキには毛がありません)
白い花弁のように見えるものは総包片で、中央の黄色い球状になっているものが花
開花時期は5〜6月頃
秋には実をつけ、実は赤く熟します
果肉は柔らかくてマンゴーのような甘さがあるそうです
ハナミズキによく似ていますが咲く時期が一ヶ月遅く、花の先端がとがっています
“山法師”の名は中央の丸い花が坊主頭、4枚の白い総包片を白い頭巾に見立てて比叡山延暦寺の“山法師”になぞらえたそうです

ウメ(梅)
バラ科
サクラ属
学名:Prunus mume
mume:ウメ
Prunusはラテン古名の「plum(スモモ)」が語源
別名:好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、匂草(においぐさ)など

花弁は5枚で、とても良い香りの白い花を咲かせる
幹がゴツゴツしており、短枝が枝となる
開花時期は2〜4月頃
原産地は中国
遣唐使が持ち帰ってきたらしい
漢方では燻し蒸すことで真っ黒になった実を烏梅(うばい)と言い、健胃、整腸、駆虫などの効果があると言われています
ですが、バラ科の葉や未成熟の青い果実、核の中の種子を食べてしまうと痙攣や呼吸困難、さらには麻痺状態になって死亡すると言われています

ザクロ(柘榴)
ザクロ科
ザクロ属
学名:Punica granatum
granatum:粒状の
Punicaはラテン語の「punicus(カルタゴ)」が語源
カルタゴとは今のチュニジアあたりのことだそうです

がくと花弁は共に6枚
若葉は赤い
赤い理由は葉緑素が十分に形成されていない若葉を“アントシアニン”が日差しから守るサングラスのような働きをするから
開花時期は6〜7月頃
実は秋に熟し食べることができます
実を煎じた液でうがいをすると扁桃腺炎に効き、陰干しした花や実を煎じて飲むと下痢止めになるそうです(ただし副作用が強く最近は利用されていない)
原産地はイラン東部から北インドのヒマラヤ山地

種が多いことから昔からアジアでは子孫繁栄と豊穣のシンボルだったそうです
また、紅一点という言葉は中国の王安石という詩人が林の中で咲くザクロの花が目立っていために詠んだ詩から出た言葉
ザクロの味は人肉の味に似ているそうです

コデマリ(小手毬)
バラ科  シモツケ亜科
シモツケ属
学名:Spiraea cantoniensis
cantoniensis:中国広東地方の
Spiraeaはギリシャ語の「speira(螺旋、輪)」が語源
別名:スズカケ

枝が弓状に垂れ下がる落葉低木
花弁は5枚で小さく白い
小さい花が毬(まり)のように丸くなるため“小さな手毬”→“小手毬”となった
開花時期は4〜5月頃
生け花の材料や茶花として利用される
原産地は中国

マツバギク(松葉菊)
ツルナ科
マツバギク属
学名:Mesembryanthemum spectabilis
spectabilis:壮観の、美しい
Mesembryanthemumはギリシャ語の「mesembria(正午)+anthemon(花)」が語源
日の光を受けて花が咲く習性に由来している
別名:ラプランサス、サボテンギク(仙人掌菊)

園芸用の多年草
互生、単葉、全縁の多肉植物
葉が分厚く肉質でざらざらしていて、乾燥に強い
棒状で体積の割には表面積が小さい
地を這うように広がる
花弁は紫色で日中は開いていて夜になると閉じる
開花時期は4〜8月頃
原産地は南アフリカ

ゼラニウム
フウロソウ(風露草)科
テンジクアオイ属
学名:Pelargonium zonale
Zonale:環状の紋のある
Pelargoniumはギリシャ語の「pelargos(コウノトリ)」からきている
理由は実の形がコウノトリの嘴に似ていることからだそうです
別名:テンジクアオイ(天竺葵)

がくと花弁は5枚
花の色はいろんな色がある
原産地は南アフリカで江戸時代にオランダから渡来
昔“ゼラニウム属”に属していたためその名前をそのまま使っているそうです

カラー
サトイモ科
オランダカイウ属
学名:Zantedeschia aethiopica
aethiopica:エチオピアの
Zantedeschiaは19世紀のイタリアにいた植物学者の名前
別名:オランダカイウ(和蘭海芋)、カイウ(海芋)、カラーリリー

多年草です。
花弁のように見える部分は苞(仏炎苞)で中に棒状のもの(肉穂花序)があり、それが花です
また雌花と雄花がある
開花時期は5〜7月頃
原産地は南アフリカで江戸にオランダから渡来

花の形が修道女の襟(カラー)を連想させるからそう名付けられたと言われているそうです。
和名がオランダカイウとなっているが原産地がオランダなわけではない
“海芋”とは“海を渡ってきたサトイモ”という意味
葉や茎にシュウ酸カルシウムの有毒成分を含むそうです




トップ に戻る