植物生態学ゼミ 〜パッと見てわかるキャンパス内の植物〜 信州大学 松本キャンパス内にある、僕が衝撃を感じたものや、 個性が強いと感じた植物を紹介していこうと思います。 春〜夏にかけて植物生態学ゼミで観察したものです。 |
理学部 生物科学科 小松 祥秀 |
|
|
【アカマツ Pinus densiflora】 全学教育機構をちょっと南側に進んだら見つけることができる! アカマツ。マツ科マツ属の常緑針葉樹で、二葉松(葉が2枚ずつつく)である。 名前の通り、樹皮が赤い。(左 図)クロマツと非常によく似ているため、比較されることが多い。 クロマツよりも葉が柔らかいため、「雌松」とも呼ばれる。 クロマツとは対照的に、内陸に存在していることが多い。 また、アカマツの林にはマツタケが生えるが、クロマツの林にはマツタケが生えない。 |
|
【ク
ロマツ Pinus thunbergii】
松本キャンパス東入口に進んでいくと、右側に見える クロマツ。マツ科マツ属の二葉松である。 樹皮が黒いためクロマツと呼ばれる。また、葉がアカマツより硬いことから、「雄松」とも呼ばれる。 基本は海沿いに植えられ、防砂林として役立っている。潮風から遠ざかるようにして成長していくため、 ぐちゃぐちゃな方向に伸びていく。そのためか、松本キャンパス内のものはまっすぐ伸びている。 |
|
【ス
トローブマツ Pinus
strobus】
理学部A棟の正面入り口の左側にある ストローブマツ。マツ科マツ属の五葉松(葉が5枚ずつつく)である。 もともとは北米原産のマツで、寒い所にしか生えない。日本では北海道など。 しかし、長野にはストローブマツの植林地もある。 樹皮は灰褐色色。葉も、実も、他のマツに比べて長い |
|
【ドウダンツツジ Enkianthus perulatus (左)】 【サラサドウダンツツジ Enkianthus campanulatus (右)】 (左)キャンパス内で、春は嫌でも見かける。 (右)家の周りの庭にて育てられていた。 どちらも互生、単葉、全縁の落葉広葉樹。先端に固まって葉をつける。 ドウダンツツジは、生物学基礎実験にて、シュート構造を学ぶために用いられた。 花はどちらもつぼ型(釣鐘型?)で、合弁花である。 この形は、ハチを花の中にいれて、花粉を体につけさせて運んでもらうためにできたものである。 ドウダンツツジには裏面主脈状に白い毛があるが、これが見分けるポイントにもなる。 花がピンク 主脈状に茶色い毛 ← サラサドウダンツツジ 花が赤色 主脈状に薄い毛 ← ベニドウダンツツジ
|
|
【ヤマボウシ Benthamidia japonica
(左)】
【ハナミズキ Benthamidia florida (右)】 図書館のまわりで見られる。花がついてればすぐにわかるはず! どちらも対生、単葉、葉は全縁のような鋸歯。 花弁に見えるようなものは、実はがくで、花は真ん中の部分に集合花 として存在している。 裏表共に毛があり、裏には黒褐色の毛が存在している。 果実は食用。 ハナミズキは別名 アメリカヤマボウシ |
|
【ク
ワ Morus】
西口に向かう際に左側にある カイコの餌として有名な植物。互生、単葉、鋸歯 若い葉には荒い切れ込みがみられ、生長した葉はハート型になってい る。 葉がとても大きく、大人の手のひら大のものが多い。 実は甘くとても美味しい。白い色から徐々に黒い色になっている。黒 くなったら熟した証! |
|
【オオモミジ Acer amoenum】
旭会館の横でみられる。 僕がこの大学に入ってからずっと気になっていた植物。 はやいうちから赤く、変な植物だと思っていたが、これは植木屋さんの配慮で、 夏でも紅葉が見れるように品種改良したものだそうだ。 対生、単葉、5〜7の深い切れ込み 学内にはこの他にも様々なモミジに似たようなものを見ることができるが、 オオモミジの特徴は、鋸歯がそろっていることである。 |
|
【ア
メリカオニアザミ Cirsium vulgare】
総合健康安全センターの近く キク科の二年草。アメリカと名前についてるが、ヨーロッパ原産。 種は綿毛で、花は6月に咲いている。 茎には翼があり、全体的に棘がある。 触るとものすっっっっっごく痛い。 少し怖い。 |
|
【シナノキ Tilia
japonica】
西門。 シナノキ科シナノキ属。本種は日本特産種。 長野県の古名である「信濃」は、シナノキを多く産出しているとこからきたらしい。 葉は鋸歯で先がとがっているのが特徴(中央図)。また、花には翼がついており(右図)、 風に運ばれる際に、少しでも滞空時間を長くするためについている。 |