信州大学内の植物

理学部物質循環学科  佐藤桃子
今回は植物生態ゼミで観察した植物のいくつかを紹介します。
が広葉 樹、が 針葉樹、が草本で す。


ヤマボウシ

ミズキ科ミズキ属  対生・単葉・全縁
ミズキ科の落葉高木。
葉脈が葉の縁辺に沿うように回り込むのが特徴。
花は中央の緑色の部分であり、花弁のような白い部分は総苞片。
果実は集合果で9月頃に赤く熟し、直径1〜3センチで球形。食用になる。
庭木などにも利用されるが、山の谷筋などに自生する樹木。
和名は山法師であり、白い総苞が白いずきんをかぶった山法師を
連想することから付けられた。



ハ ナミズキ

ミズキ科ミズキ属 互生・単葉・全縁
ミズキ科の落葉高木。別名アメリカヤマボウシ。
北アメリカ原産。花期は4月下旬から5月上旬で
白や薄いピンクの花をつける。
庭木のほか街路樹としても利用される。
今,日本に根付いているハナミズキのルーツは
1915年(大正4年)に桜の返礼としてアメリカから
東京市に贈られたものだといわれている。




ア セビ

ツツジ科アセビ属 互生・単葉・鋸歯
ツツジ科の常緑低木。
馬酔木と書いてアセビと読み、馬が食べると
酔ったようになるからだという
有毒植物であり、多くの草食ほ乳類類は食べるのを避け、
食べ残される。そのため、草食動物の多い地域では、
この木が目立って多くなることがある。
やや乾燥した環境を好み、尾根筋などによく生える。





ユ キヤナギ

バラ科シモツケ属 互生・単葉・鋸歯
バラ科の落葉低木。別名コゴメバナ
地面の際から枝がいく本にも枝垂れて、小さな葉をいくつもつける。
3〜月に白色の小花を枝全体につける。そのさまから和名がついた。
別名のコゴメバナは小花を米に見立てたもの。
コ ウヤマキ

コウヤマキ科コウヤマキ属(一科一属) 輪生・単葉・針状
コウヤマキ科の常緑高木。
世界三大造園樹、木曽五木のひとつ。
悠仁親王のお印でもある。
材木としては丈夫で朽ちにくく、水に強いなどの特性から、
古代から高級な棺や水桶、橋杭などの材料として多く
使われている。





カラスノエン ドウ

マメ科ソラマメ属 互生・羽状複葉・全縁
全国の路傍や堤防など、いたるところにごく普通に
生育している。
羽状複葉の先から巻きひげを出す。葉柄の基部にある托葉に、
黒斑があるのが特徴。
3〜6月に、エンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。
スズメノエンドウと似ているが、こちらの方が大型で、
花も少数である。
スズメノエン ドウ

マメ科ソラマメ属 互生・羽状複葉・全縁
カラスノエンドウより小型なので、カラスに対してスズメを
名前にあてた。
道端や畑に普通に生える。羽状複葉の先は巻きひげになる。
カラスノエンドウと比べて、スズメノエンドウの方が花数は多いが、
ひとつの豆果実の中に入っている種子の数が少ない。




せっか くなので、7月10、11日に

研修で 行ってきた、

上高 地・乗鞍高原の植物も

紹介し たいと思います!



サワギク

キク科キオン属  互生・単葉・羽状に深裂
草丈は1m前後になり、柔らかい。葉は羽状に深裂し、
茎の下部に付く葉には毛が多いが、中部以上に付く葉には毛が少ない。
6月から8月にかけて黄色い花を咲かせ、果実が稔ると冠毛が集まって
ぼろくずのように見えるので、ボロギクの別名もある。

林床のあちこちに咲いていました。繊細な印象のかわいらしい花です。



ミゾソバ

タデ科イヌタデ属 互生・単葉・全縁?
和名は溝に成育し、葉がソバに似ているからとの意味。
別名の「うしのひたい」は、葉の形が牛の顔に似ているから
である。
花は8月から10月にかけて咲く。花の色や濃さには
様々な物があり、ほとんど白色に見える物から全体が
淡紅色の物まである。
群れ咲く秋は、近寄ってみる金平糖に似て美しい。

梓川沿いの河原に群生していました。



バ イカウツギ

ユキノシタ科バイカウツギ属
漢字で書くと「梅花空木」で、花のかたちが梅に似ているウツギという意味。
ちなみにウツギという名前の付く花木は色々あるが、それらは総じて
茎の中が空洞になっている。そこから「空(うつろ)な木」→「空木(うつぎ)」
となったと言われている。

川沿いから少し林に入ったところに生えていました。
白くて清楚な印象の花を咲かせます。




ニッコウキス ゲ

ユリ科ワスレグサ属 互生?・単葉・全縁
夏の高原を代表する花の一つとして広く知られ、
花の時期には尾瀬ヶ原や霧ヶ峰といった群生地に多くの
人が訪れる。
別名の「ゼンテイカ」よりも、ニッコウキスゲのほうが一般的。
朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花。

写真はアブラムシが付いているのが残念・・・
田代池のほとりに咲いているのを見付けました。
ヨモギ

キク科ヨモギ属 互生・単葉・鋸歯と切れこみ
葉の裏は毛でおおわれ、灰白色をしている。
特有の香りがあり、春につんだ新芽を茹で、おひたしや汁物の具、
また
草餅にして食べる。また、天ぷらにして食べることもできる。
葉の付け根に小さな葉(仮托葉・かりたくよう)があることでヤマヨモギ
と区別する。

田代橋の近くの、日当たりのよい場所にヤマヨモギと一緒に
群生していました。

      
                        仮托葉
      
ヤマヨモギ

キク科ヨモギ属
別名オオヨモギ、エゾヨモギ
ブナ帯を中心とした山地帯の草地に生育する。
オオヨモギの名前が示すように草丈が高くなり、
時として2mを超える。
葉の付け根に仮托葉がない事でヨモギと区別する。


ツ ルアジサイ

ユキノシタ科アジサイ属 対生・単葉・鋸歯
温帯上部の夏緑樹林に分布。に林縁や樹木の枯損によって形成された
ギャップ、岩上などに生育する。生態的特性や分布域はイワガラミと
よく似ており、遠目では両者は区別しにくい。茎は気根を出して樹木に
付着し、這い登る。
6月から7月にかけ、枝先に花をつける。白い花のように見える部分は
装飾花(かざり)であり、中心部分にあるのが本当の花である。

森林の中で。イワガラミの方が見れなかったのが本当に残念です。




マルバダケブ キ

キク科メタカタコウ属 根生・単葉・鋸歯 
深山から亜高山帯にかけて明るい林の下や草地に生える。
葉は丸くて大きくて、フキに似ており、黄色い舌状かが目立つ。
名前は葉が丸くて蕗の葉に似ており、山岳地帯に生えるところ
から付いた。

上高地ステーションの直前で、やっと近くで咲いている個体を
発見!感動もひとしおです。
クガイソウ

ゴマノハグサ科クガイソウ属 輪生・単葉・鋸歯
夏、うす紫色の花を穂状につける。
葉が4〜8枚くらい輪生し、 それが幾層にもなるところから
「九階草」にの名が付き、 その後、「階」が「蓋」になって「九蓋草」になった。


上高地ステーションの所で、やっと咲いている個体に会えました。
今度は満開の群落を見てみたいものです。


キバナノヤマ オダマキ

ヤマオダマキの距と萼片の色が黄 色のもので、
ヤマオダマキの
黄色版。
図鑑を調べると、ヤマオダマキの別名として載っていたり、
ヤマオダマキの『黄花品』、『キバナノヤマオダマキ型』などの
表現がある。
長野県や山梨県の高原で見られるようだ。
上高地はこの種が多い。

これも上高地ステーションで見つけました。

キオン

キク科キオン属 互生・単葉・鋸歯
シオン〈紫苑〉の紫色に対して黄色の鮮やかな花が咲くのでこの名がある。
ハンゴンソウと間違えやすいが、ハンゴンソウは葉が3-7深裂するので
葉を見れば区別がつく。

ハンゴンソウもあったのですが、花が咲いていなかったのでここには
載せていません。本当にそっくりで、葉を見分けられません。



コマクサ

ケマンソウ科コマクサ属
美しい花と、常に砂礫が動き、他の植物が生育できないような
厳しい環境に生育する事から、「高山植物の女王」と
呼ばれている。
他の植物が生育できないような砂礫地に生えるため、
地上部からは想像できないような50〜100cmほどの長い
根を張る。

ここから乗鞍高原ですね。肩の小屋に付く直前に見つけました。
生で見るの初めてだったんですが、ものすごい美人さんでした。






ハクサンイチ ゲ

キンポウゲ科イチリンソウ属
日本アルプスのお花畑を構成する代表的な高山植物のひとつ。
草地や岩場に生える多年草。
6月〜8月ごろ梅の花に似た白いかれんな花をつける。

畳平バスターミナルを出たすぐのところでお花畑を作っていました。






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