松本キャンパスの植物

農 学部 森林科学科   新宅 弦


授業で観察を行って、印象に残っていたり、おもしろい植物を紹介していきたいと思います。
名前の由来とかも調べたものもあります。見てみてください。
写真はけっこうぶれているのもありますけど、そこはご了承ください。



名前: ヘラオオバコ   学名: P.lanceolata

名前の由来は葉のかたちから。
葉の裏面脈上や葉柄には淡褐色の長い毛が散生する。
葉の間から高さ20〜70センチの花茎をのばす。
花序は上部は雌性記、下部は雄性期。
長い雄しべがよく目立つ。


名前: イタドリ   学名: P.cuspidatum

タデ属、互生の植物。
タケノコそっくりの若い茎は酸味があり、生で食べられる。
雌雄異株。
花のあと雌花の外側の花被片3個は翼状にはりだし、そう果を包む。
変化が多く、花や果実が赤いものをベニイタドリ(メイゲツソウ)、高山性の小型のものをオノエイタドリという。また、伊豆諸島には葉が厚くてかたく、光沢 のあるハチジョウイタドリがある。
名前の由来は痛みをとる効果があることからである。


名前: ナナカマド   学名: Sorbus commixta Hedl.

バラ科、互生、奇数羽状複葉、鋭い鋸歯または重鋸歯の植物。
6〜7月に白い花を咲かす。
冬に赤い果実がつき、その果実は鳥のえさとなる。
和名の語源は、「大変燃えにくく、7度かまどに入れても燃えない」という説が主流であるが、「7度かまどで燃やすと良質な炭になる」という説などもある。
TVでよく雪の中赤い果実が映える映像が出るが、それはこの植物である。


名前: サイカチ   学名: Gleditsia japonica Miq.

マメ科、短枝に1回偶数羽状複葉で束生し、長枝に2回偶数羽状複葉で互生する。全縁。
幹や枝にはするどい棘が多数ある。
この棘は防御のためにあり、萌芽である。
豆果は生薬や石鹸として使用される。
棘は漢方として使用される。
豆は子供の玩具としても使用される。
若芽、若葉は食用とするときもある。


名前: サルスベリ   学名: Lager stroemia indica L.

ミソハギ科、対生または亜対生または互生、単葉、全縁の植物。
樹皮がなめらかで滑りやすい。
花は赤色または白色。
中国原産で、日本では庭園などに広く植栽される。
名前の由来は、幹の肥大成長に伴って古いコルク層がはがれおち、新しいスベスベした感触の樹皮が表面にあらわれて更新していくことによる。


名前: シナノキ   学名: Tilia Japonica (Miq.) Simonkai

シナノキ科、互生、単葉、鋸歯の植物。
葉の裏面の脈腋にまとまった白い毛がある。
初夏に淡黄色の小さな花が咲く。
果実は風散布、水散布であるので、よく翼(ウイング)がある。
長野県の古名の信濃は、古くは「科野」と記したが、シナノキを多く産出したからだといわれている。
日本特有種。


名前: トゲチシャ(アレチヂシャ)   学名: L.scariola

アキノノゲシ属、互生、単葉、鋸歯の植物。
茎や葉の裏面にはしばしば刺が一列に並ぶ。
葉の付け根が茎を抱く。
7〜9月ごろに分枝した小枝に直径1センチほどの黄白色の頭花をたくさん咲かす。
チシャとはレタスのことである。


名前: ヤマボウシ   学名: Benthamidia Japonica (Sieb. et Zucc.) Hara

ミズキ科、単葉、対生、全縁または低い羽状の鋸歯の植物。
葉の表裏どちらにも毛があり、裏の毛は黒褐色である。
両性花であり、花は淡黄色でまれに紅色である。
微小な20〜30個の花が球状に集まっている。
秋に球状の集合果となり、その果実は食用である。

学んだ専門用語

この授業ではさまざまな専門用語も学びました。それを紹介したいと思います。


左の写真は「腺点」と「托葉」の写真です。赤くふくらんだところが腺点で、少し葉が出たところが托葉で す。腺点がある植物はサクラの仲間であることを示 し、托葉は成長するにつれてなくなるので、古い枝にはないです。


真ん中の写真は見えにくいかもしれませんが、「葉耳」と「葉舌」の写真です。葉と茎がつながっているところで少しふくらんだ点が葉耳で白い膜の部分が葉舌 です。イネ科の名前を判断する時にこれらを判断材料にします。


右の写真は「順次展葉」の写真です。順次展葉とは、枝の元のほうの葉から成熟するということだ。この順次展葉は陽樹のものが多く、明るいことがわからない ので、明るければ葉をつくるというふうに成長します。「順次展葉」の対義語として、「一斉展葉」がある。これは陰樹のものが多く、なるべく長い間光合成を するために葉が一斉に成長します。



以上で紹介を終わります。このゼミを通して、植物の分類の楽しさを知りました。これからも気になる植物を 見つけたら自分で調べるくせをつけようと思っています。



参考資料
「葉でわかる樹木」 馬場多久男 著  信濃毎日新聞社
「野に咲く花」 林弥栄 監修 平野隆久 写真  山と渓谷社
Wikipedia





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