植物生態学ゼミ
   信州大学 農学部 森林科学科
  10A2061K 矢崎耀一




この授業では植物の同定の仕方を覚え、そして実際に野外へ出て植物を同定し、種を覚 えていきました。
その植物の中で、特に
「今まで見たことはあるけど、名前は知らなかった!」
というような種を紹介していこうと思います。





和名:ヘラオオバコ
学名:Plantago lanceolata L.
ヨーロッパ原産の帰化植物。道端、河原、海岸、グランドなどにはえるが
松本キャンパス内では理学部棟の脇に見られた。
オオバコは人による踏みつけなどに強いが、この種は弱い。
オオバコよりも背が高くなり、20-70cm程度まで成長する。
5-8月に、花が下方から上に順次咲いていく。




和名:ムギクサ
学名:Hordeum murinum L.
ヨーロッパ南西アジア産。北米その他の温帯に帰化している。
花穂が麦に似ることからこの名がついた。
松本キャンパス内では、とんかつ広場の近くの大看板の下の草地に見られた。
触ってみると気持いいのでぜひ、触ってみてほしい。




和名:コヒルガオ
学名:Calystegia hederacea Wall.
東南アジア原産の古い時代の帰化植物であるらしい。
耕作地や家の周りにはえる。
松本キャンパス内では共通教育棟の脇の屋根つきの自転車置き場の脇に見られた。
ヒルガオと似ており、その区別点は
@花が小型で直径3-4cmある
A葉は三角状のほこ形
B花柄の上部にちぢれた低い狭翼が見られる
などであるが、Aが一番わかりやすい。




和名:ヤブガラシ
学名:Cayratia japonica (Thunb.) Gagn.
多年生つる草。生活力旺盛な害草で、他の植物の上に繁茂して枯らしてしまうから
「やぶ枯らし」
と名がついた。
松本キャンパス内では理学部棟の脇の植木のツツジの上に生えているのが見られた。
つるは茎の変形したもので、葉と対生し枝分かれもする。




和名:ユキヤナギ
学名:Spiraea thunbergii Sieb.  et Zucc
落葉低木。川沿いの岩上などに生育するが、公園などによく植えられている。
この写真も松本キャンパス内の理学部棟の脇に植えられていたものである。
花は4月あたりに咲き、穂状に白い花がたくさんつく。




和名:モチノキ
学名:Ilex integra Thunb.
常緑高木。温暖地の丘陵地、特に海岸に近い自然林に多く生育するが
この写真は松本キャンパス内の理学部棟の脇に植えられていたものである。
葉は互生、長楕円形で革質でやや厚みがあり、光沢が強い。
右の写真にある緑の果実は10-11月頃には赤く熟す。





和名:ツメレンゲ
学名:Orostachys japonicus (Maxim.) A. Berger (Sedum japonicola Makino)
葉は細長く獣の爪に似ていることから名付けられたという。
岩壁、河原、屋根の上にはえる多年草で花が咲き終わると枯れる。
葉はロゼット状に広がり、狭いへら形で、先に一本の小さな硬いとげがある。
写真は今年のG.W.に、県内某所で撮ったものであり、写真はまだ、生えてきたばっかりのものである。
右上の写真のような環境に自生している。
この植物はクロツバメシジミ(右下)という蝶が食草としていることで有名である。




和名:ムラサキツメクサ
学名:Trifolium pratense L.
花は淡紅色で、アカツメクサとも呼ばれる。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、牧草として栽培されていたものが野生化して広がった。
農耕地の周辺の土手や空き地に見られる。
シロツメクサとは花の色が違うほか、
@茎が斜めに立ち上がる
A花序には柄がなく2枚の葉に抱かれるように付く
B花には柄が無く咲き終わっても下を向かない
などの違いがある。





和名:シナノキ
学名:Tilia japonica Simonkai
落葉高木。高さ15-20m,径50-60cm。
葉は互生し、ややひずみのある円形または卵円形をして長さ幅ともに4-8cm,表面は無毛。
花は6-7月に咲く(下の写真)。
花には翼みたいなものがあり、これで風に乗りより遠くまで種を飛ばそうとしている。これを風媒花という。
ちなみにこの木にはシナカミキリというカミキリムシがつく。





和名:ヒイラギ
学名:Osmanthus heterophyllus
東アジア原産。葉は対生。
縁には先が鋭い棘となった鋭鋸歯があるが、老樹になると葉の棘は少なくなり葉は丸くなってしまう(写真)。
ヒイラギといったらトゲトゲの葉のイメージしかなかったのでこの丸い葉には驚いた。




和名:ビロードモウズイカ
学名:Verbascum thapsus L.
全株が灰白色の星状毛でおおわれて、触るとビロード感があり、雄しべに毛が密生しているのでその名がある。
ヨーロッパ原産の帰化植物で荒地や河原にはえる。
写真は女鳥羽川の河川敷で撮ったが、松本キャンパス内でもふつうにみられる。
高さは100-200cmにもなり、花は8-9月頃に咲く。




和名:ドウダンツツジ
学名:Enkianthus perulatus
落葉広葉樹。低木で大きくても3mほど。
庭木や植えこみとしてごく普通に植えられ、松本キャンパス内にもたくさん植えられている。
花は白色で写真のようにつく。




和名:ノジスミレ
学名:Viola yedoensis Makino
野道に多くみられることから野路菫と名付けられた。
スミレによく似るが、短毛が密にあることが特徴である。
花は3-4月に咲く。
松本キャンパス内には普通に見られる。




和名:シバ
学名:Zoysia japonica Steud.
日当たりのよい山野に自生する。
地面をはう長い茎があり、乾燥や踏圧にめっぽう強いことから、張り芝材として広く芝生作りに使われている。
写真は花穂を出しているシバである。
シバの花なんて想像つかなかったが、イネ科であることを考えれば自然か、と納得してしまった。
ちなみにこの写真は松本キャンパス内の理学部棟の脇で撮影した。