ムク ゲ Hibiscus syriacus L アオイ科 落葉低木。 ■高さ-2~3m ■葉-互生・単葉・鋸歯。葉裏の葉脈がきれいに3つ に分かれることが特徴。 ■花-7~10月。白、薄紫、ピンクなど様々な色があ る。 ■生息-自生は少ないが、丘陵帯や山地。 ■原産-中国。日本には平安時代のころ渡来。 ■特徴-古くから園芸植物として愛用され、生垣や庭 木にも使われる。数十種の品種がある。 |
■メモ- 東門前の南浅間橋の下で発見。日の光が入りにくいためか、花が見事に南側にしかついていない。ちょっとかわいそうだ。この木は2mほど、典型的なピンク の花をつけていた。 ムクゲは古くから中国、韓国、日本など東南アジアの宗教・文化においてひろく尊重されてきた花でもある。 日本では夏の茶道の生け花として今も重要であり、また韓国では国花に指定されている。 |
トゲチシャ Lactuca scariola キク科 |
上部。 花は終わったのか? ワタゲが出ている。 |
1~2年草。 ■高さ-1~2m ■葉-互生・単葉・切れ込み・鋸歯。葉裏の主脈にトゲ が一列に並んでいる。 ■花-7~9月。黄色っぽい小さな花を咲かせる。 ■生息-荒地や道端。 ■原産-ヨーロッパ。日本では1949年にはじめて確 認 ■特徴-種としては同じだが、形状や色が違う“品種 ‐f”にマルバトゲチシャがある。マルバは→の ように葉が深く裂けない。 ■メモ-上の写真のものは2m前後、かなり大きかっ た。探してみると、河原だけでなく道端や民家 の庭先などいたるところに確認でき た。 |
葉裏のトゲ。 油断すると痛い目にあう。 |
カナムグラ Humulus aponicus クワ科 つ る性の一年草。雌雄異株。 ■葉-対生・単葉・切れ込み・鋸歯。5~7裂する。葉 柄と茎には下向きの細かいトゲがある。 ■花-8~10月。雄花は淡い緑色の小さな花。雌花は 下向きの穂状につき、濃い紫の苞(つぼみを包 む葉)を持つ。 ■生息-荒地や道端。 ■原産-東南アジア。 ■特徴-ツルの強度が非常に高く、それを鉄(かな)に 見立ててこの名がついた。 |
■メモ- 河原のあちこちで見かけた。茎にはトゲがあるとのことだが、写真には写らないほど細かい、毛のような見た目だ。しかし逆なでしてみると、確かに指に引っ かかるものを感じた。不用心に触ると手を切るかもしれない。 |
ネムノキ Albizia julibrissin Durezz. 落葉小高木。 ■高さ-5~10m ■葉-互生・2回偶数羽状複葉。小葉は全縁でほう ちょう形(とんぼの羽みたいな)をしている。葉の 裏は白い。 ■花-7~8月。白い綿毛のような見た目の花を上向き につける。 ■生息-丘陵帯や山地。荒地や河原にも。 ■原産-東南アジア。 ■特徴-夜になると対になった葉がぴったりと閉じる。 様子が眠っているように見えるのでネムの木 という名がついた。 |
■メモ- 土手に多く見られた。ネムノキは河原にも生えるのかと思って驚いた。あとになって陽樹ということを思い出して納得した。5~10mまで生長するらしい が、河原にあったのはどれも膝丈くらいのものばかりだった。 ネムノキに限らずマメ科などの植物の中には就眠運動をするものがある。何のためにそれを行うのか調べてみたが、よく分からなかった・・・。 中国では夫婦円満の象徴とされているらしい。 |
エゾノギシギシ Rumex obtusifolius タデ科 |
多年草。 ■高さ-0.5~1.3m ■葉-互生・単葉・全縁。葉のふちが細かく波打ち、葉 柄や葉の中脈がしばしば赤みを帯びる。 ■花-6~9月。茎の上部に、薄緑色の総状花序をつ ける。 ■生息-道端や荒地。 ■原産-ヨーロッパ。1909年に北海道で初めて見つかったことから、エゾノギシギシという名がついた。 ■特徴-一株あたり数万の種子をつけ、非常に繁殖力が強い。現在では農地や牧草地に生える有害雑草として、農家の方々にとって厄介な存在となっているよう だ。 ■メモ- 緑一色の河原でひときわ目立つこげ茶色をしている植物があったので調べてみたらエゾノギシギシ・・・? でも授業中にみたのはこんな色じゃなかったよう な? なんだろう、 間違ってたらごめんなさい・・ |
タチアオイ Althaea rosea アオイ科 多年草、品種によっては一年草。 ■高さ-1~3m ■葉-互生・単葉・切れ込み。 ■花-6~8月。白や赤系を中心に様々な色がある。 また八重咲きのものもある。 ■生息-園芸品種らしいが、道の脇などで野生化して いる姿も見られる。 ■原産-中国。(諸説あり) 日本には平安時代以前 に帰化。 ■特徴-ムクゲと同じく古くから様々な品種が作られて きた。 |
■メモ- 多分松本の街を普通に歩いていて見かけたことのない人はいない花である。写真のものは1m弱ほどで あるが、本当に高いものはNBAの選手ですら見上げる感じにまで伸びる(多分)。とても目立つ花だ。 東門を出て女鳥羽川を少し下ると、ボランティアの方々が世話をしてくれていると思われるタチアオイの花畑がある。 |
ハリエンジュ Robinia pseudoacacia マメ科 落葉高木。 ■高さ-15~20m ■葉-互生・奇数羽状複葉。基部に一対のトゲがあ る。小葉は全縁で楕円形。葉裏は表より少し色 が薄い。 ■花-5~6月。白い小さな花を穂状につける。 ■生息-丘陵帯や山地。 ■原産-北米。日本には1800年代終わり頃に渡来。 ■特徴-一般的には別名のニセアカシアで呼ばれる ことが多い。また、アカシアの蜜というと実際に はこのハリエンジュのものである。 |
■メモ- 河原に生える木の中で最も多かったもののひとつだった。更に上流のほうに行くと、栽培してんの?というくらい大規模 に群生してる箇所が多々あった。 調べてみると、要注意外来生物リストにおいて伐採が検討されているらしく、天竜川ではハリエンジュの大繁殖が一時問題になっ たそうだ。 そういえば大学構内でもいたる所に若木が生えてい た。とても生命力の強い木らしい。 |
アレチウリ Sicyos angulatus ウリ科 つる性の一年草。雌雄同株。 ■葉-互生・単葉・切れ込み。浅く5~7裂する。葉や 茎の表面は細かい毛に覆われザラザラする。 ■花-8~9月。雄花・雌花ともによく似た淡緑色の星 形をした小さな花だが、雄花序は長くまばらに 花がつき、雌花は短い。 ■生息-河原や荒地。 ■原産-北米。日本では1952年に確認。 ■特徴-繁殖力が非常に強く、日本各地でその駆除 が課題となっている。 |
■メモ- 河原で見るつる植物のなかで一番多かった。ハリエンジュと同様外来種であり、「多く見る」=「繁殖 力が他を圧倒している」=「外来種」という図式が一面にはあるのかもしれない。 |
カワヤナギ Salix gilgiana Seemen ヤナギ科 落葉低木。雌雄異株。 ■高さ-0.5~3m ■葉-互生・単葉・鋸歯。葉裏は白い。細長い小さな 托葉がある。 ■花-3~4月。猫じゃらしに似た形の灰白色の花を枝 先につける。 ■生息-丘陵帯、山地、河原 ■原産-アジア? 外来種ではないと思うがよく分から なかった。 ■特徴-とくになし |
■メモ- これも河原の木の中では多かったが、遠目から見た印象なので、実際にはタチヤナギやらネコヤナギやらも交じっていたかもしれない。 河原というとヤナギの仲間が目立つが、それは茎伏せという方法(さし木のようなもの)でも増えるので流木が下流の土手で引っかかって新たに芽が出る-と いったことが可能だからだそうだ。 |
オオアワダチソウ Solidago gigantea var.leiophylla キク科 |
多年草。 ■高さ-0.5~1.5m ■葉-互生・単葉・鋸歯。葉柄に翼がある。 ■花-7~9月。茎の先に小さな黄色い花をたくさんつける。 ■生息-荒地、河原 ■原産-北米。日本には明治に渡来。 ■特徴-よく似た種にセイタカアワダチソウがある。 セイタカ→茎や葉がざらつく。オオより花が遅い。 オオ→ほとんど無毛。花期が早い。 ■メモ- 外来種ではあるが、そんなにたくさん生えているようでもなかった。 |
ヤブカンゾウ Hemerocallis fulva var.kwanso ユリ科 多年草。 ■高さ-0.8~1m ■葉-茎からは生えず、根本から40~60cmほどの細 長い葉をだす。 ■花-7~8月。オレンジ色の八重咲きの花をつける。 ■生息-道端や土手、林のふち。 ■原産-中国。日本には有史前に帰化。 ■特徴-減数分裂の際に三倍体(染色体の異常のひ とつ)をつくるので、種ができない。匍匐茎(地 面を這って伸びる茎)によって仲間を 増やす。 |
■メモ- アレチウリの大群生の中で発見。目立つ花なので土手以外にも田んぼのそばや民家の庭先に見られた。 匍匐(ほふく)茎で増えるとのことだが、この場所では茎も伸ばせそうにないだろうなと思った。 カンゾウには他にノカンゾウやハマカンゾウがある。カンゾウとは萱草と書き、音読みでわすれぐさと読む。この花を見ていると嫌なことも忘れてしまう・・ という意味でつけられたらしい。 |
ガマ Typhaceae latifolia ガマ科 多年草。 ■高さ-1.5~2m ■葉-根本から厚く無毛の葉を出す。基部は茎を包ん でいる。 ■花-6~8月。右写真の茎の先の棒状の部分が雌花 で、その先の細くなったところが雄花。 ■原産-世界中の熱帯、温帯 ■特徴-秋になると花穂がはじけて白い綿毛を飛ば す。この綿が古くはふとんの中綿に使われた ので、蒲(ガマ)という名前が蒲団の漢 字に 当てられた。 |
■メモ- 出た!ガマ。河原の植物でこれは外せないだろうと思ってはりきって探した。けっこう上流のほうの橋のたもとにて。近づいてみると、かなり大きい。特に穂 の部分は人の顔よりも長さがある。触ってみると固めのスポンジのような手触りだった。 左の写真の左側に写っているのは、去年はじけたと思われる穂。白い塊になっている。 |
ヤマホタルブクロ Campanula punctata var. hondoensis キキョウ科 |
多年草。 ■高さ-40~80cm ■葉-互生・単葉・鋸歯。茎には粗い毛がある。 ■花-6~7月。釣鐘形でうすむらさきの花を茎の先に 2~3個つける。 ■生息-林、山地 ■原産-朝鮮、中国、日本など。 ■特徴-ホタルブクロと違ってがくの付け根に付属体がついていない。 ■メモ- これは河原ではなく、河原沿いの道と林が接しているところで見つけた。もうちょっと前なら、ほたるの里まで持って行ってリアル蛍袋を試してみてもよかっ たかもしれない。 |
感 想 大学の宿題課題の中で一番楽しかった。女鳥羽 川は川の水が横目には見えないほど種々の植物で覆われていて、自然豊かだなぁ地元の神田川とは大違いだと思った。しかし長野県では河川における外来種の大 繁殖が問題になっているとのことで、そう思ってみるとこの風景もまた違ったものに見えた。 |
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