植物生態学ゼミ  農 学部・食糧生産科学科  山口大輔
主に茶臼山周辺と道 端 に 生えていた少し珍しい植物を紹介していきます。また、発見数の多いシソ科とマメ科あとその他という 構成でいきます!まずはシソ科から
シソ科全体の特徴は茎が四角形で唇形花(しんけいか)をつけます。芳香のあるものが多い(ハッカ、セージ、シソなど)

オドリコソウ(踊子草)シソ科・対 生・単葉・鋸歯                                
左の画像の2つ、これが日本原産のオドリコソウです。皆さんがいつも見ていて名前が似ているのは
ヒメオドリコソウといって右の画像のものです。比較するまでもなく大きさですぐ分かります。
(オドリコソウ・30〜50cm ヒメオドリコソウ・10〜25cm)
オドリコソウの特徴は半日陰の道端や山野に群生します。茎の節に長い毛が生あります。
花期は3〜6月で色は白〜淡紅紫色と 幅広く(今回は白です。)、上部の葉腋に唇形花が輪生します。
葉は葉脈が目立ち、葉の先が大きく突き出します。
初めはシソかなと思っていました(汗)
見つけた場所は茶臼山のマレットゴルフ場北側の道路のさらに北側の崖っぽい所です。





                          花                 つる状  
カ キドオシ(垣通し)別名カントリソウ シソ科・対生・単 葉・鋸歯
カキドオシの特徴 は花期4,5月 で 花期には茎が上に立って伸びて、花が終わった後は茎が倒れて右の画像のようにつ るのように伸びます。もうひとつ特徴があるのですが実はその特徴 を写真に収めるのを忘れてしまいました(泣)
その特徴は花弁の下唇が中裂し、濃紅紫色の 斑紋が あるここまではまだ辛うじてこの画像で確認できますが、この下唇にはさらに白い毛が 立って生えるのです。本当になんで撮り忘れたんだろうorz また次の春に見つけた方は是非確認してみてください。
別名の説明をします。カントリソウは漢字で書くと癇取草と書き、乾燥させた全草を子供の癇 (ひきつけなどの症状)をとる生薬として使われ ていたことによるそうです。
見つけた場所は林の端の比較的日の当たる場所などなど

 
     蕾                   花                  群生
トウバナ(塔花)  シソ科・対生・単葉・鋸歯
トウバナの特徴はこの画像からは読み取りづらいですが、 花弁の下 唇3 裂し 葯が上唇の内側にぶら下がっているよう に見えます。花期は5〜8 月で 花は上部輪 状数段つ きます。1つの根元 から群がって生えて、基部は地面を這います。
実はやや山地生イヌ トウバナと いう似 た種が あります。見分け方イ ヌトウバナに は腺 点が あり、長 い軟毛があります。今回のは葉の裏は確認して ませんが、 拡大して見たところ萼に長い軟毛はなかったのでトウバナであっていると思います。パッと見 た感じでシソ科っぽかったので図鑑でシソ科を見ていたらすぐに見つかりました♪
見つけた場所は茶臼山森林内部、聖川土手周辺です。

ウツボグサ(靫草)別名カコソウ(夏枯草) シソ科・対生・単葉・全縁
ウツボグサの特徴はが唇 形で花が終わるとその閉 じて果実包みま す。
見たまんま分かる花穂は花期が6〜8月で色 の
唇 形花を 密につけます。
画像から見て分かるにヘラオオバコのように下から順に咲くと いうことはなさそうで す。
別名の説明カコソウとは夏に花が枯れて黒っぽくなっても、 そのまま立っているからだそうです。
実はこれ、少し彷徨っていた時に偶然みつけました♪まさにラッキーです!
見つけた場所は聖川周辺山間部リンゴ畑付近

キランソウ属SP シソ科・対生・単葉・鋸歯(恐ら く)
ここまでは自力で絞り込むことができたのですがアングル悪 さ資料少なさで 先生に聞 けなかったものです。
下唇3裂し て真ん 中がさらに2裂している ので恐らくキランソウで はないかと思います。
なんでもっと撮っておかなかったんだろうorz




ここからはマメ科です。マメ科全体の主な特徴は花に形は蝶形花であること と複葉であるということ です。
また有用植物が多いことや大抵は根粒菌と共生しているので、やせた土地でも 普通に生えます。





                                                   花                   群生
カスマグサ(かす間草) マメ科・互生・偶数 羽状複葉・全縁
カスマグサの特徴は同じマメ科にカラスノエンドウとスズメノエンドウという種がありその間ぐらいの 大きさです。花期は4〜5月 で 淡青紫色 の花を咲かせます。
カラスノエンドウ とスズメノエンドウは羽状の葉の先端につるが3本で ますが、カスマグサ1本しかでません。
またカスマグサは花が主の茎から大き く離れます(葉腋から柄が伸びます。)
カスマグサはほぼ全てにおいてカラスノエンドウとスズメノエンドウの中間的な特徴です。(大き さ、花の色、豆果の中の種子の数な ど。)
松本の道端ではちょっと見かけられませんでしたね。やはり、に登らなければ。
見つけた場所は森将軍塚古墳の人があまり来そうにないところ、茶臼山の道路脇です。





 
                                                             花                    花2                  葉
ゲンゲ(紫雲英)別名レンゲソウ(蓮華草) マメ 科・互生・奇数羽状複葉・全縁
ゲンゲの特徴は花で、花期は4〜6月 で、色がグラデーションのある色 で小さな蝶 形花輪状に 集まってこの形になっています。
名前は当て字で一面咲いた花を紫の雲にたとえたらしいです。別名の蓮 華草の 方は輪状に咲く花がハス似 ていたことによります。
蓮華の方が本当の名前だとずっと思っていました(汗) 最近水田があるようなとこを歩いてないと思い、行っ たら生えてました♪
見つけた場所は塩崎地域の休耕地です。







イタチハギ マメ科・互生・奇数、偶数羽状複葉・全縁
イタチハギの特徴はマメ科であるのに蝶形花ではないということです。花期は月 です。表面腺 点があり、無毛かわずかに散生します。
(この画像からは残念ながらわからないです。すみません。)北米・メキシコ原産です。
これも彷徨った時に見つけた瞬間にナンだコレと思い撮りました。花からは全く何科であるか分かりませんでした。
見つけた場所は帰る山を下る途中の道路脇です。






シロバナシナガワハギ(白花品川萩)
 マ メ科・互生・三出複葉・全縁
シロバナシナガワハギの特徴は小さな蝶形花総状に つきます。花期は6〜8月で名前の通り白色を 咲かせます。豆果網目状く ぼみがあります。
近縁な種シナガワハギがあり ます。こちらは黄 色でシロバナよりも花序少 し短く豆 果表面し わ多 いです。
これはかなり前から気になっていたものでシロツメクサみたいな葉なのになんか大きいなと思っていました。まさか違う種だとは(ぉぃ
この機会にちゃんと調べることができてすっきりしました。
見つけた場所は自宅付近の道端です。



ここからはジャンルフリーで す


トキワハゼ(常盤はぜ) ゴマノハグサ科・互生・単葉・鋸歯
トキワハゼの特徴は名前の由来にもなっていますが、花期異 常長く4〜11月まで咲 いています。花は上唇は紫色で小さく、
下唇はわずかに紫帯びた白色黄 色赤 褐色斑 紋があります。似ている種にムラ サキサギゴケが あります。見分け方は
ムラサキサギゴケは花色が濃い紅紫色 であることと下唇の斑 紋違 うこ と、匐枝(ふ くし 地を這う枝のこと) がある(ト キワハゼにはない)ことです。
そこら辺を見ると案外いたりする気がする。まとまって生えるので結構見つけやすいです。
見つけた場所は森将軍塚を登る道の脇、信大人文学部らへん








                                                                                       花                   葉                   群生
ナワシロイチゴ バラ科・互生・三出複葉・重鋸歯
ナワシロイチゴの特徴は花弁巻 いていて小さいということです。花期は5〜7月 で赤紫色 です。
葉は3出だったり、5出だった り、あるいは3 裂だったりします。全体的に少し毛が深いで す。
果実食べれるら しいですが、で はあまりおいしくはないそ うでジャムにするのが良いそうで す。
これ一見草本に見えますが実は木本です。撮った画像は先端部分のみなのでよく わかりませんが、
根元木 質化しているそうです。(生えていたのが壁だったので撮れなかったんです。す みません言い訳です。
見つけた場所は聖川上流の畑付近です。





スイカズラ スイカズラ科・対 生・単葉・全縁
スイカズラ特徴は花の形が面白く、花期は5,6月 で右の画像を見ると分かりますが白色黄 色の 花がつきます。
葉は光沢がある少し厚い葉葉 の縁に 薄らとがあり ます。
これも木本です。一番左のは自分でも良く撮れたと思いま す。名前の由来がかつては花を口にくわえて甘い 蜜を吸っていたらしいです。
知っていればやっていたものを(チッ
見つけた場所は聖川上流の道路の崖など

                                                   花                 そう果
ケキツネノボタン(毛狐の牡丹) キンポウゲ科・ 互生・三出複葉・切れこみ・鋸歯
ケキツネノボタンの特徴は全体開 出毛多く(特に)、 葉は3出した小葉がさらに3 裂し ます。縁は鋸歯鋭 いです。花期は3〜7月 で
黄色を 咲かせます。そ う果の先(右の画像のとげとげした部分)が曲 がりません
似ている種にキツネノボタンがあります。こちらは切 れこみ浅 く、また鋸 歯あまりとがりません。 そう果の先が曲がります
一回押し花にしてやろうかと思いましたが、大量のアブラムシがついていた ので断念しました。(それに草本だからとると個体を一つ殺してしまうということもあったので)
見つけた場所は茶臼山中腹ぐらいの森、自宅近くの側溝です。



                                         花                 花の中                全体
ヤマホタルブクロ(蛍袋) キ キョウ科・互生・単葉・鋸歯
ヤマホタルブクロの特徴は見て分かるようにで すね。花期は6〜8月で花の色は様々ですが、の 間ぐらいです。
葉の縁に不揃いな鋸歯があります。萼片湾 入部ふくらみます。 似ている種にホタル ブクロがあります。見分け方はで す。
ホタルブクロには萼のほかに小さい付属物が つきますが、ヤ マホタルブクロにはあ りません。またホタルブクロは比 較的色淡 いです。
実物を見たのは今回が初めてで大変興奮しました!図鑑には花の中の写真がなかったので撮ってみました。
見つけた場所は聖川堤防です。


 
                                                                花                    花2         
ヒレアザミ(鰭薊) キ ク科互生・単葉・重鋸歯
ヒレアザミの特徴は名前の通り、翼 つまりヒレあると いうことです。このヒ レに は鋭い棘が 生えていて触ると ても痛いです。
花期は5〜7月で紅紫色 の筒状花が 集まった頭花が枝先に数個集まってつきます。(白いものは シロバナヒレアザミと分けられています。)
見つけた瞬間に大体目星がつき、かなり特徴が分かりやすかったです。これが今回唯一のキク科だっ たりします。
見つけた場所は聖川上流の休耕地です。




                                         花                  群生                 そう果
ムラサキケマン(紫華鬘) ケシ科・互生・三 出複葉・切れこみ
ムラサキケマンの特徴は後ろ突 き出る距をもつことです。花期は4〜6月 で先の方に密にの 花 がつきます。
やや湿ったところに生えて、全体が柔らかく傷つ ける悪 臭す るらしいです。そう果狭 長楕円形(右の画像)です。
これはこのゼミが始まって初めて見つけてかつ、珍しそうなものだったので〆にしました。
見つけた場所は茶臼山冒険の森(アスレチックコース)です。


最後に
本当はもっといっぱい紹介したかったのですが、時間と気力の関係でここまでにします。
ここまで見てくださってありがとうございました。
恐らくこのゼミが終わっても自分の趣味の一環として、知らないものを探しに山に行きたいです。
(せっかく野に咲くだけでなく、山に咲くもかいましたしね。)


場所の説明
茶臼山 下の方は動物園、恐竜公園、アスレチックなどがある小さい子供たちを持つ家族の休日の遊び場
上に行くほど人が減り、虫が多くなるきがする。南の方はリンゴ畑になっている。
聖川 自宅付近の比較的大きな川上流はかつて蛍が見れた。魚釣りはできそうもない。
森将軍塚古墳 千曲市にある前方後円墳 近くの学校の体力づくりによく上り坂が使われる。かなりしんどい。