植物生態学ゼミ
      

農学部 森林科学科 遠山博章
信州大学松本キャンパス内の植物をほんの一部ですが紹介します。



セイヨウタンポポ (キク目キク科タンポポ属)
 春になるとよく見かけるセイヨウタンポポ、「セイヨウ」の名の通り外来種です。
身近な花ですがそれゆえに日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
ニホンタンポポと違い右の写真のように総苞といわれる部分が反り返っています。
とはいえ在来のタンポポとの雑種も増えており反り返っているからセイヨウタンポポ
とは言い切ることはできません。
一見するとさほど大きくもない花ですが、根の長さには目を見張るものがあり、長いものは
1mにも達することもあります。



クロマツ (マツ目マ ツ科マツ属)
 様々な種類のあるマツですが特に似ているのが写真のクロマツとアカマツです。
名前の通りクロマツは幹が黒く、アカマツは赤いです。これだけだと見分けるのが
簡単そうですが似てたりもするのでわからないこともしばしば…。
そして、いわゆる松ぼっくりこれは球果といい、針葉樹の果実といっていいと思います。
写真の松ぼっくりはまだ若いものですが将来的には乾いてかさが開きます。
成長後も湿気が高くなるとかさが閉じてしまいます。
マツにはさまざまな害虫がつきますがその中でも恐ろしいのがマツノザイセンチュウといい、
マツの木を枯らせてしまいます。



トチノキ (ムクロジ目トチノキ科トチノキ目)
 トチノキはとても大きくなり高さ25m、太さも1mを越えるものあります。
そしてなんといっても大きな特徴は葉の形、これは掌状複葉といい、日本原産の植物としては非常に珍しい形です。
また、トチノキといえば果実です。厚い果皮に1,2個の種子がおおわれています。
この種子は食用ですが渋抜きなど面倒な作業が必要となる。
昔は幹をくりぬいて臼にしていましたが、乱伐が原因で産出量が減り、現在は主にテーブルなどに使用されている。
余談ですが、小学校の教科書などに載っている『モチモチの木』のあの木はこのトチノキだそうです。


サ ルスベリ (フトモモ目ミソハギ科サルスベリ属)
 花が美しく、耐病性もあるため、好んで庭や公園に植え られます。
漢字では「百日紅」と書き8月頃に紅の濃淡色または白色の花を咲かせます。
写真はすこし見づらいですが幹の肥大成長に伴って古い樹皮コルク層が剥がれ落ち
すべすべとした樹皮が現れます。そこからサルも滑ってしまうと いうことでサルスベリという名前になりました。
しかしサルはいとも簡単に登れてしまうそうです。



シロツメクサ (マメ目マメ科シャジクソウ属)
 
有名ですが別名をクローバーといいます。
漢字は「白詰草」と書き、その昔オランダからの献上品の梱包に緩衝剤として
詰められていたことが名前の由来です。
どこにでも生えているイメージのシロツメクサですが緩衝剤以外の活躍の場もあります。
それは、雑草防止、土壌浸食防止、さらにはマメ科の植物であるので根粒菌の作用により
窒素を固定して土を豊かにし、緑化資材としても利用されます。



ムラサキツメクサ  (マメ目マメ科シャジクソウ属)
 和名をアカツメクサといい、上のシロツメクサとは花の 色以外にも様々な違いがあります。
ひとつはムラサキツメクサのほうがシロツメクサよりも背が高いということです。
そしてもう一つは葉一枚でもわかる違いです。それは葉の裏にあります。
シロツメクサは毛がなくつるんとしています。一方でムラサキツメクサは毛深くなっています。



コナラ (ブナ目ブナ科コナラ属)
 
落葉樹だが、秋に葉が枯れた時点では葉柄の付け根に離層が形成されないため葉が落ちないで
茶色の樹冠のままでいる。その後、春に新葉が展開するころに基部の組織で離層が形成され葉が落ちます。
日本では雑木林で多く見られ4〜5月の若葉の広がるころにに長く垂れ下がった尾状の雄花序に花をつけます。
秋にはどんぐりが実る。どんぐりとはブナ科の果実の総称です。






トップに戻る