植物生態学ゼミ

 理学部物質循環学科 金曽愛美


上高地の植物


6月中旬に野外実習のため上高地へ行ってきました。
その際、私が見かけた植物を紹介します。




  ツガザクラ高山帯の岩の割れ目や礫地などに生え、本州、愛媛県の赤石 山に分布する。
 ツツジ科の常緑小低木。茎の下部は横にはい、上部は直立して高さ10〜20cm。葉は密に互生し、線形で長さ5〜8mm、表面は濃緑色で光沢がある。 7〜8月、枝先に2〜6本の花柄を直立し、その先に白色で淡紅色を帯びた鐘形の花を横向きに開く。花冠は長さ約6mmで先は浅く5裂する。花柄は 長さ1〜2.5cmで腺毛が多い。果実は扁球形の小さな刮ハ(さくか)で上を向く。



  ベニバナイチヤクソウ山地から亜高山の乾いた明 るい林内とくにカラマツ林下に多く群生し,中部地方以北の本州、北海道、および 朝鮮半島、中国、東シベリア、カムチャッカ半島、千島列島に分布する。
 イチヤクソウ科の多年草。葉は根生し、広楕円形、常緑で表面は光沢がある。 6〜7月、高さ15〜25cmの花茎を出し、桃色の5弁花を斜め下向きに開く。包葉は狭長楕円形、先は急に短くとがる。



 イワダレゴケ:主にツ ンドラや標高の高い北半球の林床に広く分布する。
 草体は薄い緑色、あるいは黄色味がかる緑や赤色である。茎は赤色。大きさは約20cm。腐植土の上や樹木の上に這ってマット状に生育している。 果物などをディスプレーするときの 飾りとして用いられ、抗菌作用や抗癌作用のある物質をもつ可能性がある。

 

  コヨウラクツツジ:北海 道、本州、四国の亜高山帯に生え、南千島、樺太にも分布する.ツツジ科の落葉低木で高さ2〜3m。
 葉は互生して枝先に集まり、長楕円形、長さ2.5〜5cmで表面と縁に毛が多い。5〜6月、開葉と同時に黄赤色の花が枝先に下を向いて散状につく。 花冠は壺形、長さ5mmで先がゆがみ、短く5裂し、雄しべは5本ある。花柄は長さ1.0〜1.6cmで腺毛が多い。果実は小球形の刮ハ(さくか) で上を向く。


 ニッコウキスゲ本 州中・北部の海岸低地か高山帯下部の湿潤な草原に生える。
 ユリ科の多年草。地下茎は短く、多数あり、肥厚する部分がある。花茎は直立し高さ40〜70cm。葉は叢生(そうせい)し、鮮緑色で軟らかく、幅 1.5〜2.5cmで上部は下垂する。花は橙黄(とうこう)色、漏斗形の6弁花で弁先がやや反り返り、包葉は狭卵形
 

 クリンソ ウ:北海道、本州、四国の山間の湿地に群生する。サクラソウの科の多年草。縁に鋸歯のあるさじの形の葉を多数混成し、5〜6月 にその中央から太い花茎を出し、数個ずつ何段にも花を輪生する。花は小型で径約2cm。質はやや厚く紅紫色で、茎の下部から順に咲き、花茎は1mに達する こともある。



   ヤグルマソウ深 山に生え、北海道から本州、および朝鮮半島に分布する。
ユキノシタ科の多年草。茎は直立し、少数の葉を互生する。 地下茎は肥厚し、根出葉には長柄がある。葉は掌状で小葉は5枚。小葉はくさび形で無柄、上部の小葉は3〜5裂し縁に不ぞろいの鋸歯がある。6〜7月茎の先 に円錐花序をつくり多数の花を開く。
 花軸には乳頭状の小毛が密生する。
花弁はなく、萼片(がくへん)は5枚で白色.しべは10本、花糸は花外に出る。果(さくか) は広卵形で、2本の花柱は宿存する。




 アヤメ:乾燥した 草地に生え、日本全土のほかシベリア東部、中国東北部、朝鮮にも分布。
 アヤメ科の多年草。根茎は横に伸び、硬く、褐色の繊維に覆われる。葉は長さ30〜50cm、幅5〜10mm、2列に互生し、 跨状に並び、細い中央脈がある。花茎は高さ30〜60cmで、分岐しない。
 花は紫色の放射相称、径約8cm、花被片は6枚、外花被片は倒卵形で垂れ下がり、中央から爪部にかけて、黄色の網状の模様がある。雄しべは外花被片の基 部から出てこれと対生し、葯(やく)は下向き、花柱分枝は3個で花弁状、雄しべと密着し、これを覆い隠す。花期は5〜7月。
                                                          


(参考元:日本大百科全書)




これらの植物以外にも様々な植物が育っています。
機会が ありましたら、実際に自分の目で観察してみてください。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。



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