植 物生態学ゼミ    教育学部 生涯スポーツ課程 13E3101F 北薗 竜也



キャンパス内の植物を紹介します。






びわ(Loquat)

特徴:バラ科の常緑高木。葉は互生。形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。花期は11〜2月で、白 い地味な花をつける。自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄褐色の実をつける。江戸時代末期に日本に導入され、明治時代から、茂木や田中などの果樹として の品種がいくつかある。


分布など:長崎県、千葉県、鹿児島県などの温暖な地域での栽培が多い。若干の耐寒性を持つので、寒冷地でも冬期の最低気温−10度程度であれば生育・結実 可能である。

ラベンダー(lavender,lavandula)

特徴:シソ科の背丈の低い常緑樹の1属。葉は対生。春に紫や白、
ピンク色の花を咲かせる様々な品種がある。ちなみにラベンダー色とは薄紫色を意味する。ラベンダーには鎮痛や精神安定、防虫、殺菌などに効果があるとされ る。属名のLavandulaは「洗う」という意味のラテン語に由来する。これはローマ人たちが入浴や洗濯の際にラベンダーを湯や水に入れることを好んだ ためとされる。現在では主にハーブティー、アロマセラピー、観賞用などに利用される。


分布など:原産は地中海沿岸とされている。高温多湿は苦手であり、西岸海洋性気候や亜寒帯湿潤気候の地域で多く栽培されている。日本では北海道の富良野地 方のラベンダー畑が全国的に有名である。栽培発祥地は、札幌市南区南沢で、1942年に栽培が開始された。





アジサイ(紫陽花、Hydrangeamacrophylla)

特徴:アジサイ科アジサイ属の植物に対する日本語の名称である。花の色がよく変わることから、「七変化」「八仙花」とも呼ばれる。葉は単葉で対生。葉身は 広卵形または楕円形で、長さは8〜20cm。周囲は鋸歯状。樹高は1〜2メートル。6月から7月に紫(赤紫から青紫)の花を咲かせる。一般に花といわれて いる部分は装飾花で、おしべとめしべが退化しており(中性化)、花びらに見えるものはがくである。花の色はアントシアニンという色素によるもので、アジサ イにはその一種のデルフィニジンが含まれている。これに補助色素とアルミニウムのイオンが加わると、青色の花となる。アジサイは土壌のpHによって花の色 が変わり、一般に酸性ならば青、アルカリ性ならば赤になると言われている。これは、アルミニウムが根から吸収されやすいイオンの形になるかどうかに、pH が影響するためである。


分布など:アジサイは全国に分布するが、種類が多く、それによって分布が異なる。

ヤハズエンドウ(Vicia sativa subsp.nigra)

特徴:マメ科ソラマメ属の越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウという名が一般には定着している。葉は 互生で、羽状複葉の形を成す。秋に発芽し、春になると高さ60〜150cmに達する。茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立 する。茎は全体に毛があり四角柱状。花期は3〜6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花をつける。
 

分布など:本州から四国・九州・沖縄の路地や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。原産地はオリエントから地中海にかけての地方。





イチョウ(Ginkgo blioba)

特徴:裸子植物の一種。裸子植物門イチョウ綱の中で唯一の現存している種である。中国原産の落葉高木。高さは20〜30m。葉は扇形で葉脈が付け根から先 端まで伸びている。また、葉の中央部が浅く割れている。針葉樹とされる場合もあるが、厳密には広葉樹にも針葉樹にも属さない。原始的な平行脈を持ち、二又 分枝する。雌雄異株であるため、雄株と雌株があり、実は雌株にのみなる。4〜5月に新芽が伸びた後に雌花、雄花とも開花する。実が結実する為には雄株の花 粉による受粉が必要である。花粉は1km程度離れた雄株からでも飛散してくるという。長寿であり、成長すると巨木になる。日本の各地に幹周が10mを超え るようなイチョウの巨木も存在している。
 

分布など:真の自生地については定かではない。仏教の伝来に伴って中国から日本へ移入されたと考えられている。


モチノキ(llex integra)

特徴:モチノキ科の植物の一種。常緑高木。樹高は20mに達する。葉は互生し、倒卵状楕円形〜楕円形。雌雄異株で開花期は春、花弁はうすい黄色。晩秋に赤 い果実をつける。公園、庭などに植栽される。樹皮からトリモチを作ることができ、これが名前の由来ともなった。幹は灰褐色でツルリとしており、葉は革質で 鋸歯がない。成木では普通全縁だが、伐採後の萌芽、幼樹などには鋭い鋸歯を持つ葉が現れやすい。葉柄は無毛で灰黒色、黄緑色、赤紫色を成す。樹皮を水につ け、砕いてゴム状の物質をとり、トリモチや絆創膏の添加物などに用いられる。


分布など:本州、四国、九州、南西諸島、台湾、中国中南部に分布する。ご神木として熊野系の神社の中にはナギの代用木として植えている場合がある。海岸の ウバメガシと混生することも多いが、ウバメガシに比べてより立地環境の良好な場所に生息し、シイ林中にも見られる。比較的乾燥にも強く、潮風にも耐えるも のと思われる。しかし岡山県の沿岸部では少なく、ウバメガシほどは耐寒性は強くないものと思われる。





ツタ(Parthenocissus tricuspidata)

特徴:ブドウ科ツタ属のつる性の落葉性木本。葉は掌状に浅く裂けるか、完全に分かれて複葉になり、落葉性。単葉で互生。葉身は五角状で、長さ 5〜20cm,幅は5〜15cm。巻きひげの先端が吸盤になって、基盤に付着す る。無理やり抜いた場合はポツポツと吸盤だけが残る。5枚の緑色の花弁を持つ小さな花をつける。花期は6月〜7月。日本の家紋に使われている。


分布など:北海道・本州・四国・九州の丘陵帯から山地帯に生息する。ツタ属植物は、アジアから北アメリカに15種が自生し、日本にはツタ P.tricuspidataのみが本州から九州に自生する。「つた」の名称は他の植物や岩に「つたって」伸びる性質から名づけられた。

スズメノカタビラ(Poa annua)

特徴:単子葉植物イネ科イチゴツナギ属の一年草である。冬を越して越年草となることもある。高さ10cm〜30cmの1〜2年草。葉は長さ4〜10cm、 幅2〜3mmの線形でやわらかい。葉舌は白い膜質の半円形で、長さ3〜6mmあって目立つ。全株黄緑色でやわらかい。花期は3〜11月。茎は葉の基部の鞘 に包まれ、葉は平らで短めの線形、真っすぐに出るが、先端がやや窪んで受けた形になる。時折葉の縁が波打つようになる。


分布など:非常に広範囲に分布している。道端、庭の隅、畑など、おおよそ雑草の生える場所にならどこにでも生えている。国内では全土に分布。国外をみても 極地以外はほぼ世界中に分布する。





ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczil)

特徴:キク科の多年草。高さ0.5〜1.2メートル。地下茎をのばしてふえる。根生葉や下部の葉は花のころは枯れる。茎葉は長さ6〜12cm、幅 4〜8cm、で羽状に深裂する。裂片は2〜4対あり、ふちには鋸歯がある。表面は緑色で、裏面は綿毛が密生して灰白色。茎の先に大きな円錐花序をだし、小 さな頭花を下向きに多数つける。頭花は直径約1.5mm、長さ約3mmの長楕円状錘形。花期は9〜10月。特有の香りがあり、春につんだ新芽を茹で、おひ たしや汁物の具、また草餅にして食べる。また、天ぷらにして食べることもできる。若い芽や、育ち始めた若い株は、干しておいたのちに煎じて飲むと、健胃、 腹痛、下痢、貧血、冷え性などに効果がある。また、もう少し育ったものは、これも干しておき、風呂に入れると良い。腹痛を始め、痔にとても良い。


分布など:日本全国いたるところに自生している。また、南西諸島にはニシヨモギが自生し、沖縄方言では「フーチバー」と呼ばれる。これは沖縄料理の沖縄そ ばの具やヤギ肉の臭み消しとして用いられる。

































































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