植物生態学ゼミ
信州大学理学部化学科 糸島和真

大学内、周辺で見つけた植物    
                                          
                                                                                        
もも (バラ科)    

春に花を咲かせ、夏には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。世界各地で食用や観賞用として栽培されている。
この桃は家の近所でたまたま見つけたものである。人間が植えたものが半野生化したためか果実が小さいです。
桃のルーツは中国です。なんと2500年くらい前から栽培されていたようです。そして、当時では「桃」ではなく「毛毛」と記述されていたようです。確か に、桃の果実には毛が生えていますが、そこまで毛むくじゃらという気はしないです。不思議なものですね。
僕は岡山県出身なのですが、桃の花が県の花です。しかし、岡山県の桃の収穫量は全国で6位です。なんと、長野県に負けているのです。
ここで、岡山で有名な品種をあげます。なんといっても「白桃」でしょう。明治時代から岡山県で生産されている日本の桃の元祖です。いまではその派生がたく さんあります。「純粋白桃」や「本白桃」や「白麗」や「黄金桃」が有名ではないでしょうか。
とても高価ですが、ぜひ食べてみてください。







ガクアジサイ (アジサイ科)

ガクアジサイは日本に自生する原種で、栽培品種の元となったものです。葉の数は通常4枚です。装飾花の中央部にはちゃんと花があって開花することもある が、子房やめしべが退化しているようで、身が実ることはありません。
我々はいろんな色をしたアジサイを見かけます。おんなじ形をしているのになぜ色が違うということが起きてしまうのでしょうか。それには理由があります。
花の色はアントシアニンという色素によります。これはアルミニウムイオンの量によって色が作用されます。
土壌のpHによって花の色が変わるといってもいいです。土壌が酸性ですと、アルミニウムイオンが土壌に溶け込むため、アジサイはアルミニウムイオンを吸収 しやすい状況ができます。そのためアジサイは青色に呈色します。対照的には土壌が塩基性ですと、アルミニウムは溶け込むことなく吸収されることもありませ ん。結果、花は赤色となります。
皆さんもアジサイの花を見て土壌のpHを想像してください。







                  
                   

ツユクサ (ツユクサ科)

畑の角や道端で見かけることも多い雑草です。朝顔と同じように朝咲いた花が昼にしぼみます。その様子からまるで朝露のようであることから、ツユクサと名付 けられました。また花がとても特徴的な形をしていることから、「帽子花」といわれたり、蛍が現れる時期に咲くので「蛍草」と呼ばれたりもします。
この花のきれいな青色は水に溶けます。それを利用して昔は染色に使っていたりもしていたそうです。
ものすごい余談ですが、この花は「おおかみこどもの雨と雪」にでてます。
見かけたら染色してみて遊んでください。