農学部、森林・環境共生学コース 千代西尾輔。
6月27日にアルプス公園に出かけた時に見つけてそそられた植物を紹介させていただきます。
この日はカラッとした天気で、非常に気持ちよく歩き回れたのを覚えています。シジュウカラなどの鳥も鳴いていました。
「せっかく自然公園に来たんだ、どうせなら『山野草』の一つや二つ見たいもんだ。この時期ならオカトラノ オ位あってもいいだろう・・・。」そう思いながら自転車で坂道を駆け上がり、公園内を散策していました。


ありました。特に珍しげもなく咲いていました。さすが長野県といった感じですね。

オカトラノオ(丘虎の尾)。サクラソウ科オカトラノオ属。葉は互生、長楕円形で全縁。
白くて7mm位の花が集まって咲きます。

この垂れ下がり方が「虎の尾」たる由縁でしょうか。
ホワイトタイガーというより白い子猫といった印象を受けますが。

日陰を好むのかなーと思っていましたが、どうやらそうでもないようです。ほとんど影にならないような場所でもこれだけの群落が。
なかなか壮観でした。
ちなみに、これと似た種に「ヌマトラノオ」というものがあるのですが、名前の通り湿地を好み、左の写真のように花穂が垂れません。
さらに、オカトラノオとヌマトラノオとの交配種で、「イヌヌマトラノオ」というものまで存在します。雑種としても扱われるようです。インターネットで写真 を探しても何やらまちまちでした。

イカリソウ(錨草)。メギ科イカリソウ属。
淫羊霍(いんようかく)という名で漢方にも使われるらしいです。
すごく特徴的で可愛らしい花を春につけるのですが、時期が時期…。
三枝九葉草という別名もあり、三方向に枝分かれした先に三枚の葉をつけます。この種はかわいらしいハート形ですがものによってはギザギザハートのものも。 触るものみなナントヤラ。
よく似た種に「トキワイカリソウ」がありますが、それは冬に落葉しません。
この株にはそういう古い葉があるようには見えないので、多分イカリソウでいい…はずです。一般的にトキワイカリソウは日本海側、イカリソウは太平洋側に住 むらしいですが、長野じゃあその判別ができませんね。

ホタルブクロ(蛍袋)。キキョウ科ホタルブクロ属。花の長さは長い方が4cm位。
所謂「山野草」と呼ばれるものではかなり身近なのではないでしょうか。
昔の子どもが中に蛍を入れて遊んだことからこの名がついているとか。

クガイソウ(九蓋草)。オオバコ科クガイソウ属。
葉のつき方が特徴的ですね。50㎝位の高さになって幅2cm強の鋸歯のある葉が5~8枚茎に直接輪生します。葉が九重の蓋のようであるから九蓋草というわ けですね。「リュウマチ」というプレートがあるのは、薬草園たるエリアに生えていたからです。リュウマチに効くそうです。

蕾。一足早かったようで、まだ花は咲いていませんでした。
花が咲けば青紫の花をつけるのですが。こうしてみると前述のオカトラノオに似てないでもないですね。
これは花穂が一つですが、大きい株だといくつもの花穂をつけるものもあるようです。

ウラシマソウ。サトイモ科、テンナンショウ属。
フラフラと迷っていたら偶然見つけました。工事があったらしく、土が大きく削り取られていた中、少し傷つきながらも生育してました。
土が削られても生えているという事は、工事があったのは芽生えの時期の前でしょうか。表面だけ削られてセーフだった、とか?





ちょっと近づいて。実はこの葉、複数枚ある枝が何枚か生えているようですが、切れ込んでてそうあるように見えるだけ、で葉自体は3枚くらいらしいです。同 じサトイモ科のモンステラみたいなノリのんでしょうか。
ウラシマソウといえば花(正確には仏炎苞)からヒョロッと釣糸のようなものが面白いのですが、時期が時期なのでもう跡形もないですね。 代わりにとばかりに仏炎苞の跡からこれまた特徴的な実が少し見えます。秋になればちょっと毒々しい(個人の主観ですが)赤に色づくのでしょうね。
このほかにも、ウバユリ(姥百合。ユリ科ユリ属)や、カラマツソウ(唐松草。キンポウゲ科カラマツソウ 属)等色々あったのですが、写真撮り忘れたり写りが悪かったりで割愛しました。時期が時期故文字通り華もないので。

僕からはここまでとさせていただきます。
ここまで見ていただいてありがとうございました。





ƒgƒbƒv‚É–ß‚é