居里谷湿原の植生について

居里谷湿原は、長野県大町市に位置する低層草原。県天然記念物にも指定されている。私が訪れたのは7月中旬で、コオニユリやショウブが花を咲かせていた。
湿地の植物も多く見られた。

観察は早朝行ったのだが、天気は生憎の雨であった。
カメラが曇ってしまい、あまり鮮明な画像は取れていなかった・・・。
しかし、花や珍しい植物が目に新しく、早朝の湿原歩きを満喫できた。



居里谷湿原のようす
オオバギボウシの群生と思われる。



居里谷高原のようす
午前5時の居里谷湿原。ひんやりと涼しく、静かな雰囲気が漂う。

 ノハナショウブ(アヤメ属アヤメ 科)
湿原に生える多年草。葉は剣状で20~50cm、中脈は盛り上がって太くなる。
外花被片に淡黄色の斑紋がある。
(よく似たカキツバタは白い斑紋が見られる。)

日本では魔を払う草として伝えられている。
昔話「二口女」では、男はショウブの群生地に身を隠すことで二口女の追跡を回避できた、とされる。





 コオニユリ(ユリ科 ユリ属)

多年 草。高さ12mになる。オニユリとは異なり、
葉のわきにむかごがつかない。
花はオニユリより小さいが、茎の高さはオニユリを超 える。
花は78月に咲く。



 コバギボウシ(ギボウシ属)

日当たりのよい湿地に生える多年草。葉は狭卵形~卵状長楕円形で、斜上す る。
花茎は3040cmになり、淡 ~濃紫色の花を横向きに開く。
7~8月に咲き、45cmの筒状釣鐘型 の花を咲かせる。
花の基部には舟形のがある。
花の時期は78月。






 ドクゼリ(セリ科 ドクゼリ属)

湿原に 生える多年草。高さ1m程になる。
2
3回羽状複葉。枝先 に複散形花序に白色小花をつける。
太くてタケのような節を持つ。
食用のセリによく似ているが、日本三大有毒植物の1つ。
シクトキシンという猛毒を持つ。



 ハナノキ(カエデ科)
落葉高木。葉は単葉で対生。
葉の表 面は濃い緑色で無毛。裏面は粉白色。
葉身は浅く3裂し、各裂片には 重鋸歯が見られる。





 ミゾソバ(イヌタデ属)

高さ0.3~1mの1年草。
葉の形が牛の顔に似ているため、別名を「ウシノヒタイ」という。

やや湿ったところに群生する。
葉は互生、単葉。
花期は710月だが、私が訪 れた時には咲いていなかった。



 ガクアジサイ(アジサイ科 アジサイ属)

落葉低 木。
アジサイは、「がく」が発達した装飾花を持つ。57月に花を咲かせ る。
居里谷湿原に見られるような、装飾花が花序の周辺部 を縁取るように並ぶ種は、「ガクアジサイ」といい、日本に自生する。
アジサイの花の色は土壌のpHに左右される。
「酸性なら青、アルカリ性なら赤」と言われる。

また、アジサイ属は有毒であり、ヒトが摂取すると過 呼吸、ふらつき、
けいれん、麻痺などが起こるとされる。




 サルトリイバラ(ユリ科)

落葉つ る性木本。葉は単葉で互生。
葉縁は波状の全縁、葉先は鋭尖頭。
とげを持つ。



 ヤマガシュウ(ユリ科)

落葉つ る性木本。葉は単葉で互生。
基部から5~
7本の平行脈が出る。


ワラビ(コバ ノイシカグマ科 ワラビ属)

夏緑性 のシダ植物。
ワラビの新芽は、山菜としてよく知られているが、地 上でもっとも発がん性が高い物質を含んでいる。あく抜きすれば問題ない。
また、ワラビの地下茎にはデンプンが蓄えられている ため、わらびもちの原料となる。

普通は1m以下だが、大きいものは2mにもなる。


 シシガシラ(シシガシラ科 ヒリュウシダ属)

シダ植 物。日本固有種である。斜面によく生えており、斜面方向に葉が垂れ下がる傾向がある。

これが 獅子のたてがみに似ていることから、この名がついたといわれている。














































































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