植物生態学ゼミ

  繊維学部応用生物科学系の黒田彩沙です。
  実家の庭にある植物を紹介します。

ウコギ

ウコギの写真

ウコギ科の落葉低木で、中国原産であるが、 生垣に植えられたものが野生化していることもある。枝は灰白食で鋭い針を持ち、葉は小さな五枚の葉の掌状複葉(五出複葉)であり、鋸歯がある。花は初夏に 淡黄色の五弁花を咲かせる。若芽はほろ苦く、香りの強い野菜として、ゆでておひたしや和え物などにし、刻んで塩味をつけ、ご飯 と食べることがよくある。葉はお茶の葉としても使える。日本では、平安時代より漢方薬の強壮剤として使われ、茎にトゲを持つことから、戦国時代の城下町で は生垣として植えられた。また、江戸時代、米沢藩の立て直しを行った「為せば成る」という言葉で有名な上杉鷹山は、防犯にもなり、手軽に育 てられるウコギを野菜として食べることを人々に奨励し、城下町のいたるところに植えさせたそうである。私の家のウコギは、そんなウコギが盛ん に育てられている米沢へ訪れた際に取り寄せた。ほとんど手入れが必要でないし、味は生では少し苦味もあるが、茹でたり天ぷらにすると非常にお いしいと思う。

ウツギ

ウツギの写真

北海道南部、本州、四国、九州に広く分布し、山野の路傍、崖地など日当たりの良い場所に生育しており、 畑の生垣にしたり観賞用に植えられたりする。 開花時期は5月~6月で、枝の先端に1cm程の白花を次々とたくさん咲かせる。 花弁は5枚で細長いが、八重咲きなども存在する。 葉のふちはにギザギザがあり、毛が生えているので触るとざらざらする。 下の方からたくさん枝を伸ばして大きく茂る。 おからを「卯の花」と呼ぶのは実はウツギからきていて、「白いおからをウツギの白い花に見立てた」とか、 「ウツギの枝の中が空洞なので、おからの「から」が「空っぽ」に通じると語呂がよいから」などと言われている。

シラン

シランの写真

関東地方より西の本州から九州、および朝鮮半島、中国に生育する。4月〜5月に30㎝ から50㎝ぐらいの深紅色の花茎の先に花がいくつかつく。花弁は細長く、あまり開ききらないような感じに咲く。漢字では「紫蘭」と書き、紫色 の美しい花を咲かせる。地下には丸くて平らな偽球茎(ラン科に見られる茎から生じる貯蔵器官)があり、1年ごとに1球ずつ増えていくので、 昔の古い偽球茎がいくつもつながっている状態である。偽球茎は、止血や痛み止め、胃炎などの症状に漢方薬として用いられ ることもある。葉は、幅が広い長楕円形で、薄いが堅く、表面には多くの縦筋が並んでいる。ラン科植物には珍しく、日なたでも栽培が可能なので、観賞用とし て庭に植えられる。極めて丈夫な植物で、日かげから日なたまで適応し、 乾燥や過湿にもよく耐え、栽培しやすい。

キウイ

キウイの写真

中国の原産で、温暖な地域でよく育ち、ニュージーランドで改良され、果実として栽培されており、貯 蔵性が優れているため各国へ輸出される。マタタビ科のつる性の落葉樹で、葉はやや円形で厚い。雌雄異株であり、6、7月ごろ開花する。果実は 円筒状で、褐色で表面に毛があり、見た目が鳥のキウイーに似ているのでこの名前が付けられた。果肉は緑色または黄色で、ゴマ粒のような大きさ の黒い種子が たくさん含まれている。果実は甘酸っぱく、1つで大人1日の必要量を満たすぐらいビタミンCが豊富である。芳香があり、パイ、ジャム、 シャーベット、アイスクリームのほか、果実酒にも用いられる。

バジル

バジルの写真

インド原産のシソ科の一年草で、 草丈は約50㎝である。 葉は対生し、卵形で長さ5~10㎝。夏に白色の小さい花を穂状につける。原産地ははインドからインドシナ半島にかけての地域で、熱帯では半低 木になる。日本には江戸時代に輸入されているが、栽培はそんなに多くない。葉を生のまま、あるい は乾燥させてハーブとして利用する。さわやかな香りを持ち,特にイタリア料理のハーブとして欠かすことができない。バジルのもつおもな効果 は、胃腸の機能の促進で消化不良や食欲不全などであり、また食べ過ぎた時にもにも有効である。また、虫刺されや炎症によるかゆみには、生の葉 をすりつけたり、汁を塗ると効果的である。

ラベンダー

ラベンダーの写真

シソ科の小低木。地中海沿岸 地方の原産で,特に南フランスで多く栽培され,日本では特に北海道で栽培される。寒さには強いが、高温多湿には特に弱く、平地や暖かい気候では育てにく い。高さ 60cmぐらいで,茎に白毛があるため灰白色に見える。葉は最初は輪生しているが、成長するとしだいに 対生するようになり,針のような形をしており、長さは約 5cmである。芳香があり、花からとったラベンダー油は古くから香料に用いられる。 ローマ時代には入浴用香水として利用され、名前は洗うという意味のlavare という単語に由来している。また、中世ヨーロッパでペストが大流行したとき、 ラベンダー畑で働いていた人は感染を免れたといわれるように強い抗菌作用をもっている。また抗菌の他にも、鎮痛、炎症を抑える、けいれんを止める、循環器 の活性化、胆汁の分泌促進といった様々な作用を持っている。

クリスマスローズ

クリスマスローズの写真

 キンポウゲ科の多年草である。原産はヨーロッパであり、観賞用や切り花用に栽培され,花壇によく植えられる。 12月~2月に開花し,花自体は緑白色で直径約 6cmであり小さいが、花弁のように見える紫色のがくが大きく美しいため、見ごたえがある。花茎は分岐して1~3つの花をつける。高さ15~30㎝の葉は 掌状複葉で、暗緑色であり、根の際から出る。小葉は7~9片で先端部に鋸歯がある。根 にはサポニンという物質が含まれていて強心剤、利尿剤として用いられるが、有毒である。

オダマキ

オダマキの写真

キンポウゲ科の多年草で日本原産のものとヨーロッパ原産のものがあり、鉢植えや切り花用に栽培される。花の色は白、紫、赤、桃、黄など実に 多様で見ごたえがある。茎は高さ 20~40cmで,葉は3出複葉で,小葉はさらに2,3裂し,各裂片は扇形をなす。茎、葉ともに特 有の白粉で覆われたような緑色である。5~6月頃,茎の上部に枝を出し鮮かな青紫色,ときには白色の美しい花をやや下向きにつける。がく、花弁ともに5 枚。花が咲いた後、花茎の先に細長いさやが5つ集まった果実を付け、熟すと先端が開いて中から 光沢のある黒い種子が出てくる。オダマキの名前は、中心を空洞にして巻いた麻の糸玉「苧環(おだまき)」に花の形が似ていることから付けられた。花が開い た形と言うより、つぼみの形が苧環に近いという。

サフィニア

サフィニアの写真

ペチュニアの園芸品種。匍匐性でこんもりと大きく伸び広がるのが特徴である。他のペチュニアに比べて多くの花をつけ、よく育つと春から秋に かけて茎や葉を覆い隠すほど咲き誇る。ペチュニアでは初めての本格的な栄養繁殖系であり、ペチュニアの弱点である長日植物ということを完全に 払拭した育てやすい品種であ る。開花時期は4月〜10月であり、10月〜11月には株は寒さで枯れる。

キャッツテール

キャッツテールの写真

トウダイグサ科の多年草で、 インド原産でトロピカルな雰囲気もあり、四季咲きであるため温度があれば1年中咲き続ける。花穂は美しい紅色であり、また鑑賞期間が長く、雨に当てないよ う管理すると、1つの花穂が1ヶ月近くも鑑賞できる。細い茎が匍匐するように伸びて広がり、先のとがった卵円形の葉は互生し、長さは2〜3㎝ である。茎頂に長さは4〜6センチぐらいの穂状花序(長い花の軸の上に柄のない花が穂のようにつく)を下向きにつける。名前の由来は、ネコの しっぽのような形とその手ざわりである。