医学部保健学科看護学専攻
 山端 知美
         信州大学松本キャンパスとその周辺の植物たち


ヤマザクラ
バラ科 
品種改良をしたものをサトザクラという。
葉と同時に花が咲き、光合成期間を長く保てるというメリットがある反面虫に見つかりずらいというデメリットがある。その分花を大きくしている。
エドヒガンと対極。

エドヒガン
バラ科
葉は花が終わってから咲く。花は小さいが虫に見えるように房になって枝先に固まって咲いている。
ヤマザクラと対極。

信州大にエドヒガンが多いのは他より開花時期が早いため入学式に合わせて桜が見れるようにするため。
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ソメイヨシノ
バラ科
植物はふつう前項のヤマザクラとエドヒガンの開花の仕方のように両方の性質を持つことはない。(トレードオフ)しかし、ソメイヨシノは人によってエドヒガ ンと花も葉も大きいオオシマザクラを交配して作られた。花びらは大きいが、葉は花が咲いた後につく。そのため自然界には存在しない。基本的に種はできるが 芽はできない。オオシマザクラにソメイヨシノを接ぎ木してそだてる。

ヤエザクラ(フゲンゾウ)
バラ科
バラ科の植物はふつう花びらは五枚だが八重桜はたくさん重なっている。人工的に品種改良で作られたためおしべはあるが機能していない。もともと花は枝葉が 進化したものでめしべももともと葉である。ヤエザクラは葉がめしべに進化したあと葉に退化しており、写真右下の日本ったっているものがめしべだがよく見る と葉が二枚向かい合った形をしている。

レッドロビン(ベニカナメモチ)
バラ科
赤がよくでるように品種改良してできたもので野生のものはカナメモチ。常緑樹であるため春の間、葉はつきっぱなし。去年以降の葉は緑色で、赤いものは今年 新 しく出た葉である。新しい目が固まってつくため葉は放射状にでる。互生鋸歯。←バラ科は互生が多い。

カシ
ブナ科コナラ属
互生鋸歯。常緑樹。どんぐりがなる。葉のヘリまで測脈が達しておりその先が鋸歯になっている(写真右下)。→測脈の数と鋸歯の数が一緒。剣木で固くて曲が りにくい。
コナラ属には他にも常緑のクスや落葉のコナラックスギなどがある。コナラは葉が紙質だが、クスは革質。コナラックスギは一次雑木林に生えカブトムシやクワ ガタに好まれる。



チューリップ
ユリ科
ユリ科の花びらは基本、内側3枚(内花被片)外側3枚(外花被片)で6枚になっていて内側の花びらが本当の花びらで、外側の花びらは額である。葉は平行 脈。


カラスノエンドウ
マメ科
豆がカラスの食べる大きさであることから名がつけられた。つる植物ではないが、先端がつるになっていて巻き付く。羽状複葉。


スズメノエンドウ
マメ科
カラスノエンドウよりも小さい。雀が食べる豆の大きさ。羽状複葉。カラスノエンドウと同じくツルがあり巻き付く。

カラスノエンドウとスズメノエンドウの間の大きさのものでカスマグサがある。スズメノエンドウやカラスノエンドウはツルの先端が分かれ3本だがカスマグサ は分かれず1本である。また花が蝶形という特徴でみわけることもできる。



セイヨウタンポポ
キク科
花びら一枚に見えるもので一つの花。また、キク科はふつう花びらが五枚で、タンポポは花びらが一枚に見えるが、花びら5枚が一列にくっついていて、合弁花 の集合化である。額のように見えるものは、たくさん集まった総苞片である。セイヨウタンポポはつぼみの外側が外にそり返っているが、日本のタンポポは反り 返らない。葉は歯牙である。


オランダミミナグサ
ナデシコ科
葉が大勢で花びら5枚。外来種で日本のものはミミナグサ。額に腺毛があ。先に水玉のようなものができており、それが触ると粘る原因である。葉は上に行くご とに90度くらいずつ回転してついており光合成をしやすくしている。


ノヂシャ
スイカズラ科
チシャレタスとも呼ばれるヨーロッパではサラダ用として食べられる。葉は対生につく。枝と葉の互生はシンクロしている。花びらは五枚で合弁である。

ヘラオオバコ
オオバコ科
花は下の方から順に咲いていく。葉はヘラ状で平行脈を持っている。ヨーロッパ原産の一年草。茎の断面が四角く、茎をもってくるくる回そうとするとカタカタ まわる。



オオイヌノフグリ
オオバコ科
外来種で、日本のものは花がピンク色。花柄(花を体に例えると首の部部分)がある。ないものはタチイヌノフグリ。

ハルジオン
キク科
葉が耳たぶのように茎を抱くような形をしている。対生単葉鋸歯。茎の断面はパイプ状になっている。似たものにヒメジョオンがあるが、これはくきの断面がパ イプ状になっていない。


トゲチチャ
キク科
とげのあるチシャ。互生単葉切れ込み鋸歯。葉が茎を抱いている。葉の主脈や茎にとげがある。

ノゲシ
キク科
互生単葉切り込み鋸歯。葉が茎を抱くような形をしている。葉に光沢がなく紙質。



オニノゲシ
キク科
互生単葉切り込み鋸歯。葉が茎を抱くような形をしている。葉は皮質で表面にテカりが入っている。


スギナ
トクサ科
シダ植物。シダ植物はふつう葉の裏に胞子をつけるがスギナは胞子を作る塊を作る。葉のように見えるのは葉ではなく葉状枝で、ルーペで見てギザギザに見える のが葉。葉状枝も光合成はする。



アツバキミガヨラン
キジカクシ科
以前はユリ科だった。キジカクシ科は学名ではAsparagaceaeと表記するが、茎のあたりをよくみてみると確かにスパらガスのようになっている。花 びらは6枚で内側3枚外側3枚になっている。


ウマノチャヒキ
イネ科
ヨーロッパ原産で互生単葉。必ずイネ科は花が一番上にある。葉は互生でなるべく重ならないように枝分かれしている。


オニウシノケグサ
イネ科。
ヨーロッパ原産の多年草。背が高く1〜3mくらいにもなる。

ノゲイヌムギ
ムギ科
南アフリカ原産の多年草。先っぽが平らにつぶれた形をしている。小穂は扁平で6〜10この小花からなる。小穂がだんだん開いき、最後に葯がでる。おし べは黄色い。



ムギクサ
イネ科
ヨーロッパ原産の多年草(1、2年草)。大麦に形が似ている。外来種だが日本でもよく見る。


カモガヤ
イネ科
ヨーロッパ原産 広がっているのは花粉をたくさん飛ばすため。ヨーロッパ西アジア原産の多年草。葉に毛はなく葉は広い。


クサノオウ
ケシ科茎を切ると黄色い液がでて触れると手がかぶれ、花の黄色い色はこの液からきている。菊の葉のような切れ込みがある。


スズメノカタビラ
イネ科
枝分かれして3〜5個の小穂の中に花が1つか2つ。一般的に花粉を飛ばすため植物は背を高くするが踏まれたり食べられたりすることtから、低い方が生存率 が高い場合がある。スズメノカタビラのように背を低いままにしておくのも一つの進化の在り方。


ナギナタガヤ
イネ科
花がきれいに一方向に並んでおり、それをなぎなたに見立ててナギナタガヤと呼ばれるようになった。


ケヤキ
ニレ科
風散布種子。葉の付け根にぽつぽつと種をつける。葉が翼の役割をしており、落ちるときに風の抵抗で落ちるスピードが遅くなる。そのときにふく横風を利用し て遠くに種を飛ばしている。



チューリップツリー
モクレン科
日本ではユリノキと呼ばれる。葉は半纏のような形をしており、冬に散る。別名半纏の木。


アカマツ
マツ科
幹がだんだんはがれると、赤い地肌が見える。クロマツは葉が痛いがアカマツはあまりいたくない。マツには二葉松と五葉松があるが、アカマツは二葉松に分類 され、一枚の葉の断面はかまぼこ状になっており、重ねると円柱状になる。


クロマツ
マツ科
葉が痛い。五葉松で、五枚の葉を重ねると円柱状になる。

カツラ
カツラ科
囲碁板に使われる。対生単葉かまぼこ上の鋸歯。葉は円形または広卵円形。陽樹で、明るくなければ光合成ができない。



アヤメ
アヤメ科
虫媒花で下唇の隙間におしべがある。ここにハチなどが入ることで花粉をつける。下唇のところにアヤメ模様がある。(写真左上)似たものにハナショウブ、カ キツバタがあるがこれらにはアヤメ模様はついていない。この三つは葉で見分けることができる。カキツバタはのんべんだらりんとしており、ハナショウブは葉 の真ん中に筋がある。



ドイツトウヒ
マツ科
常緑で枝が垂れている。幹の模様はタイルやブロック状になっているがこれはトウヒ属の特徴である。葉は針葉樹だがよく見ると断面がひし形。
ヨーロッパでクリスマスツリーとして使われているのはモミの木ではなくトウヒであることが多い。

常緑か落葉かの区別は葉が落ちるのを見なくても葉の色で大まかにはできる。緑が濃いものは常緑で明るいものは落葉の可能性が高い。


メタセコイヤ
スギ科
別名アケボノスギ。葉が左右対称にはえる。マツ科はブロック状だったが、スギ科は縦に筋が入ったような模様が出る。
似たものにラクウショウ(落羽松)というものがある。湿地に生えているため気根(根が地上に盛り上がって出たもの)を出し呼吸をしている。メタセコイヤの 葉とは違い葉が左右対称ではない。


キャラボク
イチイ科
イチイは10mくらいにも大きくなるが。キャラボクは小さく1mくらいである。葉が放射状についており、似ているチャボ、チャボガヤは葉が痛いがキャラボ クは痛くはなく、食べられる。秋になると赤い実をつける。


カイヅカイブキ
ヒノキ科
イブキの変種。針葉樹だが、葉が分厚くうろこ状。実がつく。
光合成を効果的にするには葉が広い方がいいが、寒さや乾燥に弱くなってしまう。そのため体積に対して面積を小さくすることで寒さや乾燥に耐えられるように なったのが針葉樹である。その代わり、光合成の効率が悪いためいい環境だと競争にまけてしまう。

梢端枯損
 日光の当たり方や根が機能しなくなるなどの原因で枯れるべきところではないところが枯れてしまっている状態。5段階で評価される。


この写真はケヤキだが、写真中央上寄りの枝が枯れてしまっているのが分かる。日光のあたり方が悪いことが原因と考えられる。








信州大学松本キャンパス中央図書館前のサクラ。下の枝に全く葉がついていないことがわかる。明らかに木のすぐ横にスロープがあることから、工事の時に根を 傷つけてしまったことが原因と考えられる。
根と枝はパイプのようにつながっているため(パイプモデル)、一部の根が切れてしまうとそこにつながっている枝はだめになってしまう。


ウダイカンバ
カバノキ科
陽樹。葉には長枝と短枝がある。枝をあまり伸ばさずに同じところから葉をつけるため他の葉は互生だがそこは二本同時に葉が出る。ねじまきのようなものが増 えていく(写真左下)。そこは葉は順次展葉ではない。

陽樹→順次展葉。先端に行くにつれて葉が小さくなる。枝の先の方がセンサーのようになっており、明るいことがわかるともう少しもう少しと伸びていく。


モチノキ
モチノキ科
常緑で一日中葉を絶やさない。枝分かれしているところで一年で、葉がつるつるして厚い。これは乾燥を避けるためである。秋になると赤い実をつける。互生単 葉。クロガネモチに似ているが実の付き方で見分けることができる。


ヒイラギ
モクセイ科
葉が小さいころは食べられないようにギザギザしているがそれにはコストがかかる。大きくなるにつれて食べられにくくなるため次第にギザギザはなくなる。葉 は対生につく。


ヤマモミジ
ムクロジ科
風散布種子で写真右下のようなものの中に左右で実が二つ入っており、真ん中で二つに分かれる。翼があるおかげで回転しながら落下することで、落ちる速度が 下がる。その時にふく横風によって遠くに種を飛ばす。水にも浮く。






シナノキ
アオイ科
黄色い花をさかせる。風散布種子20〜30個の実をつけ翼を持つことで回転し落下速度を下げることで遠くまで実を飛ばす。今年は大豊作年でみんなそろって 成り年になる。


イチョウ
イチョウ科
裸子植物。実は銀杏。学名がginkgoとなっているがこれは書いた人がginkyoと書いたつもりがginkgoにみえてそうなってしまった。オスとメ スがある。メスの周りにオスがいなければ実をつけることはできない。


サイカチ
マメ科
12枚の小葉で一つの葉。羽状複葉。一般に羽状複葉は奇数のものが多いがサイカチは偶数。木が落石にあったり、薪や炭にされても再生できるようにボウが生 える。薪炭林。


エノキ
アサ科
葉はひし形のような形で、左右非対称。鋸歯は先の方にしかなくもとにはない。これは葉脈の先が鋸歯になっているからである。実は赤くなり鳥散布種子であ る。


ザクロ
ミソハギ科
アジア(トルコ)原産。長枝は葉が対生で、一か所から葉がたくさん束のように出ているところは見えずらいが短枝である。食べるために作るときには花を摘ん であまみがぶんさんしないようにする。信州大学松本キャンパスのものはそのために作っているわけではないのであまりおいしくない。

マルバハッカ
シソ科
虫よけにつかわれていた。虫よけには他にもメントールやユウカリのにおいを抽出したものが使われていた。化学成分が入っていないためあかちゃんなどの虫よ けによい。ヨーロッパ原産。


アレチノウリ
ウリ科
繁殖しすぎて問題となているもののひとつで侵略的外来種100選にも選ばれている。その名の通り荒れ地に生える。 


ビロードモウズイカ
ゴマノハグサ科
葉がビロードのように毛でおおわれている(写真左上)。よく河川に増える。


ウラジロモミ
マツ科
葉の裏に二本の気孔線があり、枝の裏はブロック状になっており、理路整然と葉がついている。


シラビソ
マツ科
先端に芽がついて毎年三つに分かれてのびているため、一節で一年と判断することができる。1500m以上のものをさし、よくスキー場などでみられる。枝の 肌はブロック状にはなっていない。ウラジロモミやシラビソは葉の先は二つに分かれていないがモミの木は葉の先が二つにわかれている。(下写真)
    




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