テラヘルツ波の世界的な研究課題として,大きくわけて3種類あると考えています。
1つ目は,上で述べたように,テラヘルツ波によって実現できる応用技術へ展開することです。最近では,国内・海外問わず,多くの企業がテラヘルツ技術開発に乗り出していて,産業界への展開が推し進められているところです。
2つ目は,強い光源の開発および,分光装置の開発です。これまで開発されてきたテラヘルツ波光源をより強くする,また分光装置の計測速度をより速くする,またはより精度良くする,またはより安くする,などの開発課題があります。
3つ目は,テラヘルツ波の装置で使える,光学部品・光学デバイスを開発することです。テラヘルツ領域では,これまで用いられてきた多くの光学材料における吸収が大きいので,全く新たに光学素子を開発していく必要があります。現在でも,さまざまな研究が世界中で進められていますが,光物性研究室ではそのアプローチとして,”メタマテリアル”を用いてテラヘルツの光学素子を開発していこうとしています。 |