解答
体積を変えた時の圧力について計算する。
ファン・デル・ワールス状態方程式に従う、とあるので 式(16.5) を P について解き
から計算できる。これを図に示すと、下記の赤線になる。
図中には理想気体の式から計算した場合を青線で示した。
圧力が高い状態では、実在気体のふるまいは理想気体の状態方程式からずれる。
より実在気体のふるまいをよく再現するファン・デル・ワールス状態方程式は高圧(図の左側)で理想気体の式からずれている。一定の圧力(例えば 60 bar のあたり)をみると、赤線は青線よりも左側にずれており、理想気体の状態方程式から期待されるよりも体積が小さい、すなわち「密」であることがわかる。
なお、70 bar 付近にはファン・デル・ワールス状態方程式が示す相転移点(凝縮圧力)での独特のふるまいが現れている。(教科書 図16.7 参照)
さて、もしこの過程が可逆過程(P = Pex)として生じるなら、2.00 dm3 → 0.750 dm3 の圧縮の仕事は下図の赤い部分の面積を計算すればよい。
しかし、この問題では「一定のPexで」とあるので、不可逆過程である。
また、Pex > P でないと圧縮は起こらない。
よって、「一定」かつ「最小」の Pex での仕事は下図の赤い部分の面積となり、求める Pex は、系の体積が 0.750 dm3 のときの圧力となる。
(Pex の扱い方がよくわからない場合、問題19-7 も参照してください)
体積が 0.750 dm3 のときの圧力を求めるために、
に数値を代入する。ただし、用いる単位系(bar, dm3)に合わせ、定数としては
a = 3.6551 dm6 bar mol−2
b = 0.042816 dm3 mol−1
R = 0.08314 dm3 bar K−1 mol−1
を用いる。
圧縮の際の圧力(Pex)は一定である。このときに得られる仕事は、赤い部分の面積を求めればよい。
(教科書ミスプリ k 抜け)
この問題はややこしく感じられると思います。
あきらめずに次の問題に進んでください。