19-2 不可逆等温圧縮

解答

系の圧力 PPV = nRT 式に従い、図の青線のように変化すると考えられる。圧縮過程では、外圧は系の圧力より高い。

P ≥ P

そのため、「一定の」外圧で圧縮する際の P がとりうる最小値は、変化過程の系の圧力 P の最大値となる。これは 体積が最小 (0.5 dm3)となった時の圧力である。 PV = 一定 からこの時の圧力を求めると

   \displaystyle P_1V_1 = P_2V_2\\  \\  P_2 = \frac{P_1V_1}{V_2}\\  \\  P_2 = {\rm \frac{(3.0~bar)(2.5~dm^3)}{0.5~dm^3}}\\  \\  P_2 = \rm 15~bar  

よって P = 15 bar。

外圧 P = 15 bar 一定で圧縮するので、仕事は 上のPVグラフの赤い部分の面積に相当する部分となる。
w = −P外 dから

  \displaystyle w = -\int P_{\rm ex} {\rm d}V\\  \\  = - P_{\rm ex} \Delta V\\  \\  = \rm-(15~bar)(0.5~dm^3-2.5~dm^3)\\  \\  = \rm-(15~bar)(-2.0~dm^3)\\  \\  =(15 \times 10^5~Pa)(2.0 \times 10^{-3}~m^3)\\  \\  = 30 \times 10^2~N~m^{-2}~m^3 = 3000~J = 3.0~kJ  

圧縮なので、仕事 w の符号はプラス。(系が周囲から仕事をしてもらっている)